表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/19

侵入

 免許証の住所には古びた5階建ての府営住宅が何棟か建っていた。


 一階の集合ポストの名前を確認すると302号室に免許証と同じ名前がある。


 エレベーターの無い、古い府営住宅の階段を登りながらトカレフのスライドを引いた。


 ジャコッっと乾いた音と共に7・62ミリのトカレフ弾が薬室(チェンバー)に吸い込まれる。

 

 そのまま右手にトカレフを握ると人差し指をトリガーガードに掛ける。


 トカレフには安全装置(セフティ)は無い、同年代に作られたコルトM1911A1などは握らないと解除し無いグリップセフティと親指で操作するサムセフティの二段構えなのに対し、出来る事はトリガーガードに指を掛けるか撃鉄(ハンマー)をハーフコックにするしか無い。


 左手で鍵束を取り出してシリンダー錠に入れると滑るように入った、そのまま鍵を解除してゆっくりとドアノブを回す。


 中は暗い、そのまま身体を入れるとドアを閉めてロックを掛ける。


 暫くそのままで聴き耳を立てる、音や気配が無いか充分確認してからドアチェーンを掛けて中に入った。


 靴を履いたまま部屋の中に入る、玄関を過ぎるとすぐにトイレと風呂場、続いて台所だ。


 六畳の洋室にベットや机、四畳半の和室に箪笥が置いてあった。


 風呂場やトイレ、箪笥や押し入れの全ての扉を開けて無人を確認してからトカレフをハーフコックにしてベルトに挟んだ。


 机の引き出しを下から次々と開けて行く。


 開けたらそのままに上まで来ると1番上の引き出しには鍵が掛かっていた。


 再び鍵束を取り出すと1番小さい鍵が合いそうだ。


 鍵を解除して中を見るとトカレフの弾の箱数個と共に銀行の通帳とキャッシュカードが4桁の数字を書いたメモと共に出て来た。


 通帳を開いて残高を確認すると300万近く残金が残っている。


 男は頬を上げてニヤリとするとどうやって預金を引き出すか考え始めた。

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