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ギャンブル作品が書きたく、まだ作家として未熟で拙い作品とは思いますが第一話を書かせていただきました。どのような内容でも評価がとてもうれしいです。練習作品として暖かい目で見て、そして酷評していただけるとうれしいです。

「あなたの七万ドル、没収させていただきますね。」

そういって燕尾服の青年は金を回収しにかかる。



彼の名前はギル。カジノでディーラーをする青年だ。今日はサーシャという方とリンという方とのポーカーを司り、彼の進行のもとにリンの大勝利に終わった。

ギルは回収を続ける。

―サーシャの顔がやけに自慢に満ちているが、まだ資金があるのかもしれない。一応確認しておくに越したことはないだろう。


「よろしいでしょうか?これにてこのポーカーは終了となりますが。」

ギルはそそくさとサーシャからチップをかき集める。

すると、

「ねえあなた?」

とサーシャが声を出した。俺ではなく賭けの相手に話しかけているようだ。

「なにかしら。」

リンは冷静に答える。


「イカサマをしておいでですね?ディーラーとグルなのでしょう?」

そういうサーシャの目には動揺が見てとれる。

負けるのが嫌でサーシャはいちゃもんをつけにかかったようだ。

ギルは冷静に対処することにした。



「なにをおっしゃいますか、私はこのカジノ直属のものでございます。そのようなことは決してございません。なんなら一階にあるマスターのところのボードを確認しに行きますか?きっと敗けを認めることになりますよ、サーシャ様。」

言いながら回収を続ける。


ーくそ…さっさと負けろ…!!!



はっきり言ってどの財閥の嬢ちゃんだか知らんがこのサーシャとか言う小娘はバカだ。

まずひとつは賭けの相手がマフィアの一人だと言うことに気づいていないこと。賭けに慣れてて勝って当然。このカジノではかなりの勝ち星をあげてる。しかも負けたら負けたで相手を殺す。詰んでるのだ。だからこの相手には素直に負けとくが吉。なのにふっかけるとは気でも狂ったとしか思えない。

そしてふたつ。ギルがわりと腕の良いディーラーだと言うことを知らない点。良くも悪くもカジノのトランプなんてものはディーラー次第である。イカサマがうまいディーラーに喧嘩を売るのは得策とは言えないのは言うまでもないだろう。このあとサーシャはこのカジノじゃあまともなトランプはできない。まずそもそもにしてギルは何度かサーシャによくなるようにむしろイカサマをしてやっている。あまりにかわいそうなくらい負けるもんだからつい、だ。マフィアにばれるとヤバイがまあそこはギルの腕がそうはさせない。


―まったく。バカの相手も疲れるぜ。せめて目の前で銃殺されるのだけは勘弁してくれよ…


そうギルが思った矢先である。マフィアであるリンは驚きの返答をした。

「あらぁ?よくわかったじゃないの。誉めてあげるわ。そのとおり。こいつはうちの直属の部下よ。気づいたからにはあの世へ行きなっさーい!」

座ったたまま話しながら、彼女は、

ピュンッ

サイレンサー付のハンドガンを造作もなく取りだし

そして瞬時に発砲し、

辺りに血が飛び散らせる。

驚きの速さだ。



まわりの客が嫌そうな顔をするなかギルは落ち着いている。




―殺されるのなど日常茶飯事

周りの客はみんなルーキーか…この世界甘く見すぎだろ…


彼は小さい頃から殺されることは見慣れている。

目新しくもなんともない。最初見たときはギルも多少はうろたえたものだが今となっては処理の面倒さの方が先にたつ。


「……リン様、七万ドルをどうぞ。」

面倒と思いつつもギルは静かに金をスライドさせた。


リンがスライドさせられた金をとって俺が死体処理して…あとは…



静かにしているがギルの心の中は穏やかではない。

―さっきの嘘は必要だったのだろうか…



このカジノのディーラーはすべてマスターの直属である。明らかにリンのギルが彼女とグルだという発言についてあとでマスターからおとがめを食らうのはまちがいない。やめてほしい限りだ。彼女は下手をすればクビに繋がる重大な案件になりかねないことを言ってしまったのだ。



ー余計なことをしてくれたな小娘…!!!ふざっけんじゃねえ下手すりゃクビだわ!!!



