感想をいただくために作家ができることは何か?
初めまして。ベネ・水代と申します。
先日、とある「なろう」出身プロ作家さんと雑談する機会がありました。その際に「ランキングトップ10に載るような人気作であっても、評価したり感想を書いてくださる読者は10人に1人程度」と教えていただきました。
別の方(※)もエッセイ中で同様の指摘をされ、またその根拠も解説されており、「たしかに現状は感想・評価をいただきにくい仕組みだな」と納得させられました。
※いかぽん様によるエッセイ「『小説家になろう』にテンプレ作品ばかりを溢れさせているのは、作者ではない、読者だ」 http://ncode.syosetu.com/n7543cx/
「なろう」に登録して日の浅い私では、システム面での改善案がポンと出てきませんが、少なくとも現在の感想フォームにある「良い点」「悪い点」「一言コメント」の3項目を前にして首をひねったのは事実です。
私見ですが、読者が作家に感想を伝えづらい理由としては、下記の2点が大きいのではないかと考えています。
(1)何をどう書いて良いのか分からない。
(2)親しくない関係なのに感想を書くのは勇気が必要。
この2点に対し、現状のシステム下で作家側ができることは何かないだろうかと考えました。
まず考えついたのは、「自分なら何を中心に評価・感想をもらえたら嬉しいか」を明確に示すことです。私個人の例であれば、感想フォームの3つの枠に下記のような内容を書いていただければ大変嬉しいと感じます。
【良い点】
・気に入った登場人物
・印象に残ったシーンやセリフ
・ストーリー展開や世界観、設定などで気に入ったところ
【悪い点】
・誤字脱字、言葉使いがおかしいなどの文法的な指摘
・ストーリー展開に無理があったり、起伏やスピード感が足りないなどの指摘、(キャラクター名)のこの言動が妙に感じたなど違和感を覚えた点
【一言コメント】
・今後○○がどう活躍するか/XXの秘密が気になる、等の「何が楽しみと感じるか」
・「全体としてこんな印象/イメージを持った」「読後の気分はこうだった」など(抽象的で構わない)
このように「作家としてはどこを見てほしいか」を明確にしておけば、感想を記入する側も少し敷居が低くなるのではないかと考えます。何をどう書けば良いのか分からず、最初の1文字で躊躇する読者さんは決して少なくないでしょうから。
一方で作家側も、気に入った他者の作品には積極的に感想を書くことが望ましいと感じます。特に自分の作品が「一定のPV数があるのに評価も感想もいただけない」状態であれば、できるだけ自分からアクションを起こすべきではないでしょうか。
身も蓋もない言い方をすれば、現状ではランキングなり「新着・完結済み」などでトップページに載らなければ、たとえ同ジャンルであってもお互いの存在を知るチャンスがほとんどありません。何かの拍子に「おっ」と思った作品があれば、簡略でも感想を伝えれば相手に自分を認識してもらえます。自分の作品をより多くの人に読んでいただくには、まず自分の存在を知ってもらう必要があるのです。
**12/28追記**
なお、幸いにも作品に感想をいただけたなら、その感想に対する返信も忘れないようにしたいものです。読者さんも時間を掛けて読んでくださり、コミュニケーションを求めて手を伸ばしてくれたのですから、できるかぎり手を握り返しましょう。
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ランキング上位に君臨し続けるような大人気作品であれば、一人ひとりに返信するのは難しいといった問題もあると思いますが、それはそうなった時に考えれば良い話でしょう。
私も、気になる作品を読んだら評価・感想を書くようにしています。時間的制約もあってなかなか数をこなせませんが、まずは一つずつ地道に行動していくしかないだろうなと感じています。