北極で燃える
応援を呼んで、防護服を着て火炎放射機を持ったシロクマ達は、50人程になり、サイトウの後を追った。
「こ、これは酷い!!」
シロクマ達は絶句した。進めば進むほど、街中は倒れているミドリクマだらけになっていた。
「あのコケ野郎、どこへ行きやがった。」
「どうやら、教会にいるっぽいぞ。」
シロクマ達は、教会に続いているサイトウの足跡を見つけた。
サイトウは、街中のシロクマ達を触りまくりながら、走ったり歩いたりしながら進んでいると、大きな十字架がついているカマクラを見つけた。
サイトウ「もしかして、教会?」
サイトウは中に入ると、多くの修道士と思われるシロクマ達が、巨大なパンダが描かれた肖像画に祈りを捧げていた。
サイトウ「教会は、全宇宙共通?いや、全次元共通か。」
教会にいるシロクマ達は、コケ人間サイトウを見て、悲鳴をあげたり、逃げ出したりした。
「あ、悪魔の使いだ!!」
「来ないで!!」
「世界の終わりだ!!世界が滅びるんだ!!」
サイトウは、近くで怯えているオスのシロクマ修道士に尋ねた。
サイトウ「触られたくなければ答えろ!!なぜ、あの肖像画に祈りを?」
シロクマ修道士「あれは、光と闇の心を持つ神様と言い伝えられています。我々は、光の白の部分しかありませんが、生き物の命を奪って生きております、黒の部分を隠しているのです、しかし、神様は黒の部分を晒けだして、見事に光と闇のバランスを保っています。だから、我々は神様に祈るのです。」
サイトウ(よく分からんが、パンダが神みたいだな。)
サイトウ「俺は下に降りたい、ここから地上に降ろしてくれ。」
シロクマ修道士「わ、分かりました、私のカマクラで降ろしてあげましょう、ついてきて下さい。」
そのとき、武装したシロクマ達が教会の中に入って来た。リーダーと思われる一人のオスのシロクマが言った。
「そこまでだ、このコケ野郎!!みんな、一斉放射だ!!」
サイトウ「待て待て!!そんなことしたら、教会の人達も燃えてしまうぞ!!」
しかし、シロクマ達はサイトウの言葉には耳をかさず、火炎を放射した。
サイトウ「ぎゃああああ!!こいつら、仲間もろとも。この辺は地球人とは感覚がちがう!!」
サイトウと何人かの修道士達は、火炎を食らい燃え始めた。武装したシロクマ達は、容赦なく火炎放射を続けた。
サイトウ「もうダメだ!!終った、ぎゃああああ!!」
サイトウと修道士達は燃やされて、骨になった。