オフラインエピソード:君、何を望と(読者出演:片山集)
今回は一話早めて読者出演回です!
リクエストのありました「片山集」さんがユーザー名そのままに出演。
ありがとうございます!
このほか、出演リクエスト、神様やモンスターのリクエストなどありましたらお気軽にどうぞ!
―――『現実というものがどれ程過酷なものであっても、人間は前を向いてしか進めない生き物だ。立ち止まっても良い。時に道を変えてみたり振り返ることも必要だ。だが、けして現実から目を逸らすな。後ろ向きになるな。前へと進め』―――
中学二年の時の担任が九郎に贈ってくれた言葉だ。
素晴らしい言葉だと九郎の心の辞書に今もしっかりと刻まれている。
ただ、残念ながらその一週間後、先生は過酷な現実に耐えられず学校を去った。
彼の他の先生に漏らした最後の言葉は、『もうボクには無理です』だったとかなんとか。
そのクラスで何があったかはここではあえて語らない。
ただ、そのクラスは転校していく生徒も多かったと付け加えておこう。
さて、過去に起こったことがどうあれ、担任がどうあれ、九郎は今もその言葉通りに過酷な現実と闘い続けている。
今日もまた面接を一件ダメになったところだ。
ただし、それは厳密には落ちたワケではないのだが。
「店が燃えちまったから面接どころじゃないよ」
「あ、そうですよね。何と言うか、その、お早い再開ができますよう祈っています。また機会がありましたら」
深々と頭を下げる九郎。
顔を上げたその目の前には、所々に擦り傷を作った恰幅の良い初老の男と、その向こうでぶすぶすと煙を上げる古いビルがあった。
ちょうど今日、面接の予定があった飲食店はそのビルの二階。目の前の男はその店主。
ビルは九郎がアポを取った時間の四十分ほど前に突然火を噴き上げ、まさに今鎮火されようとしていた。
(火事か。よくある)
店主やその他の人には悪いが九郎には見慣れた光景だった。
今までに経験した中でもう少し大きなトラブルだと、面接中にガス爆発、放火犯と鉢合わせ、雑木林に火がついたなどもある。
今回は九郎としては現場に到着する前に事が終わり、テナント側は一階と二階の半焼くらいで済んだのでお互いとって悪いなりにも“良い結果”だったのではなかろうか?
そうでもないか。
まあ、話を戻すと、九郎が慣れているからといって『後日また面接を』などとあつかましいことは言わなかった。当然の話だ。
九郎はただ、彼らテナントの早期の再開を祈ってその場を後にしたのだった。
さて、何故今日の面接がダメになってしまったか分かったところで最初に戻る。
九郎は現在無職。
貯蓄はあるが、親に金の無心をするようなことは避けたく、むしろ米などを送ってもらう実家には多少なりお金を送りたいと考えている。
「早く稼ぎを得なければ」
とすれば先生の言葉通り現実と向き合い、前に進まなければいけないわけで、長々立ち止まるわけにもいかないだろう。
だが、就職活動とは仕事中と同じ様に精神を削る作業だ。特に“やる気”をガリガリと持っていかれる。こういった邪魔が入るとなおさらそのゲージの減り具合は大きくなる。
そうなると怠けたい自分、現実から目を逸らそうとする自分が顔を出してくるわけで、それらは尻尾の生えたデフォルメされた悪魔の姿で九郎を誘惑し始めるのだった。
休みたいだろ?
遊びたいだろ?
(ああ、できるなら旅行とか行きたい。何もせずに【あの世界】に浸ろうかとも思う。けどな……)
ああ、けれど九郎は立ち止まらない。後ろを向かない。
そうしてしまえば“現実に負けた”ことになる。
人生を狂わす理不尽を理由に“自分に負けた”ことになる。
九郎は他人と無意味に張り合うことはしない。
だが、簡単に負けを認めることをしてやりたくもない。
だから、今日もしっかりと職安で職探しをして、その帰りにコンビニで出たばかりの求人情報誌を手に取った。
(邪心よ去れ!)
