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スライムと俺  作者: 木津彰臣(きづあきおみ)
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~最弱コンビの異世界うまうま食道楽~

 鞄をおろすことも忘れてベッドへと倒れこむ。時間は夜の12時、ご飯に風呂と明日の準備それからそれから…と考えているうちに瞼が重くなっていく。

 あぁ、今日も夜飯まで辿りつけなかったな、なんて独り言ちてみるとなんと虚しいことか。小さい頃から大の大食漢で、食べることを主軸に生きていた俺もいまや待ちわびていた夜飯を前に起き上がることすら叶わない。

もう瞼が6割は閉じた。脳みその中が眠いという感情で満たされていく。

悲しいかな、三大欲求のうちついぞ残るは睡眠欲だけとなったらしい。


「あ~あ、食べることだけが最近の楽しみだったんだけどなぁ…。」


 ぼそりと、口の端から思わずこぼれる。

 どんなに生活と仕事の存在意義が逆転し未来を見失おうとも、大好きな食べることさえできればそれでよかったのにと。それさえもまともにできなくなった俺には何が残るのだろうと。

そんな焦燥感、虚無感、やるせなさがふつふつと喉元まで湧き上がる。


「いっその事、うんっっと遠いところにでも行きたい…。見たこともない景色を見て、食べたこともないおいしいもの食べてそれで…それ、で…」


 叶わなくても声に出してみれば夢位は見れるんじゃないかという考えもそこそこに深い深い眠りへと沈んでいく。

 せめて明日の朝ご飯は胃もたれするくらいおいしいものを食べようか、そんなことを考えながら。



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