拾得
勢いで書いちゃいました
12月に入って寒さが増してきた。
ダンボールで作った寝床に毛布を持ち込んでも身体がガタガタ震えてくる。
イボ付き軍手を手に嵌めて脇の下に挟みながら寒さに耐えて居ると、男の怒鳴り声が聴こえて来た。
日本語では無い…耳を傾けて聞くと中国語と韓国語が激しく言い争いながら近づいて来る。
西成、あいりん地区と言われるこの辺は深夜になると人通りがまばらになるのだが、24時間スーパー玉出の周りは外国からの出稼ぎ労働者や長期旅行者がチラホラと姿を見せる。
閉鎖されたあいりんセンター前で寝ていた男は、近付いて来る外国人の喧嘩に巻き込まれ無い様に、息を殺してやり過ごしていた。
その時、いきなり破裂音が響いた!
タン!タン!タン!
爆竹の音と似た…もっと大きくした音。
(まさか!銃声か?)
息を殺して身を潜めて居ると中国語の怒鳴り声と共に走り去る足音が遠ざかって行った。
暫くしてからダンボールの隙間から外を見ると見知らぬ男が倒れている。
胸から血を流してうつ伏せに倒れて居る外国人と見られる男。
その男の側にはセカンドバックと…黒い拳銃が血に汚れて落ちている。
ホームレスはダンボールから這い出すとセカンドバックと拳銃を拾う。
持っていたショッピングバックに入れると血を避けながらポケットなどを漁り出した。
飛び出しナイフと煙草とライターを見つけるとそれもショッピングバックに入れてから、ホームレスは夜の闇に消えて行った。
少しずつ書いていきます