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境界の物語  作者: ∀・1
αストーリア
18/92

アストラル・デスティニア

「...いえ、僕は遠慮しときます」

...だけども、僕はその申し出を断った。理由?そんなもの簡単だ。これに乗ってしまえば、十中八九シンにこれを利用されるから。そして、がめついと思われることを避けるための二つだ。


ただ、その言葉が意外だったのか僕以外の者は眉尻を上げる。

その目が僕には痛く、<結果実行ジェリド>を15分程度走った結果で発動させる。

皆から逃げる様に使ったけども、何とか逃げられただろうか...?

そう思いながら後ろを振り返ると。

「...どうもー!はは、ついて来ちゃいましたっ!」

そこには、エミリアがいた。

それを見た僕は驚きのあまり卒倒しかけたものの、無邪気に笑うエミリアに毒気を抜かれ、気付けば僕たちは剣と魔術で周りにいたゴブリンたちを殲滅し、一時絶滅状態にした。


ようやくついたシンとレーヴァさんは、近くにいたゴブリンたちが全滅させられているのを見て、卒倒しかけていた。

...結局、僕だけで716頭という夥しい数のゴブリンを倒していた様で、殺し過ぎだと怒られた。

因みに、僕よりは振るわないものの途中で僕と同じ魔術と剣のスタイルになったエミリア(529頭討伐)も同様に怒られている。シンとレーヴァさんに。



―――



「これだけやって、まだ足りないって言うのかい?ねえ、レイヴン?」

「...エミリア、一応あなたは私の護衛なんだからね?忘れたとは言わせないからさ、正直なとこ言ってみ?うん?」

「「...ごめんなさい」」

「「よろしい」」

僕とエミリアは、ようやく二人の叱責も終わりに近づいてきたと見えない様に安堵の溜息を吐く。

「「なんか、失礼なことを考えてないかな?」」

しまった。シンはなんとなく僕の心を読む力がある事を忘れていた。まずい。

ただし、それで僕が何かできるというわけでもなく―――。


「...ねえ、レイヴァ(・・・・)。反省していないようだから、僕の魔術を利用した面白い罰を執行エグゼキュートしたいんだけど」

「ああ、いいねえ。じゃ、それはそこのエミリアとレイヴン君に執行エグゼキュートしよっか!」

...なんだか、二人の言葉がおかしい気がした。

そう思ってエミリアと顔を見合わせようとすると―――。


「...そっちみて、左目をくり貫いて欲しいんだ?分かったよ」

ぬっとあらわれたシンに左目をくり貫かれ、悶絶する。

「ま、こうなるよね。<時間遡行スリーパー・オン>」

と、何とかシンに直してもらえた。


「これに懲りたら、もう馬鹿な事はしないこと!いいね?」

「脅迫だ!訴えてやる!」

「...もう一回やろっか」

「...ナンデモナイデス」

言い返せないのがつらい。



―――



結局エミリアも右目をくり貫かれてシンに直された後、レーヴァ―――もうさん付けなんて御免だい!―――はこう口にした。

「...じゃあ、お礼として―――」

「...目をくり貫くの!?」

その言葉に恐れを抱いたエミリアがそう口にする。僕も慄きながらレーヴァを見る。

すると、つまらなそうに口をとがらせてレーヴァは言う。

「そんなことするわけないじゃないか。私はね、この四人で旅をしてみたいなー、って言おうと思ったんだよ」



―――



「「「...え?」」」

その言葉は、僕たちにとっては青天の霹靂だった。

貴女はホモ・サピエンス?と問いたくなるぐらいには、衝撃的なことだ。電流が走る、とはこのことだ。


「...だからさ、この4人で―――」

「「「それは聞いた」」」

「...じゃあ、ギルド制度は知ってる?」

「「「...?」」」

「...ダメだこりゃ」


何を言ってるのだろうか、この娘は。

そう思っていると、「...もう!」とじれたように言葉を吐き、僕たち3人を引っ張る。

そして、先程も見た受付の老紳士の許へ行くと、こう言った。

「この3人とギルドを作りたいんですけど!」


「...畏まりました」

畏まらないでほしかったけども、畏まってしまったその受付さんは、僕たちにこういう。

「...孫娘を頼んだぞ」と、その一言を。

それに疑問を覚えるよりも早く、「じゃ、名前は<アストラル《星の》・デスティニア《運命》>で宜しく!」とレーヴァが強引に事を進め、結局行きずりの形で僕たちは運命共同体となった。

...デスティニアなんて、なんて大層な名前を付けてくれたんだ。

そう思いつつも、僕はのんびりと行きたいと思った。


...エミリアがおとなしくしないだろうから、無理な話かもしれないけど。

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