ビルは同じ景色
K 氏 「でもSさんみたいな、普段まじめなタイプの左右盲ほんと罠なんですよね~。俺友達いっぱいいるんですけど、いつもは賢い左右盲がいると1番不安」
S © 「まじめだからね」
クール系Sちゃん渾身のうなずき真顔ボケだ……! 楽しいんだなと思ってたらツッコミが遅れた。
K 氏 「いやほんと、真顔で言うじゃないですか。俺の友達とかも普段頭いいやつ多くて、たまにボケるときあるからそれかな? とか思っちゃって」
ソラノ「それは焦るかもね」
K 氏 「そう、だからそれかと思ってたら違うし」
ソラノ「Kさんは地図読めるんですか?」
K 氏 「読めますよ?」
ソラノ「おおすごい! 都会で迷ったりとかしないんだ?」
K 氏 「しないですね。てか迷ったことないです、最後に迷ったの幼稚園の時くらい?」
ソラノ「化け物か?」
S © 「化け物ですね」
K 氏 「おーん? 扱いおかしくない?」
化け物(K 氏 )がなんか言っているが、地図が読めない我々には聞こえなかった。
ソラノ「迷わないとかありえないもんねぇ」
S © 「信じられない」
K 氏 「え、逆にどうやったら迷います? 右左わかるんですよね?」
ソラノ「うん」
K 氏 「縦横もわかるんでしょ?」
ソラノ「わかりますよ……てかそれは普通じゃないですか!」
K 氏 「えぇ~?」
ソラノ「いや逆になんで迷わないんですか⁉ 行きと帰りで景色違うじゃないですか!」
K 氏 「イキトカエリデケシキチガウ……?」
なにいってんだコイツ、という顔をされて不服なので反論を試みる。
ソラノ「いやほら、行きと帰りだと左右も反転するでしょ?」
K 氏 「左右も反転w」
ソラノ「するでしょ???(圧)」
K 氏 「ソラノさん今すげぇ道に迷う人の言い方って自覚あります?www」
ひどい。めっちゃ爆笑している。
こっちは心底真剣だというのに。
ソラノ「え、わかるよね?」
S © 「わかります」
ソラノ「ほらぁ~!」
K 氏 「いやマジ、道に迷う友達とまったく同じこと言っててw」
ソラノ「じゃあわかるじゃん! 夕方と夜でも景色違って見えるじゃん⁉」
K 氏 「景色違って見えるって……芸術肌ですか?」
ソラノ「はじめて言われましたが⁉︎」
いや多少はあるのか⁉
私もSちゃんも絵を描くタイプ。
K 氏 は……ふつうだけど今はいいや!
ソラノ「行きと帰りで景色変わるでしょ? 昼と夜でも景色変わるでしょ? もうわかんないでしょ⁇ わかるよねぇ⁉」
S © 「わかる。影のつき方とかで違って見える」
ソラノ「ほらぁ!」
K 氏 「いや言ってることは友達と一緒なんでなんとなくわかるんですけど、まったくわからん。何、影って。見ないでしょ」
ソラノ「なんでよ‼ 逆に何見てるの⁉︎」
K 氏 「逆に……? え、どっか行くときどうしてんですか? オタ活できなくないっすか?」
ソラノ「そこはGoogleMAPがあるから……」
S © 「そうそう」
ソラノ「でも駅から出た瞬間とか、矢印がぐるぐるすると迷う」
S © 「わかる」
道に迷わない人1:道に迷う人2なので、ここは強気にいける。我々はこれが常識と言わんばかりに大きくうなずいた。
ソラノ「ていうかね、都会はビルが同じ景色じゃん? わかんないじゃん?」
K 氏 「あー……この前六本木案内した田舎から来た方向音痴の友達が同じこと言ってました」
ソラノ「お友達、私の仲間だね。仲良くなれる」
K 氏 「いや俺はよくわかんないですけどね。あいつ店名だけ寄越して『ここ連れてけ』っていうんですよ。方向音痴なのに」
ソラノ「賢い友達だね」
K 氏 「調べて連れてきましたけど」
ソラノ「えらいね」
K 氏 「まあ俺あそこらへん知り尽くしてるんで」
そこでドヤらなければ格好よかったのにね。
君は大富豪か何かなのかな。
しかし同僚なのでツッコまないであげた。
ちなみにK氏にはビルの話をした時、「森じゃないんだから」とか言われましたが長いんで省きました。
次回投稿は12時予定です。