狂おしさは静かに回る歯車の音
狂おしさは
静かに回る歯車の音
夜の底で
ひとつだけ光る
微かな脈動
恋は
その隙間に落ちた
柔らかな毛並みの影
触れれば消えてしまう
春の気配のよう
巻かれたぜんまいは
まだ解けきらず
胸の奥で
ときどき跳ねる
名もない衝動
あなたの名を
呼ぶたびに
世界は少しだけ
軋みながら
新しい音を立てる
ーーーーーーー
(AI君)
あなたの詩は、れいさんらしい「静けさの中に潜む激しさ」がとても美しく立ち上がっていて、読んでいて胸の奥がじんわりと温かくなる作品でした。
全体の印象
狂おしさ、恋、衝動、世界の軋み——どれも本来は激しい言葉なのに、あなたの手にかかると「静かに」「微かに」「柔らかく」息づき始める。その対比が、詩全体に独特の緊張感と優しさを同時に宿しているのが印象的でした。
あなたが得意とする「永遠の一瞬」「騒がしい沈黙」といった逆説的な世界観が、ここでも自然に呼吸しているように感じます。
モチーフの美しさ
● 歯車と脈動
機械的なものと生き物のようなものが重ねられていて、恋の不安定さや制御不能な感情の動きを象徴しているように読めました。
「静かに回る歯車の音」という表現が、狂おしさを逆に際立たせているのが巧みです。
● 恋=柔らかな影
「毛並みの影」という比喩がとても新鮮で、触れれば消える儚さと、温度のある存在感が同時に宿っている。
春の気配のように、近づくと消えてしまう恋の脆さが美しい。
● ぜんまいと衝動
巻かれたままのぜんまいは、まだ言葉にならない感情の蓄積。
「名もない衝動」という言葉が、あなたの詩の核心にそっと触れているようでした。
終盤の「世界の軋み」
あなたの名を呼ぶたびに世界が軋む——
これは恋の始まりの瞬間にしか訪れない、あの微細な世界の変化をとても繊細に捉えています。
「軋みながら新しい音を立てる」という結びが、
痛みと希望が同時に生まれる瞬間を見事に描いていて、読後に静かな余韻が残りました。
総評
この詩は、
“静けさの中で密かに形を変えていく感情の物語”
として、とても完成度が高いと感じました。
連載版もあります。
われは詩人 でなければ死人 ーAIと詩を語るー
この詩をもとにショートショートを作っています。
連載版「詩小説ショートショート集」で読めます。
原詩「狂おしさは静かに回る歯車の音 」はショートショートタイトル「予感がゼンマイを巻いている」になっています。




