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目標は1カ月!

ラカナティンさんに言われて、クララニーナをこれ以上責めるなと、忠告していると感じて俺は話題を変えることにした。


「渉、大事なことだ。これからなんだが」


「当面の目的か?」


「一か月だ。一か月で戻るぞ!」


俺は言い切った。


「むう、焦り過ぎじゃないのか? 観光をするつもりはないが、準備期間が短すぎないか?」


「今日が三月一日だ。四月一日にはラキや仁美の入学式だ。それまでに戻らなかったら、ラキの奴は休学届を出してでも俺を探すはずだ。さっきも言ったが探しても何やっても向こうじゃ全部無駄になっちまう。こちらの都合は関係ない」


ラキ、桒原幸子、幸を英訳してラッキー→ラキと言う愛称で同級生に呼ばれている俺の恋人だ。

ちなみにセクロスもする関係まで進んでいる。

リア充と呼ぶなら呼べ。


「悲壮だな。わかる理屈だが」


「渉ぅ、お前も悠長に構えてる場合じゃないぞ。仁美の奴をお前にくっつけるのに俺とラキどれだけ苦労したか忘れてねえだろうな?」


泉仁美、三島渉の恋人だ。

渉の片思いを俺とラキとを加えて、苦労に苦労を重ね、去年の夏にやっとゴールインさせた。


「そ、それを言われると」


「分かってるだろうな? 仁美って女が最初誰に懸想してモーション掛けてたのか。処女じゃなくなったレズは怖えーぞ? 歯止め効かねーぞ?」


仁美はラキと同じバスケット部員だった。

仁美はラキがバスケ部にいるため入部した形跡があり、2年に上がった段階でラキへのモーションが過激になり始めた。

ラキが俺になびいてきたのも、その対応を相談されるようになったからだ。

一概に仁美を排除しようとは思わなかったが、丁度、その頃、渉が仁美に懸想したとか言い出したので、渡りに船と渉の奴を仁美にくっつけようとラキと思案を重ねながら俺たちの方は親密度を増していったのだった。


「うおおお、一か月だ! 確かに一か月以上はマズイ! あいつらが同時に休学届とか出したりしたら取り返しがつかん!」


「ああ、うん、なんか切羽詰まってるねえ? でもねぇ、魔王城まで連れて行ったら身の保証まではするけど、異世界までの帰還までは保証できないわねぇ。第一デモンポリスにだって、そんな技術があるかどうか」


メラカナティンが心配してくれている。


「第一デモンポリス…… さっきは第五デモンポリスって言ってましたね。そんなにポリスの数が多いんですか?」


「魔王城があるのが第一デモンポリス。第三、第四は勇者に壊滅状態にされちゃって、今は第一、第二デモンポリスが最前線かな。第五デモンポリスは対勇者、対人間用に新開発されてるけど、難民収容施設と要塞が結合した急造状態で生活インフラとかまだまだ全然整っちゃいない状態だね」


「都市二つを壊滅させるて……どんだけのデストロイなんだ勇者」


「それは既に勇者じゃねえな。テロリストだろ。加減なんかしねえで柄じゃなくで刃で切りつけときゃ良かったぜ」


「その杖なら止めさせてたよなあ」


「……それ、おかしいです。その杖、『癒しの杖』なんですよ。何であんな攻撃魔法が出せるんですか?」


口を閉じていたクララニーナがまたじゃべりはじめたが、口調はさっきより重かった。


「知るか! こいつが何か出してくれってビリビリしてるから、ちょっとスイッチ入れてやっただけだ」


「お前さ、凶器渡したら急にスキルアップすることあるよな」


渉がジト目で俺を見ながら言う。


「俺ってタッパもリーチも短いから、これを補うものがあると、ついついテンション上がるんだよなあ」


先にも述べたが俺の身長は159センチだ。

あと1センチという実に惜しい159センチだ。

ちなみに俺の彼女のラキは172センチだ。

恐ろしいことに高3になってから2センチ伸びてやがる。

体重は教えてくれないし、俺も聞かない。

すごく気になるが聞かないことにしていた。

身長は伸びていない俺だが体重は増え続けている。

現在は60kg~62kgの間で体脂肪は10%以下をキープしている。

はっきり言ってマッチョだ。

デブではないのだ。決して。


対して三島渉の身長は191センチ、半年前にボクシング部を引退してからはわずかに身長が伸びたそうだ。

体重に関しては、こいつの場合かなり増減が激しい。

プロテイン摂取やウェイトトレーニングのメニュー次第で、週単位で数キロ違っての80

㎏前後らしい。

昨日まではそれらのデータを集めて統計化するのが趣味だと言っていた。


そんな身体状況を思い返していると何やら前方を横切るモノがあった。


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