美人女怪盗 不細工女怪盗 普通女怪盗
不埒な女盗賊を捕まえて、折檻部屋で好き放題したい。そしていつの間にかお互い好きになっていて、折檻デートを重ねた末にゴールインしたい。
あるところに、女怪盗三姉妹がおりました。
長女は誰しもが羨む美貌の持ち主、次女は誰しもが哀れむ美貌の持ち主、三女は誰しもが忘却する美貌の持ち主でした。
ある日、三姉妹はお金持ちで有名な屋敷に泥棒を企みました。
「先ずは私が行くわ」
長女はキャットスーツに身を包み、やたらとデカ胸を強調させて金持ち屋敷へと侵入しました。
赤外線センサーや軍用犬、監視カメラに、僅かな振動も感知する装置すらも突破し、ついに、お宝の目の前にやって来ました。
──ズボッ!
「!?」
しかし、長女は最後の最後で落とし穴にハマりました。屋敷の中に何故か落とし穴が作ってあったのです。
「最先端のハイテク機器の後にクソアナログな罠があるとは思うまい……(笑)」
長女は必死で逃げましたが、屋敷の主人に顔を見られてしまっているので、すぐに捕まりました。
「美人でクソ乳デカの怪盗女だ!」
誰しもが羨む美貌が仇になったのです。
「お姉様の仇を討つわ!」
次女が屋敷へと向かいました。護衛に紛れ、お宝を狙ったのです。
管制室で最先端ハイテク機器の主電源を切り、長女から聞いていた落とし穴も回避しました。
「いただきよ!」
──パーン!
次女がお目当てのティアラを持ち上げると、台座が激しく爆発し、次女は生クリームだらけになりました。
「ぬはははは! ティアラの重しが無くなると爆発する仕組みじゃい!」
屋敷の主人に見付かった次女は、慌てて逃げ出しましたが、すぐに捕まりました。
「ビックリするぐらいのドブス女怪盗じゃ!」
誰しもが哀れむ不細工が仇となったのです。
「お姉様方の無念を晴らす!」
三女が屋敷へと向かいました。屋敷は二度に渡る侵入で、セキュリティが更に強固な物になっておりました。
──ピンポーン!
三女はインターフォンを鳴らし、屋敷の主人に会いに行きました。
「隣に越してきた者です。つまらぬ物ですがどうぞ……」
「これはこれは御丁寧にどうも」
三女は屋敷の隣へと引っ越し、時間を掛けて主人と仲良くなろうとしました。
そして、三女は屋敷に自由に出入り出来るほど親密な関係になりました。
「ビックリするくらい普通の子なんだけど、逆にそれが良いって言うか……ね?」
真夜中に出入りしても怪しまれず、宝石をとろうと思えば手が届く距離の三女は、それでも盗みを起こさず、やがて屋敷の主人と結婚致しました。
「これで屋敷の財宝は私の物♪」
三女は犯罪を起こすことなく、巨万の富を得ました。