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【ミソロジーライフ】  作者: 文悟
冒険の書1
10/20

始まりのはじまり

さて、ここから本編始まります!


なるべくさくさくいく予定。

マイナー神様にマイナーモンスターをお楽しみに!


評価・感想・誤字報告などいつもありがとうございます!

アドバイスやりくえすとがありましたらお願いします。


*本日は二話更新です。

【ミソロジーライフ】


それはMMO・RPGを模した正真正銘言葉通りに“神々の創りしゲーム”である。


このゲームに参加する約五万五千人のプレイヤーは、復活できなかったら肉体消滅というリスクを背負いながら、神に選ばれし者として半電脳世界でモンスターやライバルを倒して己を鍛え、仲間を増やして他の領地を侵略・制圧、勢力を拡大しながら神核という宝玉を奪い合っていく。


ゲームの最終目標は全プレイヤーの撃破もしくは全エリアの制圧。つまり【世界制覇】を成し遂げること。


そして、幾千の幾万の戦いに勝利し、五万五千の頂点に立った者には“世界を好きなように創りかえる”ことのできる権利が与えられることになっている。



己が欲を満たすため、叶わぬ夢を叶えるため……プレイヤーは新たなる【神の座】を目指し日夜激しい戦いを繰り広げている。



「はぁぁぁっ……。ピース、ピース、ピース。どこもかしこも平和だねえ」


繰り広げている……はずである。



「なんでこう、どいつもこいつもお遊戯気分なのかねえ。つまんねえの」


薄暗い部屋に失望と嘆きのため息が転がる。


ため息の主は紫の長髪を始め、その長身痩躯のいたる所を細い鎖で縛るロックな服装の美青年。一見人間のようにも見えるが、彼はれっきとした神である。


青年は岩の形のデザインのイスに腰掛けながら灰色の瞳でデスクトップパソコンの画面を睨みつけていた。


「だいたいなんで神になれる力が手に入るってのに誰もまともに戦わないんだ?謀略・知略・裏切りあって蹂躙して、血と悲鳴と哄笑こうしょうの入り混じったエキサイティングな戦いをするところだろうよ、ここは」


パソコンの画面に表示されているのは神々に人気の動画サイト・【アガペー動画】だ。


そこにはプレイヤーの活躍を編集した動画がずらりと並んでいる。


内容はいつも大して変わらない。


ランキングを表示してみると、やれ『【童貞が】格上のモンスターに囲まれて四面楚歌【戦ってみた】』だの、やれ『弱小勢力に目隠しでギフト・実況』だのという緊張感のないタイトルばかりが顔を出す。


青年はそれが我慢ならなかった。


来る日も来る日もプレイヤーたちが戦うのはモンスターモンスターモンスター。

プレイヤーVSプレイヤーなんて二ヶ月に一度あればいい。そのくせあっても小競り合いか知り合い同士の馴れ合いだ。


まあ、動画の中にはなかなか神業的な編集が施された楽しめるもの無くはないわけで、青年だって楽しいことは好きでこのサイトを見ているわけなのだが、いい加減こんな風に温いのは“ノーサンキュー”と言いたかった。


「なに?もしかしてみんなヘタレでジャスティスなヒーロー演じちゃってんの?馬鹿なの?死ぬの?……あ、死にたくないのか」


人間だって神だって、やっぱり死にたくはない。痛いのだって嫌だし、苦しいのも勘弁してほしい。青年自身も長いこと岩に縛られ猛毒をその体に垂らされ続けたり、友達を巻き込み義兄弟も裏切って大喧嘩したことがある。


やらかすのはいつも彼自身で、やらかしてるときはいつだって芯から熱くなれるが、正直あんな思いはそうそうしたいものじゃないと青年ですら思っている。神々より何億倍も脆弱な人間が死を恐れぬるま湯に浸かりたがるのは分からなくもない。


