北極にて・・・・
サイトウは、体の内部までコケや藻だらけになり、体が重く、歩くのがかなり辛くなった。生首を見た後と言うこともあり、サイトウは、近くのカマクラとカマクラの間に身を隠して、氷の上に座りたくないので中腰で休憩をすることにした。道を行き交うシロクマ達の会話が聞こえてきた。
「新しくできたレストランに行ったらよ、人間の脳みそのソテーが出てきてよ、食べたら意外とうまかったぜ。」
「まじか、人間の脳みそは取扱い禁止だったろ、高く売れるらしいから。」
「人間が大漁に獲れたから、しばらくの間だけ食料としても取扱っていいことになったらしいぜ。」
「そういえば、宇宙藻で3人ぐらい死んだらしいな。」
「ああ、ここの星の人間から感染したらしいぞ。」
「まじか、他に感染してる奴がいるんじゃないのか?」
「たぶん、それは大丈夫らしいぞ、全部この星に捨てたらしいから。」
「そうか。」
サイトウは足が痛くなり、立ち上がろうとしたが足が痺れて倒れた。
シロクマ達「ん?何かいるぞ、こ、こいつはコケ人間だ!!」
「ほんどだ、このコケぐあい、こいつはコケ人間の王だ!!」
「生きてるのが不思議すぎる!!こいつはヤバイ、隊長を呼んで来い!!」
サイトウは這うように、ほふく前進で逃げた。
シロクマ達「待て!!逃げるな!!」
「おい待て、触るな!!感染するぞ!!」
「隊長、こっちです!!」
シロクマ隊長「よし、このコケ野郎!!この火炎放射機で燃やしてやる!!食らえ!!」
サイトウ(ヤバい、殺される!!)
サイトウは、足が痺れながらもなんとか立ち上がり、よろめきながら逃げた。
シロクマ隊長「このコケ野郎!!ちょこまかと逃げやがって!!」
会話で夢中になっている2人組のシロクマ達の背中を、サイトウは逃げながら触った。シロクマ達は、あっという間にミドリクマになり倒れた。
シロクマ隊長「あっこのコケ野郎!!逃げながら感染させてやがる!!おい、お前らも火炎放射機を持って、応援を呼んで来い!!あと、防護服を着て来い!!」
サイトウの足の痺れはなくなり、普通に走れるようになった。しかし、普段から走っていないサイトウはバテて歩き始めた。追いかけてきたシロクマ隊長は、急に歩き始めたサイトウにぶつかりそうになり、慌てて横っ跳びをしたが、跳びすぎてカマクラに思いっきり頭をぶつけて気絶した。
サイトウ「おっラッキー!!」
サイトウは、倒れているシロクマ隊長を触り、火炎放射機を取った。
その様子を見ていた周りのシロクマ達は、サイトウを見て逃げ始めた。
サイトウ「よし、こうなったら、ここのシロクマを全員ミドリクマにしてやる!!」
サイトウは、火炎放射機を持って、シロクマ達を追いかけ始めた。
防護服を着て、火炎放射機を持ったシロクマ達は、ミドリクマになり、倒れている隊長を見つけた。
シロクマ達「闘いの神と言われた隊長が、やられている!!」
「丸腰であの隊長を倒して、しかも火炎放射機を奪いとるとは。」
「あのコケ人間は、只者じゃない!!」
「もっと応援を呼んで来い!!」