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第12話:中間地点

俺はヴェイを押さえつけ近くに置いてあった紐で縛り、

部屋の端っこに置いた。


するとリータが一度うぅ〜ん・・・と唸って起き上がり寝ぼけ声で言った。


「む・・・祐樹さん・・・終わりましたか?」

「あぁ、一応大体聞いたはずだ。」

「そうですか〜、ならよかった。で、本は?」


「ん・・・あぁ、そこに・・・」

そういって俺は端に縛り付けてあるヴェイを指差す。


「え・・・えぇ?!ちょ・・・何てことを!!」

そういってリータは立ち膝でヴェイに向かって走り、

紐を解いた。


「ん・・・どうした?」


「あのですね、この本はプライドが高いことで有名なんですっ!

もう何も話してくれないかもですよ?!」


「プライド・・・こいつがか?」


「ぷっはぁ〜!!あ〜、苦しかった〜!!

ありがとうございますぅ〜♪えっと、あなたは・・・リータですねぇ?」

ヴェイが自力で本を開き言った。


・・・全然プライドを感じないのだが。



「はい。お久しぶりです、0-α様。」

「あっは!そんな名前で呼ばないでほしいですぅ〜♪ヴェイって呼んでください〜!

それにそれは一代目様の名前ですよぉ?しかも私はあくまで二代目様のコピーですからぁ?

お久しぶりとか言われても私の中に入ってる情報しかないんですよねぇ〜。

ほら、例えば、リータが騎士団長に就任するときに緊張のあまりに団員全員の前で「ちょ、ちょっとやめてください!!!」


リータが慌てて止める。

・・・ちょっと気になるのに。


「っつーか、一代目とか二代目ってなんなんだ?」


「はい!ご主人様にはあたしから説明して差し上げますねぇ〜?♪

えっと、私のような本は世界に沢山ばら撒かれていて、その全てが得た情報は一代目様・・・ってか二代目様を中心にデータを共有してるのですぅ♪」


「へぇ、いやそうじゃなくて一代目とか二代目ってのは・・・」


「言われなくても話しますよぉ?まったくご主人様ったらせっかちなんだからぁ♪もう!」


・・・ウゼェ。


「祐樹さん・・・相当気に入られてるようですね。」

リータがニヤニヤして言う。

「うん、まぁ、リータ。黙ってくれ。」


「じゃ、説明しますよぉ?えーっと・・・・・・」


そういいヴェイはまた声色を変え話し出した。


「全ての国事を記録するために国を挙げて行われたOmniscience projectの産物として生まれた、

人間の持つ情報処理能力、情報記憶能力、そして生命力を極限まで特化した高生命体、通称0-α。

性別は男、生命力を上げたことによって、およそ800年間生き続けました。」


「800年・・・?信じられんな・・・。」


「0-Aの場合は全ての身体的活動を停止し、血流、脳波、細胞の成長なども全て管理下に置かれていた為、

そのように長寿命になりました。しかし自らの希望からの肉体とは言え、国民から人体実験やら人じゃないなどと批判を受け、

2代目の1-βは膨大な情報量に耐えうる程度に情報処理と記憶能力を上げるのみとして、

身体活動も最低限は許可しています。当然一代目の情報もすべて受け継いでいます。」


「ってか、そんな体を希望する奴いるのかよ・・・。」


「はい、一代目はOmniscience projectを考えたクォーツ氏が自らに改造を施しました。

二代目はつい最近なったのですが、性別は女、それは王家の中の人間がなったとだけ私の中には記録されています。

最後に私についてですが、私はその二代目の頭脳が全てコピーされています。そして一日に一回同期が行われています。」


えーっと・・・SFか?これ。


「って感じかなぁ〜?あはは〜♪」

先程までとはまったく違う明るい声色でヴェイは笑った。


「頼むからどっちかに統一しないか?ついていけそうにない。」


「いやまぁ、お仕事はお仕事ですからぁ〜♪さぁて!何か疲れちゃいましたぁ〜!!」



ヴェイのバカでかい声が聞こえたのか、シトリアが魘される様に起き上がった。


「ちょっと〜・・・うるさいですよ?祐樹さぁん・・・。」


「うん、まぁすまない。けど頼むからこいつに言ってくれ。」



ドッスンッ!!!!


馬車が揺れる。

「な、何だ?!」


今まで小屋の外で馬を操り、寡黙を突き通してきていた運転手が呼びかける。

「皆さん、そろそろメルヴェイに着きます。下車の準備をお願いします。」


「あ、あぁ、もうそんなに経ちましたか・・・。では、一度降りましょう。」


「え?一気にいくわけじゃないのか?」


「はい。ほら、お腹も減りましたし。」



グゥゥウウ〜!!

俺の腹が先程の馬車の音にも負けず劣らず大きな音を響かせた。


ふむ・・・まぁ確かに腹が減ってる。



「はい、着きました〜。」



運転手の声と共に馬車は止まった。

今更ですがあけましておめでとうございます。

そういえば今まで言ってなかったなぁと。

ところで、現在評価を募集中です。

前々から募集していますが、個人的な第一章が終わりに近づいてる故、一度はっきりと募集したいなぁと。

では、この小説に対して何か感じましたらよろしくお願いします。

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