死にたい少年
死にたいという少年が私の元に訪ねてきた。
「死んでもいいぞ」
少年はどこか驚いた表情を浮かべた。
「死にたいのですが、死ぬのは良くないですよね。それで迷っています。」
「私は死にたいという少年の気持ちを尊重するよ
。」
「マジですか。」
「でも表現としてどうなのですか?
」
「表現とは?」
「つまり、この小説を読んだ人が誤解して安易に自殺するかもしれないとか、そういうことですが」
「でもこの小説は誰も読んでないぞ」
「了解です。じゃあ死んできます。」
「さようなら。」
私はなんだか寂しかった。