北極なだけに
シロクマ達とサイトウは、お互いに驚いた。
シロクマ1「こ、こいつは皮膚病だ!!」
シロクマ2「確かに。こいつは皮膚病を極めてやがる!!この星の人間も、俺達と同じで、藻でミドリになるみたいだ!!こいつの皮膚病は、ハンパじゃねえ、隊長に報告だ!!」
シロクマ達は、神社の方向へ走って行った。
サイトウ(北極なだけに、シロクマのエイリアン?いやいや、実は着ぐるみで、中に人が入っているのかも。)
サイトウは、ココアを飲むのをやめ、ファミレスを出て、シロクマ達の走って行った方向へ歩き始めた。ファミレスでは、サイトウが座っていたテーブルと椅子から、ほんの少しだけコケや藻が生えてきていたが、サイトウは気付かなかった。神社を通りすぎ、少し行ったところで、国道で何人かのシロクマ達が、人間達を追いかけていた。空には、巨大なカマクラが何個も浮いており、そのカマクラから、透明のヒモでできた網が垂れ下がっていた。シロクマ達は、車に乗っている人間を引っ張り出して、無人になった車を持ち上げ、路肩に片っ端から捨てていった。そして、人間達を網の所まで追い込んで、網に掛けた。サンマの受網漁のような感じだった。網に掛けられた人間達は、引き揚げられてカマクラの中に引きづり込まれた。
勇敢にも、シロクマに向かって行く者もいたが、一撃で倒された。何人かの警官達が、シロクマに向かって銃を撃ったが、シロクマの毛に弾が引っ掛かって、シロクマ達には効かず、シロクマ達は大きな手で毛から弾を振り払って、警官達をぼこぼこに殴打し、網の中に放り込んだ。
サイトウ(まるで、映画みたいだ、まさか、こんな日が来るなんて。)
ボウッと歩道で突っ立って見ているサイトウに、逃げていた若い女がぶつかった。女はサイトウを見て、さらにパニクッた。
若い女「キャアアアア!!」
さらに、サイトウとぶつかったことにより、若い女にもコケや藻が顔や身体全体に生え、あっと言う間にコケ人間になってしまった。
サイトウから生えたコケや藻は、地球の環境が合ったのか、どんどんと進行具合が活発になりつつあった。サイトウが歩いた後にも、コケや藻が生えてきていた。若い女は、国道に出て逃げ迷い、いろんな人とぶつかった。そのぶつかった人からもコケや藻が生えて、多くのコケ人間が量産された。しかし、夜で暗かったためか、シロクマ達はコケ人間達の存在に気付かず、網に掛けてカマクラに引き揚げた。サイトウも、背後から移動してきたカマクラの網に引っ掛かり、多くの人間達とともに、カマクラに引き揚げられた。
網の中で、人間達は叫んだ。
「コケ人間がいるぞ、網を別にしてくれ!!」
サイトウ「大丈夫、あなたもコケ人間になってますよ。」