内心でそう唱えながら。
「まあ、きっと、そんなこと言ってたら神様連中に『邪心って何?擬人化?ワロス、ワロス』なんて笑われるんだろうな」
意外と神は俗物で現実的だ。故に人があると信じているものを信じていなかったりする。
九郎はそんなことを考えて苦笑すると、求人情報誌の真上に引っ掛けられた棚に並べられた文庫サイズの本を何気なく手に取った。
【幻想の装備カタログ~神話からゲーム、小説に至るまで二百種類を網羅!~】
最近この手の本がコンビニによく並ぶようになったと九郎は思う。
いや、前からあったものを九郎が意識するようになったのかもしれない。
しかしもしこれが神の思惑によるものなら、神も【信心】の獲得にはそれなりに心を割いているということなのか。
(普段の彼らを想像すると、そんな必死さは無い気もするが)
とりあえずこの本は保留。求人情報誌と一緒に抱え、九郎は視線を横に動かす。
するとその隣にも似たようなものがあった。こちらは【幻想の魔物辞典・日本編】だ。
似たような物は持っていたが値段は六百円と手頃で買えなくもない。値段は先のカタログもほぼ同じだ。
「買っておこうか?」
自分がやっているゲームに関することだと思うと九郎にはどうもコレを買うのが正しいことのように思えた。無駄遣いだとは思っても必要性があるように感じてしまう。
そのとき店内に流れ始めたBGMも、
『あなたに笑顔を届けたい。買ってスマイル、スマイルマート』
などと押せ押せムードを作ろうとしていた。
「情報を制する者はなんとやらだよな」
九郎はその二冊を手に取り見比べて、財布の中身を思い浮かべる。
再びデフォルメされた悪魔が買えよ買おうよと九郎に囁く。
そして九郎は頷くと―――
「でも、買わない」
丁寧に棚に戻した。
「今は仕事が優先ですから」
誰に断っているのか、九郎は戻した本をトントンと叩くと雑誌を持ってレジへと向かった。
(それに今のところ危険を冒すようなことは当面しないつもりだしな。物作りだって行き詰まるまでは自分の想像で頑張ってみたい。攻略本は今の手持ちだけで充分だろ)
ゲームはなるべく手探りのほうが面白い。
九郎はそうやって遊ぶプレイヤーだった。
「あ、らっしゃっせ~(訳:あ、いらっしゃいませ)」
九郎がレジに向かうと店内唯一の店員らしい青年がカウンターでイスに腰掛け、携帯片手にノートを拡げていた。
見たところ大学生であろうその青年は、九郎が近づく気配をノートから目を離さずに感じ取り、横にずらしながらのそりとイスから立ち上がった。
(で、でかい……)
百八十は超えるだろうその長身は少し猫背に垂れており、細い体にやつれたような顔は幽鬼のような圧力を漂わせていた。
九郎は上から覗き込むようにして自分を見る青年にたじろぎながらもどうにか雑誌を差し出すと、店員は九郎の受けた粗雑そうな印象に反して柔らかに微笑み雑誌を受け取って、迅速かつ丁寧に会計を進めた。
「スマチキ焦がし醤油味が新発売ですが、ご一緒にいかがですか?スマイルフライヤーがただいまオール100円でお求め易くなっていますよ」
お金を受け取り袋に雑誌を詰めるだけの作業に緩急をつけながらさりげなくフライヤーを勧める青年。こちらの目を見たり見なかったりしながら、フライヤー側にチラリと目線を送るという絶妙な誘導に九郎は『じゃあ』とスマチキを二つも購入してしまう。
「ハピスマカードはお持ちですか?もしお持ちでしたらそちらにございますパックの野菜ジュースをフライヤーとご一緒に購入されると今なら通常のご購入にさらに25ポイントも付くんです。お得ですよ。キャンペーンはこの五日間限定ですのでオススメします」
『今なら』 『も』 『限定』
相手の興味を惹く抑揚でもって相手が嫌がらない距離感で『あなただけ』、『今だけ』感を演出する青年。限定に弱い日本人で、かつ今晩の夕食のメニューを具なしカレーにするつもりだった九郎には効果抜群で、上手いこと歩み寄った彼は、本を諦めた九郎に対し、会計が終わるまでにレシートの項目を三つ、四つと増やした。
(やるな青年)
自分も大して変わらない青年なくせに、何故か上から目線で青年の接客技術に感心した九郎は出した千円札のお釣りを受け取りながらウンウンと小さく頷いた。
そのとき、青年がノートとともに横へ退けた携帯が僅かな光りとともに鳴動した。
二人の目線が同時にそちらを向く。
そこにあった携帯は黒くて分厚いスマホだった。
どこのメーカーの物かはわからないが、九郎の所持するミソロジーライフプレイヤー専用の通信端末【タマユラ】に似ていることに気付く。
(へえ、似ているものもあるんだな。いや、逆に【タマユラ】がスマホに似せて作られているのかな)
そう思って意識は外へ。
飯は何合炊いていたろうか?ミネラルウォーターは買い置きあったろうか?
