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【ミソロジーライフ】  作者: 文悟
説明書
8/20

チュートリアル「3」:最後に(1)

今回は一番長い。


今回はマニアックなお家の神様。

たぶん田舎のお台所などで見かけます。


レベルアップボーナスポイントについて触れるのを忘れていたので、次回で触れられるように話の流れを調整。

ポイントは3に変更。

結果次回でチュートリアル完了となる流れに。

(4月12日)

[天界に最も近い島:プレイヤーホーム2F:ゲンクロウの部屋]



この世界にやって来たあの瞬間のような、黒と赤のマーブルの中で九郎の意識が覚醒すると同時に、そんな情報が彼の頭の中に入ってきた。



(プレイヤーホーム……俺の部屋?……そうか、俺は赤鬼アイツに勝てたのか)



狭間にはない光の温かさを瞼の向こうに感じた九郎は心底安堵した。


解放したタケミカヅチの力に呑まれ、魂すら変質しかけた九郎には纏神以降の記憶が無い。

そのため九郎にはどうやって勝ったかは分からなかったが、ここに居る、その事実だけで充分だった。


ゲームとは言え、やはり命がかると勝利の喜びは大きく、そして深い。



九郎は自分に対しもったいぶるようにゆっくりと瞼を持ち上げた。


すると、そこには見知らぬ天じょ―――




「アッ!オキタ!」



「おきたねっ」



「――ッ!?」(ビクゥッ)




――天井ではなく、九郎の目には捉えられる視界いっぱいの男の子と女の子の顔が、息がかかるほどの距離で飛び込んできた。



人間、心底驚いたときは悲鳴など上げられないものだ。

余程のことでない限り驚かない九郎もこれにはヒッと息を飲み込んで体を硬直させた。


九郎がこれほど驚いたのは三年前のクリスマスイヴ。会社の飲み会の翌朝以来だ。

あの日は目を覚ましたら同じベッドでゴリマッチョの上司が裸で寝ていたと九郎の記憶のゴミ箱にある。



「……あ、あの、キミ……キミたち……誰だ?」



九郎はしどろもどろで問いかけた。


男の子も女の子もどちらも黒髪で黒目。

男の子のほうはツンツン頭の元気そうなガキ大将的な印象で、女の子のほうはうるっとした目と艶やかなストレートロングの髪がお姫様みたいな大人しい感じを受ける。


どちらも美少年・美少女といえるくらいに目鼻は整っていて、双子のみたいにパーツパーツがよく似ていた。


子役かアイドルでテレビにでも出ていそうなビジュアルだ。


だが、九郎はこんな少年たちに見覚えが無い。


知り合いや親類でなどあるわけもない。


九郎には従姉弟いとこは何人かいるが、すでに全員が高校生以上。

この二人はどう考えても中学生くらいにしか見えない。


九郎が口をパクパク困っていると、二人は顔を見合わせパッと花開くように笑い、笑ったかと思えば九郎から離れてぱたぱたと足音を立てて部屋から出て行ってしまう。



「ウカノミタマー!ゴシュジンサマ、オキタゾー!」


と元気ハツラツに男の子。


「うかのみたま~。ごしゅじんさまにおみず~」


と小鳥が歌うように女の子。



九郎は二人を追って慌ててベッドから出るが、さすが起き抜け体が重い。

手を伸ばした体勢で声をかけることもできず、その背を見送ることになった。



「ああっ、行っちゃった。……あの子たち、いったいどこのお子さんだったんだろう」



ここは選ばれた者しか来ることのできない世界で、ここは自分の領地の中。

どこのお子さんであろうとも入って来れないのだが、ついそう考えてしまう九郎はずいぶん混乱している。



「……まあ、いいか。誰かを呼びに行ったようだったし、戻って来るだろう」



そうひとりごちて九郎は背伸びをひとつ。


軋みや痛みは無く、少々だるさはあるが赤鬼との対戦で負ったはずの怪我は癒えているようだった。


格好を見ると初期装備の服を着たままで、あのときについていた土や葉のついた跡は無く、纏神ベルトも腰から消えていたため、まるで戦闘など無かったことになっているようでもあった。



(纏神ベルトは転送でもしたときに回収されたとして、服とか傷とかはどうなっているんだろうか。ゲーム世界だし色々勝手に修繕されたり回復されたりするものなのかな?それとも呼々さんか誰かが運ぶときに処置してくれたんだろうか)



