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境界の物語  作者: ∀・1
αストーリア
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文化祭

―――文化祭がやってくる。

僕たちは今、納涼祭の時同様に疲弊しきっていた。

だが、その利益率はすごいことになるだろうことも予想されていた。


用意したのは、色々なもの。

まず、喫茶店。喫茶店とは、珈琲を飲んだりする場所の事らしい。

だが、この喫茶店は本当の喫茶店とは違っていた。


元ユウの研究室其の一である特別生学級の部屋は、なんとキッチンもついていた。

それを生かして、そこでユウ達が『クレープ』と呼ぶものを作ることにした。

それに必要な材料は、小麦。しかも、パンに用いられるような小麦ではなく、もっと粒が細かいものを材料として使うと言うのだ。

それを探すために剣術大会までの期間を費やし、次に集めた熱帯地域にしかない植物を原料とするものは禁忌魔術である<転移ガレヲーノ>でログロス大陸へと赴き頂いてきた。


結果、砂糖の原料である砂糖黍なる物も回収でき、ユウも笑顔だった。

次に牛の乳だがそれは近くから牛を集めて、牛の状態だけを<時間遡行スリーパー・オン>してその乳を何回も絞り、それを蓋をして<温火レグルド・フレィム>という弱めの火で熱を通し、それに砂糖を入れて混ぜたりして材料は出来上がった。


キッチン部隊の横には、壁を作って物を売るところにした。

明日の天気を知るための<魔天計>、少し横には魔剣と聖剣を吊るして売ることになり、外にはまた別の物を用意していた。

そんな事は後回しで、僕たちは遂に倒れ、寝てしまった。



―――



目覚めると、それは文化祭の開始直前だった。

急いで準備をして、僕は外に行った。


次元収納デルヘドラ>を持つ者は少ない。この学級をもってしてもグレア、僕、エミリア、シンのみだった。

その為、それぞれがバラバラの持ち場に着いた。

僕は今、外にある夥しい車に囲まれていた。


車、正式名称『魔導車』はその名の通り魔力を込めて動かすものだ。

動きを補助するために加速器と減速器が取り付けられ、それに操縦用の円環が取り付けられた。

細かい部分はヴァルとセイタが作り、ユウとイアはその点検。見た目は完璧にエミリアが決めていた。

少しだけ損な見た目の車は、馬車に乗る必要がないという画期的なものだ。

しかも少しの間なら浮遊することもできる(魔力消費量は異常に多い)ので、馬車よりも圧倒的に使い勝手がいい。ただ、魔力が無ければ使えないのが欠点だが。


金貨十八枚という安めの値段で売られているものは100台、僕の<次元収納デルヘドラ>内に入っているものも含まれれば300台が売られている。

相当安めになっているのは言うまでもないが、これは大量に買われた。

開始7時間ですべてが買われてしまい、他の所も開催期間の3日間持つと思われていたのに今日一日でそのほとんどが売りつくされてしまっていた。


これから対策を考えなければならないと思うと、少し面倒臭いものがある。



―――



ということで、今回集まったのは今のユウの研究室。

失敗した魔方陣が書かれたゴミにしか見えない紙束は実はユウが再び積層魔方陣を構築しているからなのだが、きっと皆は知らないだろう。

前と違って、その魔方陣には<転生レヴィア>の魔方陣の代わりに<転移ガレヲーノ>の魔方陣が使われて居る。

そちらの方が魔力消費量は少なくなり、魔方陣の枚数も少なくなるからだ。


ともかくとして、反省会が開かれた。

今日の反省。

・魔導車:意外と売れてしまった為、再販売を行う(残り在庫:1500台)。

・量販店・魔天計:値段を少し上げる(バク売れしたから)。

・量販店・魔剣、聖剣:生産量を増やし、値段を大幅に上げる。

・喫茶店:そのままでいいが、人の回転率を上げる。



―――



二日目。

少し人員変更が行われた。飛ぶように売れた。


三日目。

同じく売れた。在庫が全て亡くなった。



―――



三日目・夜。

エミリアは再び酒を口にし、また酔っていた。

しかし、今度は以前の様に酷くはならなかった。

ただ―――僕への甘えが目立った。

「...レイ、撫でて」

「ええ...。」

「文句言わないの!ほら、撫でて!」


僕的には撫でたくないものの、仕方なく撫でることに。

すると、くすぐったそうに笑うものだから逆らえないのだ。

...まあ、前の様に大量に酒を飲んで教員を泣かせていたが。


帰り道、ふらふらとするエミリアをレーヴァに任せようとしたものの「そんなんだったらレイと一緒に居た方がいいと思うよ」などとレーヴァとシンが口裏を合わせたかのように同じ言葉を、しかし少しニヤニヤとしながら言ってきたため、仕方なくエミリアを背負いながら僕は帰路に着いた。

...それにしても、寝言か知らないが彼女は僕と一緒に居れて嬉しそうにしていた。


自室に着くとベッドは一つしか無い為ベッドにエミリアを寝かし、僕は床に寝ようとした。

しかし、ベッドにエミリアを横たわらせると僕を離さなかったものだから、仕方なく共に寝ることに。

もしかしたら、この後そういう事を期待してニヤニヤとしていたのか?

そう気づいたのは、エミリアが起きてきて恥ずかしそうに顔を赤らめた後、彼女が“そういう事”を口にしたからだった。


...僕は何もしていない。エミリアの寝言を聞いていたぐらいだ。

それでエミリアが「...好きだよ」と言っていたことは、気にしないことにした。


結局、二人にそれを言うと露骨にがっかりしていた(主にレーヴァ)。

...二人の好きなようにされて堪るか、と言ったところだ。

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