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境界の物語  作者: ∀・1
βストーリア
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旅譚Ⅱ―――終末―――

ゴースト様の暴走が終了しようやく戻るめどが立ったところで、暴走する原因となったアリオスが聞いた。

「この程度の武装でガイオ様に勝てるのか?正直に言うが、あの方や魔人と言った者に魔術を大量に注がれれば流石の『覇宙城』―――文字通り外天に覇を唱えるための城と言えど撃沈する事はないのか?」

しかし、そう言われた8000年前の帝王は不敵な笑みを浮かべる。

「...なぜ笑う」

『この城が戦乱を越えて8000年も残り続けてきているのだから、多少魔術を受けても問題はないわ。そもそも余が存在し続ける限り、この国が余の手の中にあると余が思い続ける限り、この覇宙城ガルヴィンデガイオが墜ちることなどないのだ』


あまりにも自らの城に過剰な信を置いているデレルベン王に絶句する事15秒。それでもすぐに立ち直った方な筈だけれど、悔しい事にアリオスは言葉の前と同じ体勢と位置にあった。

『...まあ、確かに8000年もの時代の差があるのだからこの城がかつてより防御に優れていないと思うのも仕方のない事だな。だが、余が存在し続ける限り<ヴァリアブル・クアンタ>システムが発動し続けるから墜ちることなどないわ!』

「高変動性量子群...か。要は、ダメージを物理的に弾くのか?」

『...簡単に言うのならば、そうなるのだろう。ただ、余の<ヴァリアブル・クアンタ>システムは魔術に指向性を与えて術者に跳ね返る様になるのだ。よって、我が城は不滅である!』

「...まあそうやすやすと突破はされない、か...。別の場所に兵が向かなければいいが」

少し早い話だけど、こうでもしないと大変な目に合うのはアリオスも、僕も知っていることだ。こうやって掴んだ千載一遇のチャンス、逃すわけにはいかなかった。



―――



そのあとは何事もなく(?)推移し、ディスペアーに爵位が与えられた。

「我が子のように思い、次に会う時には多大な土地を持つ侯爵に相応しい者にしております!ご期待くださいませ!」

そんなふうに意気込むガリアンに少しだけ驚きディスペアーを見ると、当人すらも聞いていなかったのか少し驚いた様子だった。

それでもあきらめたように息を吐く彼を見ていると、なんだか同情してしまいそうだ。


そんな感じで僕とアリオスだけ非常に濃厚だったガルゴン王国を出て、【戦車】はメイデン帝国に向か―――おうとしてアリオスが「もう行く必要はないからな」と拒否、そのまま道のりはレヴィオン王国へと進んでいった。

前回レヴィオン王国には魔人が出現していたが、どうやらガイオがこちらに手を回さなかったらしく―――若しくは全く皮肉なことにエミリアを宮殿に幽閉するのが忙しいのか―――魔人の姿はなく、いたって平和そのものという感じだった。


「ふう...。優、うずうずしているようだから遊んできてもいいぞ?」

「そ、そんなんじゃないわよ‼...で、でも行ってきていいなら由紀と一緒に行ってくるけど...?」

「あ、ボクも行っていいのー?やったー!」

「...由紀、はしゃぎすぎるなよ?はしゃいで迷子になって誘拐...なんて洒落じゃないからな」

「むう、いくら相手がボクだからって酷くないかなー?」

戒厳的な何かが発生していない事もあり、欲しかったらしい酒―――言わずと知れたレヴィオン名産の葡萄酒、『エグレア・レヴァヌ』(酒度17度)を大量に買いだめて酒屋を少し呆れさせたセイタは分かりやすく嬉しい事を隠さずに、うずうずしていたユウに遊びに行く許可を与えた。

本人は否定していたものの、すぐに意見を変える辺り本当に行きたかったようだ。

少し苦笑すると、イアに心配され過ぎて不機嫌にふてくされモードとなったユキににらまれた。

「...エミリアが居たらはしゃいでるからね。それを忘れないように」

なんだか僕にまでとばっちりだ。僕はこの一瞬だけ、エミリアとガイオを恨めしく思った。


「「ッくしゅ‼」」

闇の空の中の宮殿で、エミリアとガイオは同時にくしゃみをした。

「...風邪でも引いたかな?その内レイに返すことになるから風邪をひかせて熱なんて出させたら怒るだろうなあ...。」

「問題ないよ?まあ、レイに会えないのはやだけどそれ以外はとっても快適だし、君と話してるのは楽しいし」

「そう言ってもらえると嬉しいな。...僕が死のうと、君は無傷でレイに会わせるよ。その後で僕が勝ったら、二人とも死んでもらうけど」

「...レイが負けるわけないでしょ」

意外と仲良く話す二人を見れていたら、そしてエミリアが僕に会えない事で寂しさを覚えていることを知ったら、相反する二つの感情の元飛んで行っていただろう。


ユウがはしゃぎまわり、二人が戻ってきたところで僕たちはレヴィオン王国を出、しかし魔人たちとの―――ガイオとの戦闘に備えるべきだろうと言うことで僕たちの行きたい場所へは行かずじまいだった。...正直、会いに来なかったと龍王二匹に責められるのは少しだけ恐怖だ。

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