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異世界送りの神  作者: 荒唐無稽
9/11

勇士物語

久方ぶりですね、更新するのは

 

 何時(いつ)頃の事だっただろうか、転生者や転移者を沢山送っている中に、それほど目立つ格好でない方で、送った先の世界の神から絶賛を受けている者がいた。



 さて、上の文の原作は、登場人物が500人を超え、約70年に渡る長編文学作品なのだが、今回のは、登場人物は私と転移者の彼女の二人、実際に顔を合わせていたのは5分にも満たない。


 例え、彼女が異世界で世界を救うまでの時間に換算しても一年も無いだろう。

 それは、その世界が一年で解決する問題を抱えていた訳でなく、彼女が天才だった事に起因する。


 と言っても、私は事後報告でその世界の神から話を聞いただけで、実際にはどんな活動をしたのかは私は全く知らない。


 なので、私はいつも通り転移者を送った時の話を書き綴るだけだ。



 --------------------



『初めましてお嬢さん。突然ですが、(わたくし)を助けていただきたいのです』


 そう言って私が転移してきたのは、今回の転移者の寝室です。


「ひょわえ⁉︎ 何っ……! うわ、イケメン」


 そう言って驚いたのは、ベットの上に寝そべっていた少女です。

 この少女が言った様に私は今、俗に言うイケメンになっております。


『突然驚かせてしまった事を謝罪します。ですが、私には頼れる方が貴方以外居ないのです』


 実は今の姿、青い髪で軍服を着た青年の姿になっておりまして、これは向こうの世界の神と瓜二つになっています。つまり、向こうの世界の神のフリをしている訳ですね。


「え? ええっ⁈ そんな事言われても、その、どうしたんですか?」


 今彼女は困惑しておりますが、それは当然の事。これは彼女がいつも妄想して止まない状況をセッティングしてますから。

 さらに言えば、これは向こうの世界の神の【可愛い女の子に世界を救って欲しい】という、願いからでもあります。


 これほど両方のニーズに応えた仕事が、今まであったでしょうか。


『っ! 重ね重ねの失礼を詫びます。私はこことは違う世界にて神をしているのですが、私の世界が他の神より侵略されておりまして、その手伝いを貴方に手伝って貰いたいのです』


 嘘ではありませんよ。


「そ、そうですか……で、でも私にもこちらの生活がありますし……」


『そちらについては、もちろんケアはさせていただきます。ですから心配はありません。貴女は力を貸してくれるだけで構いません』

 これについては正直わから無いのですが、向こうの神がそう言っていたのですから、私に責任はありません。


「そうですか。ですけど、私は何の力も持っていませんよ?」


 きましたね。これについては誰にも譲れない私の見せ所ですから、しっかり明言しておきましょう。

『それも心配しないでください。私の力をこれから一部だけ与えます』

 能力付与は誰にも譲らせませんよ。


 そう言うと彼女は、

「それなら……まあ、やってみます」

 もちろんYESでした。

 自分好みの設定を現実で起こしたのですから心に響かない訳ないですよね。


『ありがとうございます。それでは早速……』

 と、能力付与のために、彼女の素質を調べたのですが。正直な感想として、


 なんだこれ


 の一言に尽きます。


 武器を持たせれば、一晩でその武器を極め、

 魔術書を見せれば、一秒で理解して発動出来る。


 全ての素質において天才。いえ、それ以上の力があります。


 これ、私の力必要無くないですか?

 普通の転移者、転生者はみんな凡人がそれより少し上くらいですよ。妙な変態を除いて……


 しかし、これは逆にウキウキしますね。

 どんな能力にしたものか……


 ……


 そうだ。以前から考えていた、【アカシックレコード】という能力実践しましょう。


 この能力は普通の人には使えません。向こうの世界の全ての魔術の本を脳に詰め込むのですから、凡人の脳には耐えられませんし、それを理解するのにも、永遠に等しい時間がかかります。



『貴女には私の魔術の知識全てを、【アカシックレコード】を与えます。これを全て理解すれば何者にも負けない力が手に入るはずです』


「はっ、はい! ありがとうございます」


 彼女ならきっと使いこなせるはず、異世界に送ると同時に、彼女の脳に送りましょう。


『では、貴女を一足先に向こうの世界にお送りします。問題無いですか?』


「はい。頑張ります!」


『ふふ、ありがとうございます。貴女はこの力を使って中から、私は外から守ります。とはいえサポートはしますがね。共に頑張りましょう……では、いきますよ』





『3』


 私がカウントを始めると、彼女は目を瞑り、


『2』


『1……』


「0』



 ——ヒュン



 幸せそうな顔をして向こうの世界に行きました。



『……』



 感情が無い私ですが、彼女の幸せそうな顔を見ていたら、なんだか罪悪感を感じるような気がします。


 もちろん、双方の理想的な転移ではありますが、向こうの神は「可愛い少女に世界を救って欲しい」と願うような神ですからね。



『はぁ……』

 いつもは感じない様な事を感じてしまいました。



 まあ、とりあえずいつも通り。



 ——良い異世界ライフを——







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