プロローグⅢ ゼロの匙加減
今回は少し短めです。
「...さて。どうしたものかなあ」
私は悩んでいた。というのも、IAの魂をどうするかという条件があるから。
彼についてきたユキという少女も同じ場所に送ってあげたい、と思う私の気持ちは間違っていない。
寧ろこの立場からすれば正しいと思える。
でも、どんな世界に送っても二人は近しい場所に置けなさそうに思えてしまった。
じゃあ、どうすればいい?
そこで、私は無理やりにでもくっつけることにした。
魂は、大きいところで言えば3つ。
一つはもともと二人がいたような世界じゃないところで、2つは二人がいたような世界にはできそう。
と言っても、片方はすごい技術力がありそうだったけど。
まあ、これ以上増えるかもしれないけど、増えてもいいけど、魂の分割は少ない方がいいと思った。
そこで!私は、異世界に行く魂を二つに分けることにした。
記憶がある部分と、記憶の無い部分に。
記憶のある部分はなかなか出にくいようにして、記憶の無い方を普通の人としてやることにした。
そこで、私は見つけてしまった。
レイと呼ばれる少年がそれに適合しそうな予感がしたから。
私は、生まれて殆ど情報を回収していなかったその子に魂を宿した。
それで何が起こるのか―――それは私でも定かではない。
―――
『すまない、姉さん。死んじまった』
『...成程、ヴァルが死ぬとこのような場所に着くのか。面白いな』
『いや、面白いとか言ってる場合じゃないだろ!?姉さんの所に引っかかってなければ斉太、アンタも死んでたぞ!?』
『そうかもしれないが、私にしては大丈夫だ。私にしてみればまだまだ甘いフィールドだな』
生意気なコンビがやってきた。
二人はIAとユキの事を知っている様子だった。
因みに、白髪の人―――セイタというらしい―――はこの世界の効率を上げてくれた。
私の別の世界での姿、ガイオが奪われた今こうやっていられるのはこの人のおかげだった。
感謝してもしきれないから、タイミングを見計らってIAとユキの転生した姿を引き合わせるために一肌脱ぎたい、と言っていた。
わたしとしても、あの二人がいたおかげで今こうやって生きれてる部分もあるからくっついて欲しいと秘密裡に思っていたから、それを快く手伝うことにした。
或る程度して、突然この世界を突っ切って少女が突っ切っていった。
その顔はIAに似ていたから、きっとIAの妹だろう。
あの世界のIAの父親でもあるセイタが『くッ、優奴、世界を貫通させただと!?私が作った理論だというのに‼』と研究者のような見た目をした姿で、自分の研究を横取りされたような顔をしていたから面白い。
まあ、それでも面白かったけど、『諦めろよ、セイタ。俺達はこうやって時間を待とうぜ』
とヴァルが励ましていたのも面白かった。
と、そろそろ暇になったから寝ることにしよう。
「おーい、セイタ、ヴァル―!」




