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番外4:バレンタイン大作戦?1

PCの不調により、バレンタインが過ぎてしまいました。申し訳ないです。

「祐樹さん。ちょっといいですか?」


何だかよくわからない部屋の中。

ここがどこなのかは、まぁ、今は伏せておこうか。


俺の名を呼んだのはリータ。手には・・・・・・暗黒物質。



「・・・それ・・・何?」


「チョコレートです。」


「何で黒いの?」

「原材料にこだわりました!コートジボワールから10キロ直輸入ですよ!」


リータはポンっと自分の胸を叩いて言った。10キロっておい。


「・・・、いや、色々と突っ込みどころがあるんだけどさ・・・。」


「市販のチョコを溶かして手作りチョコと言い張るのはどう思うんだい、祐樹君よ。」


「何で、急にタメ口なんだ。っつーか、もしかして・・・カカオからか?」

「当たり前です。私のチョコに対する愛情をなめてもらっては困りますね。」


「で、まぁ、その失敗作が出来上がったってことか。」


「失敗なんて失礼な!ちょっとビターに仕上がってますけど!」

「いや、それ、焦げてるんだ。無理するな。」


そういうとリータは、ゴホンッ!!と咳払いをして、静かな口調で話し始めた。


「と・・とにかくですね・・・、チョコレートの作り方を教えて欲しいんです。」


「砂糖とか粉乳を入れるってことは確かだけど・・・俺もカカオから作ったことは当然の如くないからなぁ・・・。って言うかさ・・・誰にあげるの?」


「へ?」

「へっ?って・・・バレンタインが明後日だからチョコを作ってるんじゃないのか?」


「バレンタイン・・・監督?」

「何でそっちを知ってるのにこっちを知らないんだ?

・・・ふぅ、バレンタインってのはなぁ・・・その、女がだな、日頃お世話になってる人とか、好きな人にチョコを送るイベントだよ。」


「もらえない人は災難ですね。」

そういってリータはプフッ!と吹いた。


「その発言で、世の中の9.5割の男を敵に回したぞ。」


「つまり、アレですか・・・、チョコを使って人間関係を円滑にしようとかそういうのですか。」


「・・・ま、そういう使い方もあるな。」


「でも、ま、私には関係ないですね。」


「お前・・・マジで10キロ分一人で食べるつもりだったのか。」


リータは一瞬固まり、自分のお腹をさすると言った。


「・・・ちゃんと運動しますよ!」

「そういう問題じゃない。」



すると、ガチャっと言う音と共に、見覚えのある男が入ってきた。


「ただいまー・・・って、何だ祐樹、来てたのか。」

「あっ、クロイド!丁度良かった、チョコレートの作り方教えて!」


リータがクロイドに向かって言うと、クロイドは顔を赤くして言った。


「・・・まさか、俺にか?俺になのかっ!いよいよお前も俺を求め・・


そういいかけたとき、リータがクロイドの頭をバシッと音がするほど強く叩いた。どうやら、クロイドはちゃんとバレンタインのことを知っているようだ。


「あぁ、そう照れるな。俺に任せろ・・・完璧なチョコを作ってやるぞ!!」



・・・それって結局お前の作品ってことにならないか?ま、それで幸せならばなにも言うまい・・・。



俺はリータとクロイドがドタバタと台所へ向かう中、誰に言うでもなくつぶやいた。

「・・・何かもう大丈夫そうだな。俺、帰るぞ。」



俺は部屋を出た。


・・・と、言っても帰るところは、この隣の部屋なんだけどな。



俺は徒歩7歩で自宅に到着。


「ただい・・・って、うおっ?!!」


玄関に届くほどの悪臭が立ち込めている。


「あ?!祐樹かっ!!ちょ・・・助けてくれ!!」


と、フランチュールの声。何でうちにいるんだ。何でうちの台所にいるんだ。逆に助けてくれ。


「おいおい・・・まったく何やって・・・」



台所に上がる火柱を、フランチュールは呆然と眺めている。

「って、おいおいおいおい?!!!?!?何で燃えてるの?!何をどうすればこうなってくれるんですかっ?!」


よーし、とりあえず落ち着こう。こういうときはタオルを濡らしてだな・・・。



・・・と、何とか沈火完了。これより、事情聴取です。



「・・・で、まず、何をやってた。」


俺の目の前で申し訳なさそうな顔をするフランチュールは答えた。


「その・・・チョコレートを姫に・・・。」


「頼む、どうすればチョコレートがあれほど見事に燃えるのか教えてくれ。


「ほ、ほらっ!チョコレートにお酒入ってるやつあるじゃん?そのノリでチョコにお酒をバァっと・・・。」


「・・・。」

俺が黙って睨むと、フランチュールは居心地の悪そうな顔をして弁解した。


「いや、でもさっ!それを考えたのは俺じゃないぞ!その・・・シトラスがっ!!」

「シトラス?」


「ほ、ほらっ!そこに!」


誰かがこそこそと、台所を出て行った。・・・シトラス・・・。


俺が、おい。と言うと、シトラスはゆっくりと姿を現して言った。


「だ、だって、この子が、あまりにも純粋だから可笑しくって・・・。」


「シトラス・・・お前、知ってて言ったのか・・・。」


「とりあえず、この場をきれーーいにしろ。それで許すから、もうとりあえず勘弁してくれ。ていうか、自分の家でやってくれ。」


「そ、それだけはやめてくれ!姫は最近、毎日昼ドラ→通販→時代劇の順で常にテレビの前にいるんだ!その目の前で作ったらサプライズ感がなくなるだろ!」


・・・。

「よーし、帰れ。とりあえず綺麗にして帰れ。」



そういうとフランチュールは渋々とこげた壁などを拭き始めた。



「シトラス〜?勿論お前も同罪だと思うんだがどうかな?」

俺はこっそりと部屋の出ようとするシトラスの肩を掴み言った。


「私は・・・えーっと、用事があるからっ!!!」


シトラスはそういって俺の腕を逆に曲がらんばかりに蹴りつけると、すばやく部屋を出て行った。




「祐樹!終わったぞっ!!」


えっ、早くない?


フランチュールは一目散に部屋を出て行った。


まさか・・・。





・・・俺はボロボロになった壁を少し涙目になりながらも拭き続けた。

どうも、こんにちは。甘味です。

あんまり更新の間が空きすぎるのも問題なので、とりあえず2話構成と言うことで何となく書きました。

実はこれは後々の伏線に・・・。

何て言うと、後で回収し忘れそうなので言いません。


皆さんはバレンタイン、どういう風に過ごしましたか?

彼女(彼氏)を隣に幸せでしたか?・・・

ゴホンっ!いえ、別に悪いとは言いませんとも。

ちなみに私は、自分でちょっと高めのチョコを買いました。

板チョコの分際で500円もするんですよ!

あ、とても美味でした。


では、次話もよろしくお願いいたします。

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