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二十二話 戦闘開始!

 すぐ近くの茂みから、灰色の物体が飛び出してきた。

 俺の目の前を通りすぎる一瞬、ウルフの姿が見えた。

 予想していた通り、既に周囲に潜んでいたようだ。

 通り過ぎたウルフは、俺の左にいたリリアに襲い掛かった。


「きゃあっ!」

「リリアさん!」


 ウルフの攻撃をなんとか避けたリリアが、態勢を崩して倒れ込みそうになる。

 リリアを挟んで反対側にいたイリスが、リリアを受け止めていた。

 それを見た俺とラプスウェルはすぐに戦闘態勢に移る。

 ラプスウェルが正面に剣を構える動作をすると、深紅に染まった大剣が一瞬で現れた。

 本当にラプスウェルと同じくらいの大きさで、赤黒い色、とても禍々しいデザインだった。

 が、彼女とその立ち振る舞いにはとても良く似合っていた。


 そしてルクシアを見ると既に短剣を構えて、リリアを襲ったウルフと対峙していた。

 こちらの事もしっかり気にしているのか、俺たちに情報を伝えてくる。


「おくのほう、四匹、いる」


 ルクシアは他のウルフの存在も気付いているようだ。

 俺はルクシアに返事をして、立ち上がったリリアにも確認する。


「分かった、リリアも問題ないか?」

「はい、大丈夫です!」


 リリアは元気に返事をすると、すぐに弓を構えた。

 ルクシアが言うには、ウルフは前方に固まっているらしい。

 俺たちは円形に固まった状態から、元々考えていた前衛と後衛の編成に組みなおす。

 そして俺はすぐにフォロー出来る位置、離れすぎない程度に後ろに下がる。


「準備はいいな、作戦通りじっくりいこう」

「わかってるわ。前に出過ぎないように、だったわね」

「私は牽制するだけ、余裕があれば誘い込む、ですね」

「だいじょうぶ」

「そうね、上手く出来るといいんだけど」


 みんな自分の作戦を再確認して、改めてウルフへと意識を向けている。

 そして俺たちが作戦通り『待って』いると、最初に襲い掛かってきたウルフ以外にも姿を見せ始める。

 ルクシアの言った数、奥から四匹。

 合計で五匹の群れか。

 

 森の中で姿を隠すアドバンテージを捨てたウルフたちは、ジリジリと広がりながら俺たちを包囲しようとする。

 それを咎めるようにリリアは、右端のウルフへと矢を放つ。


 矢を避けたウルフが、避けた勢いのままに走りだした。

 他のウルフたちもそれに続いて動きだした。


「来るわ!」

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