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第14話:食事と決闘?(2)

「・・・で、何でお前も一緒にいるんだ?」


店主から呼ばれて店の中へと戻ると、

成り行きで4人席へと移動。


少年のような少女はニッコリとしながらシトリアの腕に抱きついている。


「あ?お前こそ何でいるんだよっ!

シトリア姫と2人っきりで旅だなんてよぉ・・・」


「おーい・・・私見えてる?」

リータが少女に手を振るが無視。


少女に話しかけても話が進まなそうなのでシトリアに質問した。

「なぁ、コイツは誰だ?」


「えーっと・・・私の追っかけ、かな♪」


「へぇ・・・追っかけねぇ・・・」

俺は少女を見てみる。

よく見れば幼いながらに綺麗でどこか大人びた顔立ち。

服装は簡素なレザージャケットに短いレザーパンツ。

そしてブカブカした帽子を深く頭に被っていた。とりあえず普通の少女の服装ではないだろう。


「彼女は私が呼んでおいたんです、これから一緒にリズレバークへと行くので。」


「え?!コイツも一緒なのかよ!俺はてっきり姫と2人っきりで・・・。」

少女はキッと俺を睨みつけながら言った。


「何でだ?」

「はい、ここから先にはちょっと厄介な敵がいるので、彼女には加勢してもらおうかと。」


「あぁ!お前なんかより俺のほうがよっぽど姫を守れるからな!」

少女は自信満々に言った。


すると店主が近づいてきて、「はい、これお勧めな。」

店主が俺の前に料理を置く。


「・・・これ、何?」


「ベルィグベラベンソのカトゥマヌィ添え。」

・・・何だそれ。


どんな料理なのかと言うと、黒い物質。料理じゃない黒い球体だ。


「さ、祐樹さん!早く食べてください!次やることもあるんです!」

シトリアが促す。・・・そんなこと言ってもな。


「・・・俺、あんまりお腹減ってない気がする。」


「・・・残す・・・のか?」

武器屋っぽい顔の店主が本領を発揮、武器屋の店主と言ったら街一番の強面と決まっている。すなわち残すなと言いたいのだろう。


「ほら、祐樹さん、私が食べさせてあげますから♪」

シトリアが俺に目配せをする。・・・あぁ、そういうことか。


「何!!姫、これは俺が食べます!だから俺にお願いします!!」


そういって少女は俺から皿を奪い取った。

・・・助かった。シトリアに感謝だな。


「はい、じゃ、あ〜ん・・・」

シトリアは黒い物質にフォークを突き刺し割ると、その一部を少女の口に運んだ。

少女はニンマリとしながらそれを食べる。


「う・・・う・・・」

少女が震える。やっぱりか?相当まずいのか?


「最高においしいです!姫!姫に食べさせてもらえてよりおいしいです!!もっとお願いします!!」


・・・?意外だな。食べ物は見た目じゃないってか?

店主は微笑みながら少女を見ている。



俺は少女の目の前にある皿からフォークで少しだけ取り、口に入れた。



「ぐむぉっ?!!?」

口の中に焼けるような痛み。・・・かと思うと錠剤を噛み砕いたかのような苦味

そして、吐き気を催すほどの甘さ、舌が痺れるほどの塩気・・・


「ひ(死)・・ひむっ(死ぬっ)!!!!!!ばんばもめまべものば(何だこれ食べ物か)?!?!」


リータが、大丈夫?といいながら俺に水を差し出し背中を叩く。

しかし顔は笑っている。



水を飲み幾分か落ち着いた俺は少女のほうを見る。


少女は顔を青くしながらシトリアから黒い物質を食べさせてもらっている。

少女は俺の視線に気付くとウルウルとした目で見つめてきた。


・・・食べろってか?

シトリアは気にせずあ〜んと言いながら少女の口に黒い物質を運ぶ。


少女は涙をどうにか目でとどめながら俺を見る。

・・・あぁ〜!!そんな目で俺を見るなぁああ!!!!


俺は少女から皿を奪い取り、一気にすべて口に入れた。


「●×■&$●★--!!!」


俺は今まで発したことがないような声を出した。

・・・その後の記憶は消えていた。



------目が覚める。

「ん・・・ここは・・・?」

まだ舌がヒリヒリしている。

後頭部に軟らかい感触。


「・・・起きたか。」


俺の目の前には少女の顔。


「うわわわっ!!」


俺は慌てて飛び起きる。

何だこのシチュは。膝枕って・・・。


「あ、え、勘違いすんな!!!ただ、地面に寝かせんのもどうかと思っただけだこの変態が!!!」

少女は頬を赤らめながら否定?した。


「ったく・・・姫ともう一人の女は2人で買い物にいっちまったし・・・姫と一緒に買い物したかったなー・・・」

少女はブツブツと言う。


「・・・悪かったな。」


「別にお前が悪いなんていってねぇよ!あの・・・その、ありがとな。食ってくれて。」

少女は初めて俺に少し笑いかけた。


「あぁ、・・・そういえば、お前、名前は?」


「俺か?俺の名前は、フランチュール。」

「フランチュール?・・・くく・・・可愛い名前だな・・・」

うん、正直ギャップが凄い。


バシッ!


フランチュールは俺の頬を軽く叩き、姫のところに行ってくると言って外に足早に出て行った。



そういえばここって・・・

「ご主人様ぁ〜!!何なんですかあの女は!!!どういう関係ですか!!現地妻ですか?!!」


ヴェイがバタバタと音を立てながら言う。


・・・あーあー・・・何だかなぁ。

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