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番外3:学園リータ(1)

騎士団長として仕事を始めて数日、私はシトリア姫に呼び出された。

姫、つまり先日第二王女だったヴェラ様はお亡くなりになり、

シトリア様は第二王女に就任なさったのだ。


ふふん、王族家の話にも詳しくなって、私もすっかり都会っ子だね。なんて。

こっちのことは勝手が分からないことが多かったりする。

ここでは女性は結構丁重に扱われるみたい。

食事も誰かが持ってきてくれるし、剣の手入れもしてくれる。・・・まぁ、剣の手入れはどうせ後で自分でもやるんだけどね。


でも、あの就任式での一件以来、どうも団員になめられてる気がする。

「鎧の下にも服は着るんですよ?」とか。セクハラだ畜生。まぁ、その場で彼がどうなったかは言うまでもないけど。

他にも「スプーンとかフォークって使えますか?」とか。

お前らの中で私はどれだけ原始的なんだ畜生。あの一件でどうやら完全なる田舎者だと思われてしまったらしい。


・・・田舎者=裸という方程式はどうかとも思うが。いや、裸になったわけでもないけどね?



・・・・・・と、呼び出された部屋はここだな。


コンコンッ♪


「リータ?入って。」


「失礼します。」


中に入るとそこには未来的な機械がどっさり。見たこと無いものだらけだ。


「あぁ、リータ。その辺りの椅子に座って。」

「あ、はい。」


私が椅子に座ると姫は真剣な顔で話し出した。


「今から言う話は王族家の中でも知る人は殆どいないこと。絶対口外はしないで欲しいの。」


王族家でも少ないような話を何で私に?

そう疑問に思ったが、私は黙って頷いた。


「今、この世界はとても危険な状況にあるの。貴女・・・と言うよりこの世界の人の殆どは知らないけれど。」


危険?こんな穏やかなのに?


「クレパ、カェムの住人がリズレバークに住んでいることは知っていますね?」


あぁ、確か、国の大規模な工事で一時的な移住だとかどうだとか。そんな話は聞いていた。

私は再び頷いた。


「表向きでは違う理由でこの街に住むようにしているのだけど、本当は違う。

今、あの街は『クラシュ』と言う邪族たちの組織によって狙われているの。」


「え?」

クラシュだとか邪族だとか・・・知らない単語が多すぎる。


「街を守るために私が作った組織。それが『エクシル』。エクサー、って知ってる?」


「あ、はいそれは知っています。でも、その力は今の人間には殆どないと聞いていますが。」


「一部を除いて、ね。その一部を集めた組織が『エクシル』なの。私にもエクサーの力が20%近く残ってる。

王族家でできるだけエクサーの血を持つ者を作るためにエクサー同士での結婚、出産を長年に渡って続けてきた。

その成果が私、ってわけ。」


「成程・・・。それで、つまりどういうことですか?」


「私が貴女にこれからお願いすることは全部で二つ。

一つ目は貴女に『エクシル』の幹部として騎士団長に加えて働いてもらう。」


街を守るため、それなら当然やるべきでしょう。騎士として。私は頷いた。

あ、いや・・・


「ちょっと待ってください。私に戦う力なんてあるんですか?」


「あるの。何故かね。エクサーとしての力は私より貴女のほうが強いわ。恐らく覚醒遺伝ってやつだと思うのだけれど。」


成程。

「で、二つ目とは何ですか?」


「えぇ、とりあえず、リータにはあっちの世界に行ってもらうから。」


「へ?あっちって?」


姫は一度考えるような顔をしたかと思うと、どこからか紙袋を取り出して私にポイッ♪と投げると、

部屋の奥へと行った。


「え、姫?どういうことですか?」


ガッシャンッ!!!


え?何この音・・・


ウィーン・・・ズドンッ!!!


えっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・?



次の瞬間、私は意識を失っていた。



-----------------------------



-----------------



-------・・・。


ハッ!!!


目を覚ました。ここは・・・・・・え、どこ?


「お、起きましたか。」


って言うかー・・・誰?