そう言えば隣の山田さんが回覧板がどうのと言っていたような。
財布にお釣りを入れ、袋を持って九郎は店を後に―――
(―――いや、待て!!)
レジから離れかけた体をぶんっと緊急反転させ、九郎はそのスマホを二度見した。
「【タマユラ】だ……」
「え?」
青年の持っていたのは間違いなく九郎の所持するそれと同じ。
プレイヤー専用通信端末【タマユラ】だった。
◇◆◇◆
自宅近くのコンビニ【スマイルマート】の店番をしていた長身痩躯の青年。
彼の名は片山集と言った。
「ああ、カタヤマ酒店の息子さんだったのか。それでノート拡げて勉強してたんだね。最初はバイトの学生がこっそり内職か、なんて思ったよ」
「あはは。まあ、本当はお客さんの前ではいけないとは思うんですけどね。 僕は本当に時々ですが親父とお袋が同時に休んだり、バイトが休んだときにヘルプで入ってまして、バイト代は出ないのでその分自由にやらせてもらってるんですよ」
彼はこのコンビニのオーナーで元・【カタヤマ酒店】店主片山収氏の次男坊だ。
今、九郎は彼の実家に招かれて、彼の部屋でお茶をすすっている。
部屋は広く、その中にはハコブネとデスクトップのパソコン、そして、C言語だのジャバスクリプトだのの分厚い本が機能的に置かれてあり、飾り気は無いものの、やたらとベッドや快眠道具だけが充実して眠ることに並々ならぬ想いを感じた。
九郎は彼を大学生かと思っていたが、実際は専門学校生で現在プログラムを勉強しながらゲーム製作をしているらしい。九郎が彼のノートを覗き込むと、難しい単語が呪文のように流れていた。
こんな難しい文章を操るのだから当然疲れた顔くらいするだろうと九郎はひとり得心した。
「しかし、驚きました。こんなに近くに他のプレイヤーさんが居たなんて思わなかったですよ」
九郎がお茶を呑み終え置いた湯飲みに新しく注ぎながら集が嬉しそうに笑う。
「俺もだよ。まさか自宅から徒歩数分で来れる範囲に居るなんてね」
九郎もそれに対し、礼を言いつつも少し硬い笑顔で返した。
少しばかり彼を警戒していたのである。
集の持つスマホを九郎が【タマユラ】だと指摘した際、集は少し垂れ気味の長細い目をめいっぱい大きく開いて驚いていた。
それは仕方のないことだろう。日本の人口に対して一パーセントにも満たないプレイヤー数だ。出くわすことのほうが稀。まして家の近所でなどほとんど無い。
その上、プレイヤーは神の座を賭けて争うライバルだ。
リアル割れは最悪のはずで、思わず『げぇっ!?』と声をあげてしまうところだ。
九郎も【タマユラ】の名を口にした後で後悔した。
自分だけが判っていれば色々と対策も立てられ、有利に事を進められたかもしれなかったと。
そして思わず身構えたが、集は次にレジに並んだ客を促しながら九郎に『もうすぐ店番終わるので待っていてくれませんか?』とにこやかな顔で言ったのであった。
「だけどこんなにフレンドリーに接してくるとは思わなかった。だって、俺たちは一応ライバルになるだろう?」
九郎がそう言うと、集はその疲れた顔に笑みを浮かべて確かに、と何度も頷いた。
大きな括りで言うと、同一のエリアに所属する同じ国のプレイヤーは味方と言っても良い。
基本的な敵は別のエリアのプレイヤーだ。
日本のエリアであるゲンクロウの領地の海に外国のモンスターが侵入したことが良い例になるが、基本的にプレイヤーは序盤、自分とは違うエリアのプレイヤーと隣り合うため、最初から同じエリア同士で争うのは少ない。(片山集・談)
