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プロローグ Dusk
地獄だった。
「それ」は平和な日常のなか、唐突にやってきた。夕焼けに赤く照らされる巨大な四足の鋼鉄の塊。それが全てを破壊した。
先ほどまで遊んでいた庭のブランコが踏みにじられ、自分をかばおうとした父の頭が吹き飛び、母も妹も鉄の塊の手に握りつぶされるようにして消えた。
家の中に逃げ込んだ。家だったものの中に逃げ込んだ。
夕焼けの光はどこまでも自分を照らした。
後ろを振り返る。
鉄の塊は夕焼けで影になって見えない。
落ちてきた瓦礫を邪魔そうに振り払いながらそれは自分に覆い被さった。
ゆっくりと、まるで人のような動きで無機質なそれに見つめられ、ああ、自分も死ぬんだな、と夕焼けと炎の赤い光の中で思った。
描いて満足したまま放置されていたメインビジュアルを追加しました。
