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境界の物語  作者: ∀・1
αストーリア
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剣術学院との合同演習―――Girl Part―――

僕の心に少なからず傷を残したラォルーナ剣術学院(男)との合同演習から早三日。

僕たちは、今そんなラォルーナ剣術学院の女子と合同演習を行おうとしていた。


「お初にお目にかかります、ラィデォル魔術学院代表の―――」

「ヒバナ・セイタさん、だったかな?」

「―――ええ。宜しくお願い致します」

「うん。私はラルク・ディアスって言うんだ。うちの娘達をよろしく頼むね」


相変わらずの言葉だったが、次のラルクさんはいい人そうだ。

男と言う名の野獣どもを取り仕切る傲慢な禿げデブを見ているからか、この人が途轍もなく良い為政者のようにも思えた。


女子の方が男子よりも強い、という謎ジンクスがあるこの学院はそれに比する様に社交性も上がる。

女子の方が男子よりもまともであり、また可愛げもある。

...一応は誰とも結ばれない、と意気込んでいる僕でさえ目を奪われるぐらいには可愛らしい人たちだった。


「...レイ?」

ひょっと(ちょっと)ひっはらないへよ(引っ張らないでよ)

でも、それを見たエミリアが不満げそうに眉をしかめて僕の頬を伸ばしたりしてくる。

...少しくすぐったくもあり、それでエミリアが不満そうでいるのはおかしいはずだ。

いつもはエミリアがこうしてくると笑っているはずなのに...?


そんなエミリアの様子を見たのか、面白そうにくすくすと笑う女子生徒達。

それでまた不満が溜まったか僕の頬を引っ張る―――というか抓る域にまで達してきたので不服を言うも、「ボクに逆らうんですか!」と謎の逆切れをされ、逆らえずにされるがままに。

それを面白そうに見る影が多かったのだけど―――それは僕たちには見えていなかった。


そんな中、グレアを見たある生徒がこんな事を言った。

「...お久しぶりですね、フィリップ・ヴェルドリア公爵様」

その名は、僕たちが少し前にも聞いた名であり、同時に何故その名が呼ばれるのか分からないものでもあった。



―――



「...いや、僕はそんな名では...。」

そう言うグレアだが、僕にしてみればそれは信じられていない。

言われてみればなるほど、その声音は確かにお父様に似て居なくもない。

エミリアがグレアを見て何か言っていたのも、もしかすればエミリアが何か知っていたのかもしれない。

「...エ、ミ、リ、ア~~~?」

そう幽鬼の様にふらふらと歩きながら、同時にエミリアに詰め寄ると最初の方は引いていったが、途中で女子学院生徒に捕まり、小さくその女子生徒に礼をして笑顔で手を振り返すのを見ると、エミリアに更に詰め寄る。


「...。」

更に詰め寄ると少し恥ずかしそうにして顔を俯ける。

何故エミリアがそのような反応をするのかは分からないが、こういう時のエミリアは口約束で崩すことが出来ると僕は知っている。

「(...素直に答えてくれれば、何か望むことをしてあげてもいいよ)」

「...フィリップさんに連れていかれた時に、ボクの目の前でフィリップさんが分裂して出てきた」

「よろしい。僕は約束はしっかりと守るからね、まあ首を長くして待っていたらいいよ」


僕に対して何か害になる事―――例えば、僕がコツコツと作り上げてきて、恐らくは鉄すらも余裕で切れてしまうだろう黒白双魔剣ティエル=アヴィリアを壊せ、とか―――を言わなければ、彼女に対しての約束は基本守ることにしていた。

エミリアが女子生徒と話したのだろうか、顔を赤くして何かを否定する言葉とそれを面白そうに茶化す女子生徒の姿が窺えた。


ただ―――今はその事象よりも、グレアへの言葉が重要だった。

「...エミリアの前で分裂したとはどういうことなのですか、お父様?」

笑顔で相対する。しかし、その笑顔には僕の怒りを滲ませるものでもあった。

それが伝わったか、身体を小さくしながらも「ぼ、僕は...。」などと言い訳がましく言葉を続ける。

しかし、その行動自体が自分の嘘を認めているものだとは分からないらしい。


諦めて肩をすくめると、目に見えてほっとするグレア。

だが、その行動自体がまたもや自分の虚実を認めることだと気付いたのか、投げやりな様子で「...そうだよ。僕は確かにフィリップ・ヴェルドリアさ」と言う。


「...はあ。なんでこんなところで気付くかなあ」

そう言って少し悔しそうにするグレアの姿を僕は見たくなかった。

「確かに、この肉体はフィリップ・ヴェルドリアと言う名前を冠した僕の本体と同じものと言っても過言ではないよ」

ただ、その言葉に引っかかりを覚える。


「...同じものと居ても過言でもない、とは?」

そこに反応してくれたのがうれしいのか、もしくはその反応がグレア―――お父様の予想していたものだったからか。

彼は少しだけ苦笑しながら言った。

「僕には彼の記憶があるし、彼が見ている景色も見える。何なら、此処で僕がそれなりの姿をして神の子と名乗ればそれだけで僕は十分な存在となり得るよ」


それがあながち嘘でもない気もするが、それだけ聞くと僕は何か騙されている様な気もする。

「...はあ。まあ、いいさ」

と、僕の考え休むに似たりとでも言いたいのか彼は口を開いた。

「僕は<禁忌魔術 平行人体パラドクシア・クローン>で生み出された存在だと言う事さ」

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