しかし、呼々の仕事はナビゲート。

回復は流石にしないかと九郎は自身で決着した。



「……しかしまあ、プレイヤーホームってこんな感じになってるんだな。どれもこれもまるで本物だ。ゲームの中だけど……ハハッ、マイホームの夢を叶えてしまったなぁ」



石の壁、木の天井、板張りの床。簡素なベッドに木製のタンスが一つずつ。

窓が二箇所で真っ白いレースのカーテンが揺れる見たこともない六畳ほどの部屋。


窓の外に見えるのは白い浜辺と生い茂る木々。間違いなく九郎の部屋からは見ることができない素晴らしい景色だ。


九郎はこういう場所に家を持つのが夢だったが、こんなゲームで叶えてしまうというのはなんとも複雑な気分だ。



九郎は頬を掻きつつ、ふと、少年たちが出て行った部屋の外に目をやった。



(確か間取り図に色々家具や身の回りの物を配置していったときには一階と二階、それと地下があったはずだよな。地下は【神核】とかいう玉の設置場所だったけど)



先程頭に浮かんだ情報と窓から見える景色からこの家が二階建てであるのは間違いない。



「どれくらいの広さなんだろう?」



不意に口にしたときだ。


九郎の頭の中に詳細な情報が見取り図と一緒に浮かんだ。


知らない情報のはずだったが何故か記憶にあった・・・・・・


「何だコレ?頭の中に知らない記憶があるぞ。まさか、オモイカネの仕業か?」


知らぬ間に頭の中をいじられていたかと思うと気味が悪い。


オモイカネの仕業と勝手に決め付けて九郎が天上を睨みつけると、不意に廊下の向こうから苦笑混じりの答えが返ってきた。



「それは【情報挿入インサート】機能と言って、オモイカネ様の仕業ではありませんよ」


「誰だ―――って、呼々さんか」


「ふふふ。驚かせてしまいましたか?」



部屋に入ってきたのは呼々だった。

驚き身構えた九郎を見て、呼々は口許を押さえてイタズラっぽく笑う。


「驚きますよ。というかさっきから驚かされてばかりで」


そう言って苦笑した九郎は緊張を解いて頬を掻いた。


呼々はそれに対して失礼しましたと言いながらも笑みを深めると、次いで出会ったときと同じように流れるような優雅な所作でお辞儀をした。


「この度の赤鬼との戦いお疲れ様でした、ゲンクロウ様。無事ゲンクロウ様が勝利を収められたこと、心よりお喜び申し上げます」


「あ、ありがとうございます。思った以上に厳しい相手でした。……とは言っても、纏神してからの記憶が無いのでどうやって勝ったのかさっぱりですが」


「その戦いの内容は後ほど、先に申しました【情報挿入インサート】機能を使ってご説明に代えさせていただきましょう」


「インサート機能ですか?」


「はい。プレイヤーの皆様からは“刷り込み”と呼ばれていますのでそちらのほうが理解し易いかもしれませんね。基本は戦闘技能や生産技能の補助に使われますが、先程ゲンクロウ様の脳内に浮かんだ情報のように、プレイヤーが何らかの情報を知ろうとしたときなどにも見落としが無いように脳に直接情報が挿入されるのです。ゲンクロウ様の使われる【見抜く】がいい例ですね。有害ではありませんし、不必要な情報は通常通り脳が勝手に取捨選択しますから特に気になさらず活用されてください」


「そうなんですか。いや、そうですよね。戦闘中に【見抜く】とか使っても相手のステータスなんてじっくり見ていられませんもんね」


言われて見れば【見抜く】で赤鬼のステータスを見たとき、ほんの何秒かしか見ていないにも関わらず九郎は表示されたデータの全てを把握し、彼我ひがの能力差を悟っていた。


激しい動きの中でも一瞬で把握できるのなら、それは凄く便利だと九郎は思う。



九郎がうんうんと頷いていると、呼々が一つ拍手かしわでを打った。


「さあ、そういった機能のことも含めて、今後についてのお話は沢山あります。ゲンクロウ様の仲間たちも待たせてありますから、下へ参りましょう」


「は、はい。お願いします」



呼々が先導して部屋を出て行く。



そのとき、呼々の後を追う九郎の頭の中で一つのことが繋がっていた。


(もしかしてあの子たちが?)


九郎は首を傾げる。


そうすると間違いなく非戦闘員だ。


九郎としては嫌だったが、妹の安全のためにもゲームは続けるしかなく、そうなってくると貧弱な自分の代わりに戦ってもらう“力”が必要なのだが……。


(いや、子供たちに戦わせるなんてできないだろ)


