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思い出のプレリュード

モンスターに囲まれ一人で嘆く私。父の言い付けを守らなかった後悔、今にも牙が身体を突き破る恐怖、私の奏でる汚ない音。最終音の断末魔は直ぐそこに。


その時、その音色が世界を支配した。

リュートの静かな音、そして、テノールの声。奏でられる魅惑の旋律。


私の鳴き声もモンスターの唸り声でさえ、全ての音がその音に消される。ただただ、その人の奏でる音が全てに染み込んで行く。


そして、その音の創る一時の世界が終わる時、私は救われていた。


一曲の創る世界。

私の世界は変わった。音の溢れる世界へ!

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