(俺の選んだ領地が海外の要素まで取り入れたカオスな空間であれば隣が海外エリアである可能性は下がるがな)
実際に“カオスな空間”なのだが、それでも隣は外国エリアである確率が高いだろう。
そうするとやはり当面の敵は外国となる。
各地で外国勢と戦う同じエリア所属の者たち。
そう考えると、それは日本エリアの同士にとって味方以外のなんでもないと集は言う。
「それでも当然ながらいずれ必ず同じエリアで戦うことになります。ゲームクリアは一人しか認められないそうですからね。あ、僕も一人戦ったことはありますよ。結局グダグダになって引き分けましたが……まあ、日本エリアのプレイヤーもライバルには変わりはありません」
なのでここはむしろ交流のし易い日本エリアのプレイヤーを統一してから一気に海外を攻め落とすほうが効率的かもしれませんね、とも集は付け加える。
「けど、どうしてもですね、同じ国のプレイヤーって思うと同族意識っていうんですか?あれは仲間だーって感覚が芽生えてしまうんですよね。だから、上手い答えにはなっていないかもしれませんが、僕に源さんを害そうとかいう気持ちは生まれませんでした。現実でたった一人にそれをしたって何の得もありませんし、逆に交流を深めてお互いの知らないことや持っていないもの補い交換することのほうが効率的で建設的かと」
「なるほど。確かにそうだね。家族とそうでない者のどちらかを攻撃しろと言われたら俺は間違いなく後者を選ぶ。対象は違っても自分により近しい者を害したくないという感覚はどうしても捨てられない。 『効率的で建設的』か」
九郎は己が一瞬でもこの出会いにマズイと感じ身構えたことを恥じた。
敵の敵は味方というのとはまた違うかもしれないが、長く質の良い戦いを続けるためには敵よりも味方を作っていくほうが効率的だ。
血を一滴も流さない戦が最上と何かの物語で見た記憶がある。
その最上を求めるにはやはり彼のいう交流が大事だと九郎は悟り、鼻の頭を恥ずかしそうにぽりぽりと掻いた。
「あ、ちなみに同じエリア同士だと《援軍要請》機能が使えますし、同盟になったときも士気向上効果とか土地の活性化とかプラス効果があるんですよ。知ってました?」
「え、そうなんだ?ああっと……《援軍要請》はなんとなく。士気向上とかは知らなかったな。他にもある?」
「ええ。別のエリアとの同盟を長期間成功させたり、他のプレイヤーを討伐や神核破壊でゲームオーバーにさせずに配下に引き込むと、そのプレイヤーとの共闘では配下がステータスアップしたり、精神異常を受けなくなったり、あと、領地が急成長しますし、購入できる品に特別な品が追加されるようです。僕も人から聞いた情報なので正確性は保障できませんが」
「へえ。やっぱり倒すだけが戦いじゃないんだな」
「ですね。まあ、無茶苦茶難易度は上がりますし、ヘルプの人からは『他のプレイヤー配下が居る状態でクリアするとその方の願いも聞かなくてはなりませんよ』って釘刺されたので、ほどほどが良いとは思いますが。あ、それともうひとつ」
「うん?」
集がニヤリと笑って眼前に拳を作る。
九郎はその顔にどこかのマッドサイエンティスト気取りの神を思い出してすぐに掻き消した。
嫌な予感が九郎の胸中を過ぎる。
「特定の条件が満たされればプレイヤー同士の《必殺技》が使えるようになるそうです!」
「予想はしていた」
だが、回避は不可能だった。
そういう機能はこじらせた神様の大好物だ。