ギルは心のなかで毒づく。



そうしているとリンは

「金など要らぬー。置いておけ。」

そういって金の受け取りを却下した。ちなみにこれは珍しいことではない。欲しがらないのが上流階級、ということだろう。所詮血にまみれたたかが七万ドル、である。



「了解しました。では場の片付けに入らせていただきます。お帰りはそこにいるボーイが出口まで案内しますので…」


「何をいっているのだディーラーぁ?。お前も来るのだ。」

リンが迫る。


「え、いや、しかし、私は場の片付けがありまして…」


「ふん。そんなものファックユーと言わせてもらうね。お前は直属の部下だ。今度のWPC、いっしょに出てもらうのだぞ?こんなところで片付けなどしている場合か、アホ。」



これにはさすがのギルもついていけない

―いやまてわけがわからん。まずWPCってなに。その前に俺部下?え、さっきの設定どこまで持っていくつもりなの?え?バカじゃんこいつ、あとは俺に任せて帰れよ!!!!さすがにその設定は捨てて帰ってください!俺が後処理しますから!


怒りが先導するがまずここは心を落ち着けて、ギルは返答する。

「リン様、さっきの発言でしたら私が対処しておきますよ。虚言などこのような場ではありふれたことにございます。」


―さすがにこのマフィアもわかってくれたに違いない。

ギルは心のなかでほくそ笑んだが



「何を言っておるのだぁ?虚言など私は言わない。お前は私の直属だ。早く来ーるーのーだー。」


そういって強情に引っ張られる。


「いえ、その設定でしたら…」



「だから、設定などではない!わからない奴だ。お前のイカサマはなかなかのものだった。だから私が見込んでやったのだ。そのくらいすぐ飲み込めないとファッキン!って感じだぞ??いいから来い!」

左手で中指をたてながら右手でギルを引っ張る。


ギルは焦る。

ーまてまてついてけない!この状況マジでヤバイ!マフィアにば れてる!!これ殺される奴だ!WPCとかよくわからない設定つけ てつれていって殺す奴だ!口調はふざけた感じだしファッキンの 使い方間違ってるけどこれはまずい!

ここは平謝り以外に選択の余地はない。


迅速にギルは謝る体制に入る。


「すみませんでしたリン様。どうかお許しを。本当にご無礼をはたらきを…」

ギルは顔をおろし続けるが、、



「だから見込んでるといっておろうが!私は嘘などつかぬ!安心しろ!」

リンは笑顔でこちらに寄ってくる



―え、まって。これマジな奴だ。今度は違う方向にマジな奴だ。


「え、というのは???」



「よろしくな!名前はなんといったか?」


「ギルでございます」

まってまずこちらに質問をさせてくれ



「そうかギルか。WPC、頑張ろうな!」



「あ、え…」


―このリンというマフィアの笑顔がとてもかわいいことがわかった。というかそれしかわからない。困惑の二文字しか来ない。




「リン様、状況が飲み込めませんがとりあえず私を部下にしたい、ということでよろしいでしょうか?」


「よろしいなぁ。」


「では、いくつか質問をさせてくださいませ。」


「よろしいなぁ?」


「まずはえっと、ここのオーナーに話をつけなければいけません」


「あーそれなら殺しておくから無用じゃなぁ?」

―まじか…

「ではもうひとつ。」



「WPCとはなんでしょう?」


「あぁ、それならあとで説明する。ギャンブルのなんかチャンピオンシップ的な?あれじゃ。」


なんの答えにもなっていないことに気づいていないのだろうか。リンはギャンブルに関する、ということしか説明していない。基本自分にそれ以外の使い道を見いだす方がまれというものだろう。でもまず事情は何となく飲み込めた。


ギルは少し思考を巡らす。


このマフィアについていけばたぶん簡単には戻ってはこれないが、別に戻ってきたい場所ではない。もともと捨て子の自分を拾って育ててくれた感謝以外の感謝は存在しないし、はっきり言ってディーラー生活はもとがとれない。


自分としてはこのしがないディーラー生活から脱出できるし基本的に蹴る理由はない。願ったりかなったりだ。よくわからんが殺されないならいいか。とりあえずこの話は受けたほうがいい、、か。




ギルは決心した。


「了解しました。では条件を飲ませていただきます。お願い致します、リン様。」

恐る恐る言葉を紡ぐ。


「おう、よろしくな!」


そういって陽気にリンはギルを引っ張る。



「え、、ちょっ!」


ここからが何かよくわからんが新たなストーリーの始まりらしい。やばそうだし訳がわからないし話についていけていない。



―楽しきゃいいんだけどなぁ


トランプには自信があるが…展開早すぎやしないか…


ギルには構わずリンは進む。



ギルはカジノの外に出たところで空を見上げ頭を掻く。


WPCが、どれ程恐ろしいものか、彼はまだ知らない。知るはずもない。このあとどれ程後悔するか、まだ気づいていない。



ーーー命を懸けたギャンブルが、始まるーーー



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