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境界の物語  作者: ∀・1
αストーリア
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Sword and Magic World

「...おや、起きたかい、レイ。今日は魔術の特訓を行おうと思ってね。今から僕が言う事を唱えてみてね。―――」

えーと、―――か。

「...わっ!?」

「...最初からこのようなことをされると僕の心も折れるのだけどね」


何も見えない中、この声の持ち主だけは僕に色々なことをしてくれた。

レイと呼ばれるようになった僕は、この声の持ち主である父さんが言う事為す事をそのまま実行していた。

それで、今お父さんに言われたことをしようとしたのだけれども―――僕は、水を出したぎり倒れてしまう。

...次の日お父さんに聞いたことには、

「レイが使ったのは魔術と言うものでね。特定の言葉を唱えるのが魔法、イマジネィションで新たに術式を構成できるのが魔術なんだよ」

とよく分からない事を言ってくれた。

これが理解できるのはいつの日か―――少なくとも、今にしてみれば異常に遠い事だけは理解できた。


その日から、僕は魔術を使わされ続けた。

僕が使ったのは<水弾ウォータ・ボウル>と言うもので、水の弾を作るというごくありふれたものだった。

ただ、何も唱えないで使えるというのは貴重なものらしかった。

「いや、そもそもこうやって一回目から無詠唱で使えるレイはおかしいんだけどね...。」

そういわれたけど、それが毒を吐かれたと知るのは遠い日の事。



―――



それから少し経った頃。

お父さんは、どこかに行った。

「1週間ぐらいで帰ってくるから、家でのんびりしていればいいよ」

そう言って出かけて行ったけど、其の1週間はとても長く感じた。

産まれて?から一年と少しの僕にとっては、あまり移動できる範囲も少なくて、何とか家の一階を全部見終わった、と思った時には家にいる料理人さんに食堂に戻されていた。


そんな事を繰り返して、僕の中に不満が溜まってきたとき―――

「...レイ、ただいまー」

そんな間延びした声が聞こえた。

いつもならそれは福音に聞こえたかもしれなかった。でも、今僕は不機嫌だった。

あまりにも遅すぎる帰りに、不満を訴えてみた。

でも父さんは、「1週間でも短めに見てきたんだ。それもこれも、レイが暇しない様なんだよ」

と言った。言っている意味が理解できなかったけど、家の周りに広がるという大きな町だけでもぐるりと回るだけで何日もかかる事が分かった時に父さんの僕に対する愛情がよくわかった。



...それ以降、僕は父さんについていくことにした。

ただ、家の外にある壁と、そこにつながる大きな門の外には連れて行ってくれなかった。

「一人でいると、僕でも助けられないからね。4歳になるまでは外に出ちゃだめだよ」

それに、僕なりに不満を訴えた。

「そんな!それじゃあ僕は何をしてればいいんですか!?」

きっと、そこで「今と同じことをしていればいいんだよ」と言われていれば僕は言いつけを無視して門を飛び出ていただろう。

ただ、父さんの口から飛び出てきたのは、

「...仕方ないね。特別に、剣術というのを教えてあげよう」

僕にとって好奇の対象となり得る、その何かだった。



―――



僕は、次の日に後悔していた。こんなこと言わなければよかったと。

僕は家の壁の内側を朝に走らせられていた。それも、何周も何周も。

しかも、気力がなくなりかければ父さんが「これじゃあ教えれないなあ」と僕にはっぱをかける。

なんて父親なんだ、と思いながらも僕は何とか頑張って走り切った。


肩で息をしていると、父さんは次の言葉を放つ。

「じゃ、次は身体を作るために筋トレかな」

これがあったから僕の身長は低止まりだったんだ。絶対そうだ。

その後、いくらでも続きそうだった腕立て、腹筋、背筋、などなど...。

父さんが満足して「よし、じゃあ今日は此処まで。明日も行うから、その気でいる様に。あ、寝坊なんてしたら...分かってるよね?」と、脅迫のための笑顔を浮かべて、その状態からは逃れられる筈も無く...僕はそのまま次の日、筋肉痛を煩わせながら走り、またもや更に酷い筋肉痛に悩まされて夜を唸って過ごすことになるのだけど―――今はまだ、それは遠い話だった。


ともかく、父さんは僕を変えるためには何でもできるらしい。

子供への愛情は人を変えるよ、とそう語ってくれた父さんは、少しだけ怖く思えた。

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