神々もきっとそれを理解し、そして他の神々とのいざこざを起こさないようにしたいから大した手出しをしようとしないのだ。



分からなくはない。

分からなくはないが……。


「分かりたくもないねえ」


青年はまた、ため息を部屋の隅に転がした。


「なんかエキサイトさせてくれそうなことはないもんか……」


青年がそう嘆息し、弓なりに体を反らして伸びをした、その時だ。



《 You “GOD” Mail 》



ポンと電子音が鳴ると同時、パソコンの画面にメールの着信を知らせる音声が流れた。


「ん、メール?誰から……ああ、スーさんか。お姉さんからパソコン返してもらったんだな」


メールの差出人は《SUSANOWO》となっている。

それは青年の数少ない理解者で、異国の友人からの手紙だった。


確か半年前、他愛のない悪戯をして姉の逆鱗に触れ、以来ずっとパソコンを没収されていたはずで、メールを送ってくるということは彼の愛機パソコンは無事に帰還したようだ。


「なになに……『ヘイ、ロック!元気してるか?オレ様は元気だ。まあ、お前さんと一緒で毎日クッソ退屈してるがよ。今朝姉貴からパソコン返してもらったから早速メールだ』……へえ、良かったじゃないか。データは無事なのかな?」


彼のパソコンには色々と見られたらヤバイ系のフォルダや黒歴史満載のデータが詰まっている。それを取り上げられたときの友人の顔を思い出して青年はクックと笑った。


『そうそう。今日メールしたのはパソコン復帰の報告だけじゃねえんだ。毎日退屈してるお前さんに新しいおもちゃ・・・・の情報を教えてやろうと思ってな。


「おもちゃ?」


『昨日、面白そうな奴がうちのエリアに登録されてよ。どうもそいつには知恵の神にすら解析不能な“力”が干渉しているらしい』


「……へえ、“力”ねえ」


読み進めていると、いわく日本側の登録情報を書き換えただの、管理者ですら対応できないバグを生んだだの、神の力を自力で引き出して死にかけただの、その面白そうなプレイヤーはとにかく予想もつかないことを次々やらかした書かれている。


『でだ、そいつのことを経歴から魂まであれこれ調べてみたものの、結局“普通の人間”って答えが出ただけで、本当は何者なのか、誰の差し金でやってきたのか、見当もつかないらしい。どうだ?なんだかクッソ面白そうじゃねえか?』


「ふうん。……まあ、確かに興味はあるねえ」


メールの最後にはそのプレイヤーの個人情報と、彼の最初の戦いを編集した動画のURLが添付されていた。このURLはアガペー動画だ。


「あらら、ご丁寧に。……でも、世の中には今だって加護持ちの人間は居るし、あんまり珍しくはないような気がするんだけどなあ。とはいえ、スーさんの観ろって言うなら……」


友人の勧めだ。青年はちょっとした話の種、付き合いの程度の気持ちで見てみようとその動画のURLをクリックした。



そこでは平々凡々とした青年が、赤い鬼に追いかけまわされ、死にかけた瞬間にヒーローに変身する姿がアップテンポの曲に合わせて映し出されていた。

特殊効果もバンバン使っての“神”編集である。


「誰の編集かは興味は無いけど、音楽のチョイスと映像のつなぎは上手いな」


そのせいだろう。要所を掻い摘んで観ようと思っていた青年は、凡そ十三分ほどの動画を飛ばすことなく一気に観賞してしまった。


「……ふうん。こりゃなかなか」


見終えたときには、青年は胸の中に小さな熱が生まれた気がしていた。

特に最後。倒した後に倒れるところが良かったと青年は思う。継続して観ても良いかもしれない。


すると、そのタイミングを見計らったかのようにまたメールが届く。

今度もまたさっきの友人からだ。


「スーさんには面白そうだねって返しておこうかな。……っと、その前に……」


友人からのメールを開く。



『そうそう。その動画の奴なんだけど、どうやら【契約】したらしいぜ』



その言葉に青年の動きが一瞬止まる。


そして、


「……へえ……そいつはクールだねえ……」


青年は悪魔も戦慄しそうな黒い笑みを浮かべ、このプレイヤーの【視聴枠】を購入したのだった。




契約:一応全世界向けに告知はされる。でも、通知が行くのは各エリアだけ。

依頼は明らかに無茶なものや神様で簡単に処理できるだろってものは通りにくい。ちゃんと審査があります。当然必要なら海外にも。


青年な神様・ロック:あれ?どこかで……?どこかの神話のトリックスター。

スーさん:まるわかりだけど。あの暴れん坊です。最近もまたお姉ちゃんに怒られてフルボッコからのパソコン没収。結構オタク。

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