またあの・・痛い思いをしなければならないのかと九郎はため息をついた。


前途多難。


部屋のドアを閉めると同時にそんな言葉が頭に浮かび、九郎はまた頬を掻いたのだった。






◇◆◇◆




プレイヤーホームはちょっと小さい一戸建て。いや、この場合は一軒家だろうか。

土地で言えば三十坪未満で、部屋は二階に一つ、一階に一つ、地下に一つで風呂・トイレ・台所は別。


ゲームのクセに快適な生活空間だと九郎は眉を寄せる。


ただ階段が若干きつめの角度なので注意が必要だ。

足を滑らせないように手すりを付けようと九郎はお尻を擦りながらひとり決心した。



さて、呼々に案内されたのは一階のその一部屋。

もといリビング。


そこにはテーブルを中央に九郎が買い揃えた家具や道具が設定通りに置かれていた。


部屋の窓からは海が見え、ここで食事をしながら眺めるのも好いだろう。



呼々は先にリビングに入って九郎を中へと促した。


九郎が中に入ると、リビングには呼々のほかに三人の男女が立っていた。



「ゲンクロウ様、この三名が英雄召喚器ソウルダスより召喚したあなたの仲間たちです。右の少年から奥津日子オキツヒコ奥津比売オキツヒメ、そして宇迦之御魂ウカノミタマと言います」


呼々がそう言って紹介するのはやはり先程の少年たち。そして、少年たちが呼びに出て行ったウカノミタマという名の狐面を被った小柄な女だった。


女の髪は稲穂のような金色で毛先だけ白く、腰まで伸びたその髪は朱色の輪で尻尾のようにまとめられていた。

肌は色白、格好は呼々のような祭事を司る巫女のようにも見えるが、こちらは呼々とは違い袖と裾が短くされており、すねひじの先あたりでキュッと絞れる動き易そうな服装をしている。


仮面を被っていながら女と判ったのは、体の凹凸があまり判らないその服の上からでも主張をする胸のお蔭だ。


きっとアレは脱いだら凄い。



ちなみに子供たちも同じ格好で、袴や紐に男の子は青、女の子は赤、狐面の女は小豆色が使われていた。


三人は九郎の前に進んで横一列に並ぶと、恭しくお辞儀をした。



「お会いできたこと、大変嬉しく思いますぞゲンクロウ殿。わたしの名はウカノミタマ。『ウカ』には食物・穀物の意味が込められており、穀霊・農耕・商工の神としての力を宿しております。また、見ての通り稲荷神イナリノカミでもございますれば、生産のほかにも呪術などにも通じておりますゆえ、どうぞこの身を存分にご活用ください」


始めに仮面の女、ウカノミタマが自己紹介をした。

仮面越しであるにもかかわらず良く通るソプラノで、耳に心地良い。


ウカノミタマの自己紹介が終わると、今度は少年・オキツヒコが元気に手を上げる。


「オキツヒコダゼ!オイラ、カマドノカミサマサ。ガンバルカラ、ヨロシクナ!」


短い。

だが、簡潔で清々しく、やる気は満ち溢れていた。


最後に少女・オキツヒメが緊張からか小さく震えながら喋り出す。


「あたしはおきつひめです。ひこちゃんとはきょうだいで、おうちをまもります。あの、よろしくおねがいします、ごちゅじんさま。……あう……かんだぁ……」


オキツヒメは恥ずかしそうに耳まで真っ赤にして顔を隠した。


オチがついたが可愛いので好し。


九郎はニコニコと笑って頷いた。


三人とも気持ちの良いひとたちみたいで良かったと思いつつ、九郎は今もどこかで見ているであろうオモイカネの顔を思い出して拳を握った。


そこで呼々が一歩前に出て個別に補足を始める。


「ウカノミタマのレアリティは【達人マスター】。銀の魂石スピリットストーンから召喚されました。生産系ですので直接の戦力としては難しいところですが理力が高く、育てる方向もそちらに進めると後衛としての活躍が可能かもしれません」


「わたしはゲンクロウ殿のご命令とあらばどこでも戦いましょうぞ」


「オキツヒコ、オキツヒメのレアリティは【優秀スペシャル】。銅の魂石から召喚されました。彼らは一対いっついの神であり、二人で居るほうが高い能力を発揮できます。同時に手に入るとは運が良かったですね。どちらも家を守る神ですから生活面を任せると良いかもしれません。火の神や豊穣の神の面もあります」


「ドントマカセナ!」


「がんばるっ」


どうやら生活面や生産面に関しては当面憂いはなさそうだと九郎は再度頷いた。


ただ……。


「――ただ、最初にしてはかなり“ヒキ”が良かったのですが、みな非戦闘員と言ってもいい能力なので……」



ここで呼々が言葉を濁した。


九郎には言わなくても判っている。


『戦力として数えるのは諦めろ』


そう言いたいのだろう。


九郎は再三頷くと呼々を手で制してその意を伝え、ありがとうと補足説明を終わらせた。



そして、今度は九郎のターンである。


「えっと、じゃあ次は俺な。……俺は源――じゃなかった、ゲンクロウと言います。二十三歳、血液型はB型。趣味は動画で世界の絶景を見ることで、好きな言葉は不撓不屈ふとうふくつ。特にコレといった特技は無いけど動植物には割りと詳しいかな。よろしくお願いします!」



