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あかいちよこれいと short short story

作者: _

 ぼくの

 ちよこれいとしりませんか、。


 ぼくの

 ちよこれいとどこに、、

 ありますか、、。






 ぼくわ、

 白というかんじおが、かけます、。


 ときどき、

 あたまがらんぼうになります、。


 きょうは、

 ねむれなかつたので、

 なので、


 あたまをしはいする

 白をふりはらいました、。


 まどをあけてみました、。

 みれば、せ







 界は赤だった。


 角の自転車屋も、いつも寝起きに眺めてたGIOSの青い自転車も、黒と黄色の踏切のポールも、まっすぐに伸びた道路のずっと先も、ずっとずっと赤だった。

 人影はなく、車も電車も走ってはなく、キーンとした耳鳴りの音までもが赤だった。

 ピタピタと足音がして、見ると、

 盲導犬のスコットが立ち止まった。




  窓を閉めるんだ

  赤の奴に食われるぞ




 スコットが話しかけてきた。話せるのか?

「こんな時間にひとりで散歩? 先生はどうしたの?」

 スコットの飼い主は英語学校の講師をしている。近所に住んでいて、毎朝決まった時間にここを通る。

 いつでも先生を見守るように歩くスコットは、頼もしく優秀で、誰からも可愛がられた。

「ハーネスは?」

 いつも付けている胴輪がない。




  もう必要ない




「何を言っているの? スコットがいなくなったら先生困るだろ」

 スコットは悲しそうな目をした。

 スコットの足元が、赤く染まっていくのが見えた。




  行かなければならないんだ




「どこに行くっていうんだ?」

 スコットは歩き出した。

 何かを決意したようなしっかりした足取りだった。

 道はどろどろとしていて、溶けたチョコレートのようにも見えた。スコットの体はチョコレートにどんどん浸食され、やがて赤になり見えなくなった。 

 赤に食われたのか? これは夢か?

 窓を閉めると、ガラス越しに見える景色はいつもの色で、信号の黄色がまたたき、停止線で黒い車が止まる。だぼだぼの緑のパーカーを着たおばさんが怪訝そうな顔で歩き、ゴミ置き場に袋を放り投げた。

 キーンという赤い音はまだ響いている。

 僕は、床に転がっていたモノを拾い、頭の中に入れ







 、い、いれた、。


 みみなりが

 とおのいていきました、。


 そのひから、

 せんせいと

 しろいスコットが

 いっしょにあるくのお

 みたことわありません、。


 スコットがさいごにゆった、

 いずれおまえもいく

 ということばのいみが、

 ぼくにわわわかりません、。


 スコットは、

 あかいちよこるうとがたくさん、

 あるところだ、に、


 いったのだと、ぼくわおもいました、。

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