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境界の物語  作者: ∀・1
βストーリア
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魔物との戦争―――3

要塞を造ったのが二か月前、最近は魔物が増えて要塞の重要さを覚えている者達が多くなっている。

セイタはたまにそんなことを呟きながら、前線で普通よりも大幅に長い長剣を振り回して魔物を狩り続けている。

今まで一切前線に居なかった彼だが、流石に魔術だけでは倒しきれないほどに数が多くなってきたせいなのか剣を振っているのだろう。


そして、最近は天を割るような轟音が増えてきていた。

何故かユウの持つ銃に興味を示した者達が、僕の魔力で作らせたレールガンなる戦術兵器(戦術級魔術と同じ類らしい)を、同じく僕に作らせている僕の身長の5倍もある巨大な弾丸を作らせて射出している音だ。

今日は着地すると破裂、内部の爆弾が拡散して魔物に致命的なダメージを与え、更にそこから半径600Ⅿ程に苦しんで死ぬことになるらしい何かをまき散らす、<虚無の毒弾(ダーティ・ボム)>タイプらしく、遠いところにセイタが設置している、共に僕に視覚共有を為している<自立ミサイルポッド>と<自立93mm連装迎撃砲>(僕の魔力を常時吸収)の一部が破壊され、残ったものからは魔物の残骸と苦しみに呻く魔物たちの姿が見て取れた。

このレールガンは一人一人の独断で放たれるため、それだけ魔物に怨みでもあるのだろう。



―――



そんなこんなで最初の数か月は過ぎていき、魔物たちの猛攻は少しづつ数が増え、今では常に魔物の大群がいる状態になっていた。

必然的にレールガンの放つ物はクラスター弾やダーティ・ボムなどの広範囲殲滅系になってきていた。

最近では僕が魔物の殲滅のために要塞の上空に位置してそこから崩天級―――超高等戦術級魔術、崩天星群フェザーメテオを放つことも多くなっていた。

前の“軸”でアリオスが使っていたのを見ていたが、割と魔力は食わないらしい。ただ、常に神族としての右半分に生えた翼と、茶髪が銀髪になる程度の異形の露出を必要とするが。


横にはアリオスがいて、量子刃クアンタム・ブレードを大量に放って対空戦力となってくれている。一発でもフェザーメテオが要塞に当たれば、如何な神龍ノ鋼(アヴィールディアス)と言えども崩壊してしまうだろう。

フェザーメテオは非常に繊細な操作が必要なので、一撃でも喰らって集中が途切れれば要塞が崩壊するだろう。しかしそれだけの重役をアリオスに預けている辺り、少々怖いところもある。


「...これ以上はまずい、か。レイ、そろそろフェザーメテオは打ち止めにして対空戦力を回した方が―――」

アリオスの、苦しげな呻きを打ち消すようにして飛竜の一匹が爆発して撃ち落された。

アリオスが驚いて滞空している間も、突然落下したり爆発したり下から伸びてきた光の一条に貫かれて落下したりしている。

「ああ、セイタが用意してくれてたんですよ。対空76mm機銃と、186mmバズーカランチャーに...高出力ビーム砲?ていうやつの斉射で」


呆れたアリオスが動かない間にも、ビーム砲やバズーカ、大口径機銃は飛竜を打ち落としていく。

「...これを設置した方が魔物を倒せるんじゃないのか...?」

アリオスがそんな事を言うが、実際僕がフェザーメテオを放っていたのはその設置を支援する為だった。

という事は、休んでもいいのでは。

そんな事を考えて、僕は神体を解除し―――やべっ、と思い至った時には着陸しかけていて、仕方なく<風波ウィンド・ウェーブ>という、風の魔術の中でも最も弱い魔術を全力で同時に5つ叩き付け、何とかかすり傷で済んだ。



「...如何な余が治めていた国と言えどこの覇宙城ガルヴィンデガイオを越すような高性能な艦は用意できておらんだな。余の子孫の果ての果て、レヴィンギル・ガルゴニオはガルゴン王国と共に朽ちた。よって、余はこの地で要塞と統合されようと思うのだが、良いか?」

魔物の侵攻が始まって3ヶ月後。

覇宙城ガルヴィンデガイオを持ち、朽ち果てた肉体を復活させてデレルベン・ディル・ベルべディオ王はこのライデオル要塞―――いや、新たに作られたラィデォル要塞へと亡命してきた。


数少ない列強国や、近い所から逃げてきたものは多かった。

割と近いにもかかわらず逃げてきていないアリオスの民たちは滅びていないらしく、フィリップの手腕によって何とか生き延びているらしい。

またガルゴン王国の中でも辺境伯であったデルマイユ伯領の兵士たちは魔物との戦闘経験も多く、また我が半身(物理)であるディスペアー候やガリアン老もそこにいるらしく、意外と善戦しているらしい。

そしてメイデン帝国―――かつてアリオスが最大の拠点を破壊していた大帝国だが、かつてアリオスが破壊したアイアン・メイデンが覇宙城ガルヴィンデガイオにも似たような6対の足を持った、恐ろしい重機関銃や要塞をも破壊する大口径主砲などの凶悪な兵器を多載した機甲兵器だったらしい。


...とこれらがデレルベン王がもたらした情報だが、僕は中々に信じられなくて逆に信じられる気がする。

「あ、そうそう」

と、そんなふうにデレルベン王が口を開いて、言った。

「ガルィオ様の神輿が世に降り立ち、その双頭より闇に染まった人が大量に放出されてもいたぞ」

それは、世界に恐怖と絶望をもたらす言葉だった。

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