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帝都編  理想の形

今回は主人公の独白のみなので、短いです。

次回は二日後になります。

 

 グルナエラ連邦のニーベネスさんに帝国の勇者の話を聞いた。

それは酷い話であって、その内容に、そのあまりの悪逆非道さに僕らは閉口せざるを得なかった。。




曰く、騎士相手に訓練と称しなぶり殺しにした。


曰く、自分に逆らった商人や国民を無理やり処刑にした。


曰く、街に住む小さな女の子を拐い強姦し、広場に打ち捨てた。


曰く、人を惑わし人を喰らい、その身を糧にした。




彼等は、




傲慢で憤怒で強欲で色欲で暴食だ。







人の悪を体現したかのような者達。

それは本来、あるべき勇者の姿とはかけ離れた存在であった。







だが、彼らをこの世界の者達が糾弾することは許されない。

何故なら、彼等を召喚したのは紛れもなくこの世界の者達で、彼等は意思決定権も持たず、勝手に呼び出された者達だ。



自らの力だけで願いを成就することを諦めた。


自由意思も持たされず、今を捨てさせ、彼等の世界を壊した。


来る筈だった未来を手放させ、救世主へと祭り上げて身勝手な偶像を押し付けた。


彼等の世界を壊し、自らの世界を救えと身勝手な理想を押し付けた。


身勝手に希望という名の勇者の称号を押し付け首輪で縛りつけた。





それは、怠惰で傲慢で強欲な事だ。





だからこそ彼等が、


怠惰で何も為さなくても。


傲慢で身勝手な事を為そうとも。


強欲で全てを欲そうとも。


彼等を攻める要因にはなり得ない。


たとえそれが人道に大きく背いた残虐卑劣な行為だったとしてもだ。



何故なら、それは希望を押し付けた代償であり、呼び出された彼らの権利だからだ。



彼等は欲望に忠実でも構わない。

彼らは何を為しても許される、いや許さざるを得ない。










それが、この世界の者達が選んだ選択であり、純然たる理想の形だ。








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