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行間3
ひたすら生きた。
生きたのだ。
ただ生きる目的も見えず、復讐への欲求だけを抱えて生きてきた。
しかし、復讐を思うたびに思い出すのはあの日の光景。
どうしようもないあの絶対的な暴力と炎、そして目の前で死んだ父の原型を失った顔。
その度に震えた。
だから、あの高さ10メートルしかないこの街を囲む壁を見て、自分にはあれすら越える事はできないと、だから現実を見ろと何度も言い聞かせていたのだ。
だが、それが何を生んだのか。
そうやって7年間、自分は何をしてきたのか。