各地でそれはもう不毛で暑苦しい論争が繰り広げられたことだろうと九郎は予想する。
そして、その必殺技はきっと、形勢不利を一気に逆転できるような習得をせざる終えないものなのに、凄く恥ずかしい台詞で発動とか条件が付くだろうとも。
「ただコレ、一発逆転を狙える凄く便利な機能なのに、発動のとき凄く恥ずかしい呪文とか台詞とか言わなきゃならないそうです」
「それみたことかッ!」
もっとシステマチックで良いだろう、と九郎は呆れるが、機能の修正は絶対に行われないだろう。いずれ言わなければいけない日が来るかと思うと、九郎は今からため息の質が重くなる。
「ええっと、まあ、そういった機能の活用もありますんで、これからよろしくお願いしますってことでどうでしょうか?」
集が九郎に手を差し出す。
九郎はその手を取り、しっかりと握った。
「いつかライバルになるとしても。今は同士として」
「ええ。同士として」
こうして、九郎の【タマユラ】のフレンド枠には、プレイヤー《 ビ・シュウ 》の名が登録された。
彼と九郎が共に戦場に立つのはそう遠ない未来でのことである。
「ほかに困ったこととかありません?僕のほうがゲーム内時間だと二年ほど先に始めているんで色々教えられると思います」
「ああ、じゃあ馬頭・牛頭と戦ったことってあるかな?今、森を占拠されてて困っているんだけども」
「ああ、それはですね―――」
その後はお互いの現状を確認しつつモンスターについての攻略などを話し合った。
この際、プレイヤーのスキルなど互いの詳しい情報は集からの提案で極力話さないことになった。ユニーク級のスキルや称号を持つ九郎にとっては有り難い提案だ。
そして、中立都市の行き方や【タマユラ】の使い方などのレクチャーまでを受け、日が暮れたことに気付いたところで九郎は集に暇を告げた。
「今日はありがとうございました。すいません、長々お引止めして」
「いやいや、こちらこそ凄くためになったよ。ありがとう。これからも協力しあっていこう」
「ええ。頼りにさせてもらいます」
「俺のほうこそ、だよ」
「……ぷふっ」
「はははっ」
二人は笑い合う。
それは少年の笑顔だった。
さて、そろそろと九郎が部屋を出て玄関に辿り着いたとき、九郎はふと頭に浮かんだことを好奇心で口にした。
「ああ、そう言えば集くんは何を望んであのゲームに?」
「え?ええっと、僕ですか……僕は……」
すると、集は言い淀み、悲しげに目を細めた。
(あっ、しまった……)
ここで、九郎はその考え無しの言葉の愚かさに気付いた。
強い願いとは、大概にして口にすることも憚られるほどの欲か怒り、もしくは悲哀によって生まれるものだ。
それを訊ねるというのはあまりにも不躾。配慮が足り無さ過ぎる。
「ああ、ごめん。何と言うか配慮が足りなかった」
「い、いえ、別に構いません。そんな隠すことでもありませんから。そうですね、僕の願い。僕がこのゲームに参加するきっかけになった願いっていうのは……」
乾いた笑顔は酷く悲しげだ。
その声は重たく滑り落ちていく。
「『取り戻したい』だったと思います」
いったい彼に何があったのか。
九郎は上手くそれに返せぬまま、ただ一言『そうか』と言って片山家を後にした。
さて、キャラクターイメージはこんな感じ。
ちょっとシリアスなキャラになっちゃいましたww
片山さん、これちがう!ってなったらごめんなさい。でも、後悔はしていないww
感想、評価ありがとうございます。