日本人が小さい頃から教えられ、社会に出ていくつになっても叩き込まれる“礼儀”というのは世界に誇れるもののひとつである。


そこまでの必要は無かったろうに、九郎は礼三息の極意でもって姿勢を正し、三人にお辞儀と自己紹介を元気よく返した。


九郎は常々思う。

良い環境を作りたいなら、良い関係を築くことである。

そして良い関係とは、気持ちの良い言葉の交換やりとりから始まるものだと。


たとえコレがゲームのキャラとして作り出された存在であっても九郎の考えは変わらない。


すると三人は九郎の行動に驚いて……と言ってもウカノミタマの表情は分からないが……顔を見合わせ、それから困ったような顔を呼々に向けた。


だが呼々もそれには――


「こういう方だからよろしく頼みますね」


と苦笑して返すほかなかったのだった。







◇◆◇◆







九郎を上座に五人はテーブルを囲んでいた。


イスが一つ足りなかったので九郎は近くにあった道具箱で代用。

大きかったので高さも座り心地も充分だったが、若干目線が低くなっている。


テーブルに着いた九郎は、早速呼々から【情報挿入】を使って自身が赤鬼との戦闘でどうなったかという記録映像を挿入してもらい、客観的に記憶を埋めながら、自分がどれ程に危険な状態にあったかを含めて解説してもらった


神話級のアイテムはそれなりにリスクが伴う。

通常は召喚した仲間に持たせるもので、プレイヤーで扱うとなれば相当な能力を持った者でないと今回のような危険を招くだけだと呼々からの注意が入った。


そして、今回のようなことになれば次は助けられるか分からないとも。


また、高位の装備品やアイテムには能力が足りないと実力を発揮できない物があるらしく、そこも含めて注意を促された。



「あと、こちらはお薬です。こちらの肉体と精神の繋ぎを調整し、魂の歪みも正常にしてくれます。あちらの世界の時間で一日一回。こちらに来て一週間お飲みください」


呼々からはさらに薬も渡される。

現実の体にも影響が出るらしいので、結局九郎はこの薬を飲むために毎日のログインを強いられるようだ。




そんな話からしばらく機能の解説などが入って十分ほど。

流れが今後どうするかについての話になり始めたそのとき、九郎が困惑と若干の不満の混じった声を上げた。



「チュートリアルのやり直しをするんですか?」


九郎が首を傾げて呼々に問う。


「はい。申し訳ありませんがそれが一番無難というのが上の見解のようです」


呼々はそれに対し本当に申し訳なさそうに眉を寄せ頭を下げる。



話の発端は呼々から告げられたチュートリアルについてだ。


すでに九郎のチュートリアルバトルは赤鬼を相手に戦ったことで【済】になっているはずである。

あとは受けられていない残りのチュートリアルを終了させてクリアとなるはずであった。


「バトルが無いから楽ですね」


そう言って九郎は笑ったが、しかし、呼々は首を横に振ったのだ。



「システム上、ゲンクロウ様はチュートリアルのバトルをクリアしたことにはなっていません。ここでシナリオをいじって不具合を招くよりも、正常に進行させてみるほうが良いということです」


シナリオの連結を考えるとそれが一番良いらしい。


また、そうすれば何かが起こったとしても原因が判り易く、対処もし易くなる。



「……まあ、確かにそうか。俺の“体質”のことを考えると変なことをするよりはいいですね」


「そういうことです。ゲンクロウ様の特殊性はこちらでも把握しましたから、それで下された判断と思っていいでしょう」


「分かりました。そういうことなら仕方ありませんね。初めから順を追ったほうが色々覚えられるでしょうし」


九郎はしぶしぶながら自身を納得させるようにそう言って了解した。


億劫なのはチュートリアルのバトル。

非戦闘員を連れての状態になるのできっと自分が前衛だ。あの痛い思いを再び体感するのだと思うと堪ったもんじゃない。


とはいえ、泣き言を言っても状況は変わらない。


九郎は意を決して呼々にチュートリアルの開始を促した。



「……それじゃあ、早速始めていいですか?」


「はい、もちろんです。いま出しますね」



呼々がそう言って空中にちょんちょんと触れると、九郎の目の前に黄色っぽい半透明の板が出てきた。



《 チュートリアル をはじめよう 》



狭間でオモイカネに見せてもらったものとはまた違う。


これは説明ではなく、こなさなければならない項目とその指示が書かれていた。



最初は【じぶんのステータスを見てみよう】だ。



九郎はステータスメニューを呼び出し、プレイヤー情報の項目を選択した。




―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―


名前:【 ゲンクロウ 】

所属:【 日本 】

スピリットタイプ:【 中立 】

カリスマ【 非凡 】 ↑UP


レベル:【 4 】


《能力》


【体力】:23+(10) ↑10

【筋力】:10+(10) ↑7

【速さ】:8 ↑4

【器用さ】:6 ↑1 

【理力】:18 ↑16

【幸運】:0+(±1~999)