ベットで眠っていた私を見下ろす男は、メスを持っていた。

「・・・え、いやいやいや?!?!何者ですか?!」


「あ、はい?あぁ、すみません。コレはアレです。服をアレしてアレしようかと。」


「あぁ。成程。服をアレね?なら・・・・・・ってならじゃないでしょう?!ホント何者ですか?!只の変態ですか?!」


「おいおい、俺は姫さんから頼まれたんだぜ?とりあえずアレだ。今回の任務を見ようぜ。」

「・・・任務?」


「あぁ、姫さんから渡されてるだろ?」


・・・あぁ!そういえば!

私は何となくいつの間にか握っていた紙袋を開ける。

中には紙と・・・紙束と・・・紙束・・・。紙ばっかり。


とりあえず私は男にも聞こえるように紙の中身を読んだ。


「リータとクロイドへ。

そっちの世界で救世主を探してきなさい。

そっちの世界で使えるお金は準備しておいた。それで。」


・・・アバウト過ぎじゃない?


あぁ、でも成程。この妙な人の絵が描かれてる紙がこっちの世界でのお金ってことね。・・・何か信用ならないけど。


クロイドとやらは私に何だか変な服を差し出して言う。


「よーし、じゃあ、とりあえず着替えろ。俺の見える場所で。」


バキッ!!ドカッ!!ボコッ!!!!



「・・・いや、あの、これ、こっちの世界の服なので・・・すいません・・・。」

クロイドは半泣き顔で言った。


「あの、ってゆうかこっちの世界とかそっちの世界って何ですか?」

私は何事も無かったかのように言った。


「ん?姫さんから聞いてないのか?まったく・・・でもただで口を開くわけにはいかねぇな。俺の口を開けたかったらお前の服の胸の部分のボタンを開くことから


バキッ!!!ドスッ・・・!



「いや、ホントその、これはお約束みたいなもので・・・。あの、ほら、天丼ってやつ・・・。」

「あん?もう一発か?」

「すいません・・・。」


私が短剣をグッと握って見せるとクロイドは短剣をチラチラ見ながら話し出した。


「えっとだな、あの、簡単に言うなら、そうだな。・・・・・・・」






・・・余りにも長かったので省略。どこが簡単?


「・・・。人の話聞くのをこんなに嫌になったのははじめてかも・・・。」

そしてその話が今までいた世界は作られた世界だとか、余りにも現実からかけ離れていることもその嫌気をより増大させた。


「まぁ、徐々に分かっていけばいい。」

露骨に嫌な顔をしていたのを見て男はそういった。



「・・・で、結局私達はどうすればいいの?」


「えーっとだな、俺が姫さんから聞いていたのは・・・

あー、この近くの学校の生徒の中に救世主とやらがいるらしいんだわ。そいつを見つけ出してつれて帰るんだとよ。」


「・・・で、その人の名前は?」


私がそういうとクロイドははっとした顔をした。

「・・・分からないのね。」


「あぁ、そうだ!目の色が真っ黒な人がそうだとか言ってたぞ。」

「へぇ、で、その学校に普通に入っていって大丈夫なの?」


「あぁ、お前が先生になるから大丈夫。」


・・・え。

「え、何、勉強しなきゃいけないの?マジ?無理だよ?」

「そのために俺がいるってわけだ。こっちの勉強にも興味あってな。お前は俺が書く紙の通りに授業をやればいいよ。」

「成程。」

中等学校で脱落した私には無理だもんね。


「で、そのさっき渡した服が明日から着る先生の制服って訳。で、と・・・とりあえず、サイズが合ってるかどうか調べたいな、と。」


クロイドが私の体をジーッと見る。


「あー、しまった。姫さんから聞いてた話より酷いな。合いそうに無い。胸の慎ましさが半端じゃ


バキッ!!ボコッ!!ドンッ!!!ドスドスドスドス・・・


「待て待て待てっ!!そんなに言うならここで着てみろ!俺の目の前でほらこの下着まで着替え


男は限りなく薄くて先が見えるような下着を取り出して言う。




・・・。


ゴキバキゴッ!!!



私の首への一撃にクロイドは有り得ない音を出すと動かなくなった。

どうも、甘味です。

私事により少し更新遅れてしまいました。すみません。

次回番外編最終話。


少し前からリンクに設置してあるのですが、

『あおしろキャラ紹介プロジェクト』を実施中です。

よければ一読、さらによければご協力よろしくお願いいたします。


では、今後ともよろしくお願いします。

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