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北極が来る!!  作者: 明日こそはシンデレラ
2/10

北極は必ず来る

ドピーと最後に会ってから、1ヶ月ぐらい経った。サイトウが山仕事をしていると、どこからともなくドピーが、人間の若い女子を連れてやって来た。ドピーはサイトウの水筒のコップに、酒を注いだ。


ドピー「やあ、元気だったかい?紹介するよ、俺の彼女だ。」

サイトウ「か、彼女?」


ドピー「ああ、つい最近、出会い系サイトで知り合ったんだ。」

サイトウ「で、出会い系サイト?」


若い女子「はじめまして、マナと言います、よろしくお願いします。」


サイトウ「ああ、こちらこそ。」


ドピーの彼女は、20歳で身長160ぐらいのスリムで、金髪のショートカットの大学生だった。


サイトウ(こんな可愛い子を彼女にするなんて、ドピー、お前は凄い奴だ。)


サイトウ「ドピーは宇宙人だけど、大丈夫?」


マナ「全然大丈夫です、普段デートのときは、外人のモデルさんみたいになってくれるし、それに、UFO持ってるし。」


サイトウ「確かに。UFO持ってる人って、なかなかいないよね。」


マナ「そうなんですよ、UFOで宇宙をドライブデートしたら、もう、地球人とは付き合えませんよ。」


サイトウ(ドピー、それは反則だろ。)


サイトウ「ドピー、オシャレになったなあ。」


ドピーは、白のTシャツにデニムを履き、赤と黒のチェックのシャツを着ていた。


ドピー「マナにユニクロで買ってもらったんだ。」


サイトウ「ユニクロ・・・・。」


ドピー「サイトウさんも、いつも作業着ばかり着てないでオシャレしないと。だから、彼女ができないんだよ。今度、ユニクロに連れてってあげようか?」


サイトウ「いやいや、これは仕事中だけだから。ユニクロは一人でいくよ。」


サイトウは、ドピーとマナに、休憩中に食べようと思っていたオヤツ、キットカットをあげた。


マナ「わあ、まさか山でキットカットが食べれるなんて、思ってもなかった。」


ドピー「ありがとう、甘いな、これ。」


サイトウ「ドピー、"北極"は本当に来るのか?もう1ヶ月ぐらい経つぞ。」


ドピー「年内には絶対必ず来る!!酒は、まだ飲んでないよね?」


サイトウ「ああ、全く飲んでない。」


ドピー「それならオッケイ、"北極"が来たら、マナと協力してね。」

サイトウ「協力って、闘うってことなのか?」


ドピー「たぶん、そうなると思う。今のうちに、町を出るという方法もあるけど・・・・。」


サイトウ「この歳で、今さら他の町には住めないよ。彼女、どこか安全な星に連れてってやれば?彼女こそ、闘うことはないだろ?」


マナ「大学で単位取らないといけないんで。私、学校の先生になるのが夢なんです。」


ドピー「そうそう、高卒のサイトウさんとは違うんだよ。」


サイトウ「やかましいわ。」


ドピー「サイトウさんもマナも、常にあの酒を持っておかないといけないよ。"北極"は、いつ来るか分からないから。空が割れるんだ、少し寒いと思ったら、空を見上げて。

サイトウ「少し寒いったって、これから冬だしなあ。」


ドピー「じゃあね、また。」


そう言って、ドピーとマナは、今回は空豆を大きくしたような緑色のUFOに乗り込んで、空へ飛び立って行った。

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