レベルアップボーナスポイントあり:3


《装備》


【選ばれし者の服(上)】

【選ばれし者の服(下)】

【選ばれし者の靴】

【祝福された勾玉:陽】


◆外部アクセサリー(腕輪)使用中:体力・筋力に+10

◆外部アクセサリー(眼鏡)使用中:【暗視】・【見抜く】が利用可能


*【攻撃評価】:G 

*【防御評価】:F-

*【心力評価】:C-


《技能》


【植物図鑑:初級】・【採集:1】


*新技能獲得*


【徒手格闘:1】 獲得!


【身体強化:1】・【精神集中:1】 獲得!


【野生児】・【精神浄化:弱】・【逆境】・【限界突破】 獲得!



*技能合成発生*


【精神力】・【自制心】レベルMAX


合成により【不屈の魂:1】 に変化!



《称号》


寂しがりな女神ツンデレに愛された男】


*新称号獲得*


【鬼殺し】 を獲得!


【拳豪:益荒男マスラオ】 を獲得!


【適格者】 を獲得!


―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―



(な、なんだコレ……?)


ステータスを開いた九郎は我が目を疑った。


上から下へと何度も見返す九郎の目が自然に開いていく。


「ゲンクロウ殿。どうなされた?」


そんな変化にいち早く気付いたのはウカノミタマだった。

九郎の顔を覗き込み、首を傾げる。


「何かおかしなところでもありましたかゲンクロウ様?」


呼々も不思議そうに九郎を見つめた。


「か……獲得技能と称号が大変なことに」


ごくりと九郎の喉が鳴る。


技能と称号、新規獲得全部で十一個。

能力は理力の上がり幅以外大したことは無かったが、技能と称号は獲得し過ぎではないだろうか。


特に称号などそうそう手に入れられるものではないはずだが。



「……ゲンクロウ様、ちょっとこちらで閲覧してもよろしいでしょうか?」


「え?ええ、もちろん。お願いします」


「では、失礼します」



呼々は九郎の専属ナビゲーター。

プレイヤーのデータを閲覧することもできるらしい。


再び何度か空中を突いてその手元に九郎のステータスを表示した。



「……十一個ですか。……これはなんとまあ一気に獲りましたね。稀少なものまで……」


呼々の眉根が寄せられる。


九郎もそれに合わせたかのように眉根を寄せた。


「戦闘中そんな気配は無かったんですが」


「ええ。戦闘中は獲得表示はポップしません。小さく音で教えて、視界の端に一秒間のお知らせマークが出るだけです。ゲンクロウ様は一瞬も休まずに逃げていましたから気付けなかったのでしょう。しかし、あの戦闘だけでここまで獲得するとは……」


「ナンダナンダー?ゴシュジンサマハスゲーノカ?」


「きっとすごいんだよひこちゃん」



中学生二人は暢気のんきなものだ。


まあ、技能や称号が増えるのは悪いことでは無く、増えれば増えるほど(一部を除いて)プラスになるので良いことではある。だが、こうやって一気に増えると九郎にはどうも後々“不幸の架空請求りふじん”を強いられそうで怖かった。


