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行間4
何もしなかった7年間は終わった。
ここからは未来を掴むための戦いだ。
いや、未来、なんていうものはどうだっていい。
必要なことは失った過去を取り戻すこと。
失った7年間を取り戻すこと。
妹を取り戻すこと。
シロを、いや。
藤村紡を取り戻すことで、ようやく藤村旭の時間は動き出す。
朝がくる。
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あの人のことは分からない。
自分をかばったあの人。
必死で戦っていたあの人。
誰だか分からないけれど、なぜかあの人だけは死なせちゃいけないと思った。
死んでほしくない、と思った。
だから、例え自分が犠牲になってもあの人には日常に戻ってほしかった。
あの人が生きている限り、私はまだやっていけるから。
止まない実験と薬品漬けの日々でも耐えていけるから。
なぜか、そう思った。
あの人が誰だか分からないけれど、壊れた心の中で何かが疼いた。