表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
境界の物語  作者: ∀・1
βストーリア
84/92

魔物との戦争―――End―――

ここはどこだろう。まず、それを思った。

頭の中には、二つの可能性が思いついていた。まず一つ目は、此処が<バハムートの湖>と呼ばれるゆえんである、バハムートの住む所。龍王の類では言語を解するし、バハムートと言われる程度なら人の姿を取ることもできるんじゃないか。...貴族趣味なのか?

そして、もう一個の方。個人的に可能性が高いと思っている方なのは、此処こそがガイオの居城なのではないかという事だ。撃ち落されてしまったのはそう言う理由だと言うなら、納得ができる。


「...おや。非武装なんて、なんて危ないのかな?僕としては今ここで殺しても構わないのだけど」

後ろに飛ぶが、いつもの様なジャンプにならず足が逝ったように痛い。

ただ、僕はその声の主を知っているし相手も良く僕の事を知っているはずだ。

「...レイ?やっと来てくれたの?待ちくたびれたんだけど」

振り返った先にいたのは前見た時よりも柔らかい印象を受けるものの言葉遣いが物騒なガイオ。

そして、僕に非常に似た姿をした少女―――僕は彼女がエミリアだと直感的に理解した。


「いやあ、久しぶりに見るとやっぱり可愛いなあ」

突然抱きついてくるエミリア。彼女から抱きついてくるなんて、酒が入っているときと二人きりの時しかしてこないのに僕を殺す可能性のあるガイオが居るところで行動を起こすと言う事は、それだけガイオを信頼しているのか...もしくは洗脳されているのか。

「...自らの片割れに恋する少年と、それに愛を振りまく妹、か。見ていてこれほど面白いものはないね」

...中々に言葉がひどい。というか、自称祖父のフェルグィスも言う事だけどなんでこう神族としての生活に慣れきっている人はエミリアの事を「レイヴンの片割れ」と呼ぶのだろうか。というか、妹なんて言うのは僕たちの関係性だろうか。


「ふふー、やっぱりこの姿だとレイがちょっとだけボクよりおっきいなー」

この、僕の頭をなでる行為は酔っているときにはしてこない。ガイオの事を空気だとでも思っているのか?ガイオの事が見えていないのなら、段々見えなくなっていくのが闇に沈むと言う事なのか?

「...ああ、一個良いかな?大丈夫、攻撃したりはしないから」

と、僕の横腹をつつくように催促するガイオの姿が。頷きかけるが、冷たい感触が首に伝わる。

「...ボクから逃げるの?レイ」



少しだけ、血が流れている気がする。それに、この冷たいものの正体は多分金属だ。

それに、言葉から伝わる圧迫感によって僕が冷や汗をかいてしまってもいるのだろう。

だが、それ以上に...僕は、エミリアに異常さを感じられてならなかった。

「最近はこうなんだよ。君の名を口にするたび、この娘はこんな感じになってね。もう僕の降参と言うことにして、今はこのエミリアを君が引き取ってほしいよ。それに、多分今君がいなくなったら僕は殺されるだろうし」

ガイオの言う事に、必死さがある。ガイオについていこうとしただけで僕の首筋に剣を突き立ててくるような状態になっているのだ。きっと、このままいなくなったらガイオが殺されるどころか真の意味で世界の敵になるだろう。そして、勝って人類を滅ぼしたら次は神に喧嘩を売って神族も全滅させるんだろうか。


「...レイ。今は一緒に居てよ」

剣は無くなったものの、腕を絡ませて(多分、逃げ出そうとしたら腕を破壊する気だろう)いるエミリアから逃げられる気がしない。

もうすでに、闇に沈み切っているのだろうか。

「...ともかく、僕はこれでこの世界から離れさせてもらうよ。―――子がなされるのなら、僕はその中に入らせてもらおうかな」

ガイオが、疲れたように言う。次いで破裂し、そして僕たちの身体はライデオル帝国へと戻されていた。



―――



僕が、次は異世界と呼ばれる程度の超遠距離の酸化型惑星...『地球』から人間を転移、もしくは転生させようとその張本人であるセイタ・ユウ親子と何かを画策していたデレルベン王に報告したことでガイオとの戦争自体は終わった。

まあ、それでも海は戒鮫艦型シェルヴィーなどの超強力原生獣が発生するようになってきたし、魔物にしても時折ワイバーンロードや亜龍などの竜王に匹敵する強力な飛行型魔物が出現しているらしく、対策に追われる空軍部隊が見えたが。


「レイ、ずっと一緒だから!」

...ただ、今僕の真横にいる少女を除けば、何の問題もないのだけど。

エミリアは闇に堕ちたまま、戻っていない。僕に常に引っ付いてくるから少し恥ずかしいけど、闇に堕ちたことによって羞恥心は消えたらしい。

「んふふー、あったかーい!」

昨日倒して<時間収縮グイーヅ>を使用して皮をなめして、コートとマフラーと...と色々な着用物に利用したグリフォンの素材はお気に召してもらえたらしく、子供みたいに雪降る空ではしゃいでいる。


「...そうだね」

一緒に居たい、そんな彼女の言葉に一人返答を呟くと、「もう、素直じゃないなあ」と少し怒られる。くすぐったいような、嬉しいような?そんな心は、灰色の雲に隠されて見通せなかった。

戒鮫艦型:全長2775㎝、全高675㎝

武装:43㎝鮫弾、144mmミサイルポッド


一旦終わりです(そのまま続くけど)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