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境界の物語  作者: ∀・1
βストーリア
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空飛ぶ王城

貴族関連の事をガリアン老人に指示してもらい、僕と同じ姿をするもののほんの少しだけ通常の会話の際に棘が在るような感じのディスペアーが率先して面倒ごとに立ってくれたので、表彰とかそういう事を気にする必要はなさそうだった。

ただ、ガリアン翁が「必ずや、必ずや...!」とグロイスの事を念押ししていたのを少し懸念点ととらえなければ、だけど。


早速次の目的地であるメイデン帝国へと進む...と思いきや、セイタの意向とガリアンの懇願によってディスペアーへのガリアン前候の領土移譲の事などを含めての国内戦後処理に、ディスペアーの護衛として出壇することになってしまった。

...こうならないためにディスペアーを喚んだはずなのに、なあ。



―――



ロードガルゴンの形はかつての王様が「ここに攻め入られたときはおしまいだ...」と考えたのか、中心から放射状に打てるように、そして距離をとれるように王城を中心に同心円状に作られている。でもその次の代の王様が間抜けだったのか、本来の用途である弓と魔術での高所からの攻撃が機能せず、水攻めになれば水没してしまいそうな最悪の条件にしてしまっている。そう...。

「...センスなッ」

「これは...ひどすぎるな。私だったら空中に浮かせてさかさまにして空隙要塞とでも名付けるぞ」

こんな酷評(順にレーヴァ、セイタ)が言われるように―――あろうことか、王城が一番低所に、そして町を壁にするようにできていたのだ。


「...いや、昔の戦法としては悪い方じゃないな」

「え?」

前言撤回、どうやら違ったらしい。昔の人にはわかる、という奴だろうか。

本来ならもう一人話すはずだけど、ソイツはレーヴァに張り付いているから気にしない事とする。

「低所から超高角で金属片の入った爆弾樽を弩弓砲で飛ばせば、一発で軽く3桁は死傷者が出るぞ」

...なんて物騒な王様だったのだろうか。きっと今ほどに魔術が発展していなかったとはいえ、そんな非人道的な...。

そんな事を思って、不意にガイオの傷付いた顔が頭をよぎる。

「―――」

「...どうした、レイヴン?少し顔色が変だが」



―――



その日は王都の下層の部類にある宿に夜を過ごし(町の立地上、下層にあるもの程本来で言う所の上層)、次の日に少し寝坊しかけるほどいい朝に目覚めると僕たちはディスペアー・ガリアン両名と合流して王城へと赴くことになった。

王城は名の通りガルゴン王国の王家諸氏及び王城仕えの者達が居住したりしなかったりする城の名だ。

前に一度だけ見た事のある場所―――ベルベッド共和国首都、ローエン=ゴルドにある城と比べて実用的ではなく、魔術が無ければ実用的かもしれないと言う外観には苔が一部に生えていた。

一言でイメージを伝えるのだとすれば、『古城』という印象が非常に強かった。


と、「レイヴン・ヴェルドリアです。開門を要請いたします」そんな馬鹿らしいほど丁寧な言葉がディスペアーの口から出てきた。レイヴン...と言っていたのは、あくまでも僕として領土を管理してもらうためだ。自分のためとはいえ、少しかわいそうな気もしてくる。

「...はあ。まあ、僕を創った時点でこうなることは予想できただろ?諦めろよ、口調の変化ぐらいは」

さすディ(流石ディスペアーの略。みんなも使ってみよう)。僕は心の中で彼を誉めていた。


「...ああ、開いた!」

「うむ、開いたな」

ディスペアーから視線を戻して城を見ると、城門が開いた。次いで苔むした城壁が分離し、綺麗な魔封煉瓦と所々に隙間の空いた対攻城兵装を沢山装備した化け物じみた城が出てきた。

更に地面が震動し―――、ってアレ?ここまで揺れると寧ろ地殻変動級じゃ―――――!?

「うわあああぁぁーーーッ!?」



「いてて...。」

頭をさすってみて、血はない。軽くぶつけたようだけれど、石で切ったりはしなかったようだ。

次に身体を探って、少し唇の内側が切れていた。多分、地面が動いて驚いて転んだんだろう。

いつもならエミリアがこういう時起こしてくれるのに...と、心の中でガイオにちょっとだけ不満を言ってから、僕は立ち上がった。


『おや、まだ人が残っていたのか。君も我が王城・蒼天楼へと入るがいい。真の英雄よ』

なんだこの人。なんか5メートルぐらい浮いてるし、何なら周りに火の玉みたいなのも浮いてるし。

それに僕の事を魔人を開放した人だって気付いているし...この人、何者だ?

『余はもう8000年も昔に死している。その為浮けるし、代わりに顕現のためには莫大な量の魔力と多少の制約を受けるが、まあ余には関係などない。そして、余が誰かだったな。...コホン』

思考読了を持っていることはこの際無視して、僕は彼の自己紹介に耳を傾ける。


『余こそが、神聖ベルベッド帝国の祖にして今の世にある魔道具の全般の基礎を創り締め、我が居城・蒼天楼―――――いや、崩天宇宙城<蒼天楼コスモ・オブ・ブルーエンペラー>をこの魔封煉瓦より食物より自動制御式防御システムより対外生命体交信用魔道具より高速飛翔翼機より魔封煉瓦の劣化を防ぐために石を纏わせる事より、何よりもこの覇宙城ガルヴィンデガイオを作成したのは余―――デレルベン・ディル・ベルべディオであるッッッ‼‼』

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