多分、呼々も同じ心境だろう。



「ゲ、ゲンクロウ様、とりあえず解説をしましょうか?」


「お、お願いします」



二人はギクシャクと頷きあった。


そして呼々は一度咳払いをすると、解説に入る。



レベルアップボーナスは本来この時点でレベルアップしているはずがないので触れずに後に回され、先ずは技能欄。

九郎は自分のほうでも解説を開いておく。


―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―


【徒手格闘:1】

己の身ひとつでねじ伏せる技。

無手での戦闘を行った際、体力・筋力・速さ上昇。レベルアップで効果

上昇。


【身体強化:1】

武の境地に至ろうとする者の技。

使用すると一定時間体力・筋力・速さ上昇。効果・継続時間はレベルに

依存する。


【精神集中:1】

悟りの境地に至ろうとする者の技。

使用すると一定時間器用さ・理力上昇。効果・継続時間はレベルに依

存する。


【野生児】

自然に生き、自然に還る者の力。

自然の中にいると運以外の全ステータス上昇。狩猟、採取などの成功

率微上昇。自然の物を使うと効果一段階アップ。


【精神浄化:弱】

我はおかせざる者。

自動で発生。精神系状態異常を一定確率で除去。発動確率は強度及

び心力に依存する。


【逆境】

死を背にした者の強さ。

多対一、レベル差大、瀕死などの危機的状況において発生する可能

性あり。発生すると全ステータス大上昇。


【限界突破】

心が体の限界を破ることで手に入れることのできる力。

精神が肉体を上回る条件下で発生の可能性。全ステータス上昇。

効果・継続時間は心力に依存する。


【不屈の魂:1】

自らに克ち、手に入れた強靭な精神力。

【心力】上昇。精神攻撃への耐性強化。常時ストレス増加を抑制。

レベルアップで効果上昇。


―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―



もう完全に『死線で戦う仕様』である。

しかも近接バリバリのガチンコバトル推奨。


「酷いな」


九郎がため息をつくと、


「獲得している技能のほとんどはレアですが、偏りがありますね」


呼々が苦笑する。


「【野生児】はここに書かれている以外にも感覚が鋭くなる効果もあるようです。隠れ能力といったところですね。技能には隠れ能力がありますから注意です。

 【身体強化】と【精神集中】は言葉にしないと効果が出ませんから気をつけてください。

 【逆境】は赤鬼とのバトルそのものが、【限界突破】は纏神による影響で獲得したかと思います。どちらもレアで効果は高いですが扱い難いですね」



特に【逆境】の条件を満たすことだけは避けたいと九郎は思った。

瀕死ダメージなど考えたくもない。



「次は称号ですね」


「お願いします。



―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―



【鬼殺し】

独力で鬼族を討った者に与えられる称号。

【鬼の威圧】無効。【鬼殺しの威圧】常時発動。

鬼族へのダメージ倍化。


【拳豪:益荒男マスラオ

無手で強大な敵に立ち向かい、打ち倒した益荒男に贈られる称号。

無手で戦う場合、攻・防・心評価一段階上昇。

常時、カリスマ一段階上昇。


【適格者】

神事を行い、神を降ろす資格を有する者。


―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―


上二つはこれまた発現する条件が限定的だ。

しかし、ツンデレよりはかなり良い称号で助かった。


「○○殺しと付く称号は、相手のレベルと自身のレベルが離れていないと獲得できません。他にも、虎殺しや牛殺し、熊殺しなど様々なものがあります。ここにある【威圧】というのは、周囲を気当たりで威圧する範囲効果の力で、この場合は周囲の鬼族に【恐怖】状態を引き起こしたり相手の動きを阻害する効果があります。他の種族にも効果はありますが、すべてカリスマ依存です。

 【拳豪:益荒男】はユニーク級の称号ですね。恐らく現時点でプレイヤーにおいてはゲンクロウ様しか所持していないのではないでしょうか。他にも種類はありますが、すべて獲得条件が厳しく、この益荒男を獲得する最重要項目は“自分の三倍以上のレベル差がある敵を格闘のみで倒す”となっており、今回のような偶然・・でないと獲得は難しいでしょう」


「偶然……ね」


謀られた気もするが。


九郎が鼻息を荒くすると、呼々はその言葉の意に気付いて苦笑する。


「最後の【適格者】ですが、これはもうタケミカヅチ様の力を使ったことで得たものでしょう。あのときの攻撃スタイルは相撲でしたし。【適格者】にはこれといった効果はありませんが、しいて挙げるなら神事を行う者として認められたので雨乞いなどをするときなどは成功率上昇です」


「なるほど」


多分やらない。



一通りの確認を終えて九郎はステータスを閉じた。





――ポンッ、ポ、ポンッ――《 チュートリアル 1・2・3がクリアされました 》――



すると、目の前のチュートリアルのクエスト項目が三つ一気に終了したことになった。



「あれ?呼々さん、勝手に最初のほうの項目が【済】になりましたよ」


「ええ、【ステータスを見てみよう】と【プレイヤーホームをしらべてよう】、それと【仲間を増やそう】ですね?二番と三番は現時点でこなしたことになっていますから問題ありません。なお、報酬はすべて終わったときにまとめて手に入りますからご安心くださいね」


