帳場
警察に第一報が入ったのは午前2時も過ぎた丑三つ時。
路上に血を出した人が倒れていると通報が入り、近くの西成警察署から警官が確認に行くと。
「射殺死体と思われます、直ぐに鑑識を!」
合わせて非常線も貼り、自動車警ら隊も周辺を捜査するも手掛かりは見つからなかった。
翌日になって西成警察署に事件の捜査本部が立つと、大阪府警本部から一課の刑事が応援に入る。
そこでやっと事件の捜査会議が始まった。
西成警察署の所長からの訓示が終わると、大阪府警から来たキャリアが会議を進行する。
「今回の被害者の身元は?」
そう問われた捜査員が。
「在日韓国人の3世で名前は、金、年齢は40歳、職業は飲食店経営…ですが在日韓国人達で作る半グレ集団に所属しています」
そこまで聞いていたキャリアが頷くと、次に鑑識課っと発言を求める。
「銃創は2箇所で体内に残っていた弾丸から、7・62ミリトカレフ弾と思われる弾頭が見つかりました」
現在調査中でありますと発言をすると席に戻った。
それを確認してからキャリアが今後の操作方針を指示する。
「全体を三グループに分ける」
被害者の当日の足取り。
現場付近の聞き込み。
被害者の家の家宅捜査。
当日の足取りと付近の聞き込みは直ぐに始まったが、家宅捜査は捜査礼状待ちで出遅れた。
家宅捜査班が被害者の住む府営住宅に着いたのは午後を過ぎていた。
管理会社の立ち会いの元、鍵を開けようとした時に、ドアノブを握ると抵抗無く回った。
「鍵が…開いている」
次の瞬間に家宅捜査班は、目で合図を送るとドアを開けて中に突入した。
一歩中に踏み込んで見た光景は、荒らされた後の光景。
まるで泥棒が入った後の様に、引き出しは全て引き抜かれて裏まで改められ。
箪笥や押し入れなど、開けれる物は全て開けられていた。
「中に入るな!鑑識を呼べ!」
捜査員達が入れたのはそれから数時間後、鑑識が床に散らばった物をナンバーリングして写真を撮った後になる。