「あ、ああ。そうなんですか。了解しました。えっと、次は……」


「【そうびを身につけてみよう】だなゲンクロウ殿。丁度あなたの尻に敷かれたその箱にある」


「おおっ。そうか、この中だな」


表示されたクエストの内容は仲間にも見えるらしい。


ウカノミタマに教えられ、九郎は道具箱から買っておいた武器や防具を取り出しテーブルに広げた。


名称は初心者の~シリーズだが、いわゆる“どうのつるぎ”が二本と“かわのよろい”が一つ。そして“かわのたて”と“かわのぼうし”だ。


“こんぼう”や“たんけん”、“たけのやり”なんかに手が出そうになったのは僕たちだけのナイショというやつだ。


もちろん“やくそう”も買ってある。


残念ながらどこかの街にひとっ飛びできそうな“つばさ”は手が届かなかった。

まあそれはゲーム序盤の買い物でよくある挫折のセオリーだ。


始めたばかりのころはアレをひとつ買うのも苦労したと九郎は感慨にふける。



それは置いておくとして。


剣の形は古代ギリシアで用いられたサイフォスによく似ている。

ここにあるのは長さ五十センチほどで重さは二キロも無い。刃の中央が膨らみ、根本にくびれのある両刃の直剣だ。

鍔は横幅が狭く、柄頭つかがしらは円形。全体が青銅でできている。


青銅の剣と言えば日本では弥生時代に伝来したとするあの剣だが、こちらにあるものとは色合いが同じでも形は違っていた。



九郎はその一本を握って革の鎧を胸に抱いた。


「実際に着てもいいですが、『装備』と言葉にするか念じるかで付け外しができます。これによって外れた装備品はアイテムボックスに送られますからご安心ください。なお、アイテムボックスからならもっと簡単に装備を変えることはできますが、こういった装備品などは重いのでアイテムボックスには多く入れないことをお勧めします」


アイテムボックスは便利だが万能ではないらしい。

体力や筋力によって持っていられる重さが変わり、レベルによって枠が増減するのだそうだ。


なお、このアイテムボックスはプレイヤー特権で、仲間のボックスに……ということはできない。


九郎は呼々の注意に頷いて、とりあえず最初だからと『装備』と発した。


すると体が一瞬光り、服装は初期装備の革の鎧を被った状態に変わっていた。



《 初心者の剣 ・ 初心者の鎧 を装備しました 》 


脳内に音声が流れ、視界の端に薄っすらと表示が現れ消える。



「呼々さん、服の上に着ちゃいましたよ」


「先のアイテムボックスのように筋力などが関係するため何でもというわけにはいきませんが、布の服などの装備はインナー扱いですので重ねて装備が可能です。ただ、装飾品は各部位に一個のみですが」


例えば布の鎧クロスアーマーはそのまま鎧として使用されていたが、あるときから甲冑の下に着るインナーとしての役割のほうが主になってきた。


この仕様はそれに由来する。



とにかく、これで四番目もクリア。


クエストの項目も一つ消えた。



「さて、お次は……」



《 モンスター をたおしてみよう! 》



さあ、お待ちかね……ていない戦いがやって来た。





◇◆◇◆







《 チュートリアルバトル を開始します》



そんな音声が流れた後、プレイヤーホームの外で爆発音が聴こえ、追ってヒキガエルのような鳴き声が響いてきた。


九郎はその音声にため息ひとつついてうなだれると、革の盾をオキツヒメに、革の帽子をオキツヒコに渡して、三人の中では一番戦えそうなウカノミタマに残りの剣を託し、ホームの外へと出向いた。


扉を開けると、美しい砂浜と大海原を背に、美しくない三匹の魔物がヨダレを垂らして身構えていた。


小鬼一匹、餓鬼二匹の群れだ。



「ぐげげげ!」


「ハラヘっだぁ」


「なんかぐわぜろぉ」


「……気持ち悪いな」


「オォー!ナンカオイラワクワクシテキタゾ!」


「だめだよひこちゃん。まえにでちゃあぶないよっ」


オキツヒコは興奮しているが、九郎は顔をしかめる。


(不気味だ)


かなりリアルだと九郎は思う。



しかしそれは当然だ。コレは“本物”である。



「仏様たちの管理されている通称“地獄”より派遣されて来た方々ですのでリアルでしょう?」


呼々がホームの入り口に立って解説を入れてくれた。


「へえ、この世界には仏もしっかりと存在しているのか」


そう言えば日本神話は蛇とかは出ても鬼をあまり見かけないことに九郎は気づいた。


鬼とはどちらかというと仏関連の話に多い。


「日本は神仏習合。ゲームにはあまり顔を出しませんが、仏様たちも存在していますよ。主に魔物の製造と派遣という形でプレイヤーと関わることになります。ですので、敵は仏様に関連するものが多いかもしれませんね」


「なるほど」


だから鬼がでるのかと九郎は納得した。



しかし、神仏の世界も意外にリアルな社会を持っているものだ。


「……派遣社員か」


痛い目に遭うためにこんなところまで来るとは、仏の世界も世知辛い。


九郎はさっきまでとは違う労わるような目で小鬼たちを見つめた。


「え、いや……まあ、そんなところ……なのでしょうか?とにかく彼らのほかにも存在する敵のほとんどは仏様が死んだ者たちの悪質な魂に器を与えたもので、彼らは痛めつけられることでその罪と穢れを浄化しているんです。ですので、結構リアルに血とか出ますが、彼らのためにも思いっきり痛めつけてあげてください。そのほうが喜びます」


(なるほど“悦ぶのか”。派遣社員のうえにドMなのか、彼らは)


魔物というものには絶対なりたくないと心底思う九郎だった。




「よし。とにかく彼らの穢れを祓ってやろう」


そう言って九郎が剣を強く握り一歩前に出ると、音声が流れた。



《 戦闘開始 》



その言葉は小鬼たちにも聴こえたのか、小鬼たちはその手を振り上げ九郎たち目掛け大口を開けて飛び掛ってくる。


その光景はB級ホラー映画以下だがすでにモンスターパニック映画のような恐怖を体感し、二度も死んだ九郎に恐れは無い。



「ヒコ君、ヒメちゃん、キミたちは下がっていなさい。俺とウカノミタマで対処する」


「は、はいっ!」


「エー!――『えーじゃないの、ひこちゃん!』――ワカッター」


「ふふふ。まあ、おぬしらは他のことで頑張れば良いではないか。ゲンクロウ殿、わたしが餓鬼を蹴散らしますゆえ、小鬼をお願いしますぞ!」


「分かった!」



戦闘範囲は十メートルほど。


防具しか持たないオキツヒコとオキツヒメが下がり、武器を持った九郎とウカノミタマが前に出る。


餓鬼は小学校低学年の子供くらいに小さく、小鬼は中学生くらいの体躯。


餓鬼は何も持っていないが、小鬼は細い金棒を装備して、例の鬼のパンツをはいている。



九郎としてはあの格好に少々トラウマができていたが、体は小さく赤鬼の出す威圧感とは比べるまでもなかった。


なにより九郎は【鬼殺し】である。


ここは“九郎が怯える場面”ではない。



九郎が気合いを入れて小鬼たちに近づいた、その瞬間だ。



「ギヒィィィッ!?」


「うわぁぁぁっ!?」


「ごわぃぃぃっ!?」



小鬼も餓鬼も泡を吹き白目を剥いて膝から崩れ落ちてしまった。



「あれ?」


「これは?」


ウカノミタマと二人顔を見合わせる。



【鬼殺し】の称号効果【鬼殺しの威圧】発動である。


【見抜く】を使ったら小鬼たちは【恐怖】を通り越して見た目通りに【気絶】の状態異常になっていることが判った。



「ゲンクロウ殿」


ウカノミタマはきょとんとする九郎にため息をひとつつくと、頭が痛いとばかりに額(の部分)を押さえて頭を振った。


「わたしの昂ぶった気持ちはどうすれば?」


「あ、うん……ごめん」



称号は付け外しができず、常に効果を発揮し続けるのを九郎は完全に忘れていた。



「じゃ、じゃあ、とりあえず倒そうか?」


「そうですね、もうこうなったらさくっと止めを刺しましょう。ヒコ、ヒメ、あなたたちも来なさい」


「オウヨ!」


「はーい」



オキツヒコとオキツヒメが小鬼たちを囲む輪に加わると、四人はぴくぴくと震える小鬼と餓鬼へ順に剣を振り降ろしていった。



《 モンスター をたおしました! おめでとう! 》



頭の中に音声が流れ、チュートリアルの項目も目の前で【済】となる。



身構えていたのに一番呆気なかったのが戦闘とは。

九郎はなんとも言えない気持ちになる。



「そういえば」


ホームに戻った九郎に呼々が不思議そうに問いかけた。


「なんで素手で戦わなかったんですか?」


「あ……」



九郎は忘れていた。

自分は今、武器を持たないほうが強いのだということを。



「ま、まあ、とりあえずは勝ちましたし……」



これでチュートリアルの一番の山場は終了。


あと二つ終わらせれば、ようやっとゲームのスタート地点に立てるのだ。


「良しとしましょう」


九郎はこの日何度目かの苦笑を浮かべて、また頬を掻いた。





ウカノミタマ:お稲荷さん。日本で一番信仰されている稲荷神。もちろん他にも稲荷の神様はいます。お兄さんがいて兄弟とされる話もありますが、だいたい女神として語られたりします。二つの面があるのは農耕…自然の恵みと雄大さが女性と男性にみえるのかも。


オキツヒコ・オキツヒメ:十神(もしくは九神)のうちの二人でひとつな神様。かまどの神様で、火の神、豊穣の神ともされるが、だいたいは家を守ってくれる神様。

作中では子供。



武器もリアルに出しちゃおうと考えています。

次々回より生産が始まるので、こんなものどう?ってのがあったらリクエストといただけるとうれしいです。

また、本編始まりましたら読者様出演が始まります。

出演予定は活動報告にて。

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