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ウルフ・ストーリー  作者: たぬたろう
第一章古代種
3/8

第三話 冒険者組合

あらすじ

お家が骨に燃やされました

狼の魔物が居たから頭と胴体に分けてやったら配下の狼が仲間になった

魔王は恐れていた。

自分が存在するせいで戦争が起こってしまった事を。

勇者は嘆いていた。

自分の存在が欲深い人間に使われたことを。


魔王は言った。

「自分を殺して欲しい。」と。

勇者は言った。

「お前を殺しても人間の欲望は終わらない。」と。


二人は言葉でぶつかった。

そこに狼が来た。

人間にも魔物にも恐れられている狼が。

二人は狼の目を見た。


自分がこの世全ての悪として罪を受けると言っていた。


だから二人は動けなかった。

勇者の持っていた剣を奪い狼は走った。

魔王はこうして倒された。



□■□□■□



日が昇りってから森を離れて、日が落ちる位になった。

遠くに巨大な壁が見える。

ようやく少女の目的地についたのだ。

しかしそこは騒がしい。

カンカンと耳に響く嫌な音だ。

少女には聞こえていない。

けれどその騒がしさは少女の目にも見えていたようだ。


「街が騒がしいね?お祭りかな?」


壁に開いた穴から人間が出てくる気配がする。

敵意も感じる。

危険かもしれない。

しかし住処を無くしたなら人間は弱い。

群れていないとすぐ死ぬ。

危険かもしれないが行くしか無い。


「ほら行くよリュコス。」


少女が言っている言葉はわかるが・・・。

仕方がない。

行くしか無いだろう。


着いたは良いがやはりこれは敵意だ。

怯えに近い。

壁の穴の前に立つ人間は皆、人間の作った武器という物を持っている。

この程度なら簡単に殺せる。

少女も少し怯えているが大丈夫だろう。


「お、お前!そいつらはなんだ!特にそのデカい銀色の狼!!」

「ち、違います!私はフーリアの森に住むエルフです!」

「じゃあその後ろのサーペントウルフはなんだ!」

「この子達はリュコスの友達です!」


言い争いだろうか?

攻撃をしてくる事を警戒しないといけないかもしれないな。


「駄目だよリュコス。」


少し唸ったら少女に怒られた。


「リュコスお願い。」


少女が何を言いたいのかはわかった。

一声吠えると唸っていた魔物達が一列に並ぶ。

その光景を見ていた人間が安心したのか武器を下ろした。

その後少女と人間は何かを話し合い、魔物達を穴の横にある柵の中に待機させ街の中へと入った。

異様な光景だった。

木がなく、人間の住処が所狭しと並んでいる。

こんな環境の中で暮らせる人間に少し恐怖を覚えた。

遠くの方では血の匂いもする。

少女の指示に従い移動しながらも周囲を警戒する。

周りの人間が何かを言いながらこちらを見ているが無視をする。


ようやく少女の目的地についたのだろう。

大きな人間の住処に入ると武器を持った人間達で溢れていた。

ここでもざわざわと人間の目が集まるがそれも無視。

攻撃してくる奴が居ないとは言い切れない。

落ち着いて冷静に周りを見渡すがどれも敵ではないだろうがさすがにこの数は難しい。


「冒険者組合へようこそお嬢さん。ご依頼ですか?」

「いいえ。冒険者登録をしに来ました。」


また周りの人間がこちらに向かって何か言っているが攻撃してくる気配はない。


「お嬢さんじゃ難しいかもしれませんよ?どなたか保護者の方は?」

「居ません。ただ採取系のクエストをメインにやりたいのですが。」

「かしこまりました。そしたらこちらの用紙に記載を。文字は書けますか?」

「はい。大丈夫です。」


少女が人間から何かを受け取って板の方へ向かう。

その場で待てと言われたからそこに座り少女をじっと見ている。


「おう犬ころ。大人しいじゃねぇか。肉食うか?」


近くで何かを食べていた人間がこちらに肉を投げるが受け取ることはしない。

少女以外から渡された物は食べる気すら起こらない。


「ほう、良い犬じゃねぇか。」


何やら顔を歪めて楽しそうに言っているが関係ない。

じっと少女の方だけを見る。

さっき受け取っていた物を人間に渡して何か話している。


「それじゃあ登録料なんですが。」

「あのこれじゃダメですか?」


魔物が落としたキラキラ光る物を人間に渡している。


「これはゴブリンと・・・。えぇ!?ボーンウィーザードとサーペントウルフ・ロア!?」


周りがまたざわつきだした。

しかし敵意ではなくこれは困惑と疑惑。


「これどうやって手に入れたの!?」

「えっと・・・。私が襲われた時にリュコスが・・・この子なんですが、倒してくれて。」


優しく自分を撫でる少女。

心地いい・・・。


「これを倒せるなら採取じゃなくて討伐でも・・・。」

「魔物でも生きる目的以外で無闇に傷つけたくないんです。」

「じゃ、じゃあしょうが無いですね。それじゃあ採取系の方に登録しておきますね。」


辺りの人間から困惑など奇異な目で見られているのはわかる。

しかし敵意ではないのに少しだけ安堵した。

さすがにこの数は少女を守れる自信はない。


「あのどういう仕組なのか説明していただけますか?」

「はい、まず冒険者組合とは3つの組織の統括です。採取系専門の緑の採取者、運搬系専門の赤の旅団、戦闘系専門の黒の騎士団です。リコさんの所属は緑の採取者になります。まぁだからと言って他の運搬・戦闘系のクエストが受けられないわけではありませんが。クエストによってはそれぞれの組織じゃないと受けれない物があります。これは専用クエストと良い難易度が高いです。そしてランクですが。」

「あっはい。兄が冒険者なのでランクは知っています。」

「それではそこは大丈夫ですね。とは言え、このレベルのモンスターを討伐したとなるとリコさんはランク4、中級者から始める事になります。」

「はい、わかりました。」

「一応簡単な説明でしたが何か質問ございますか?」

「大丈夫です。」

「それでしたらまずそこの扉に入り、魔法の有無の確認をお願いします。まぁリコさんはエルフですので魔法は使えると思われますが。」

「わかりました。ありがとうございます。」

「それが終わりましたら係の指示に従って組合長に挨拶をお願いしますね。」


少女が人間から先ほどの白い物を受け取り

人間に言われ少女が壁を押すと小さな住処に入った。

そこには年寄りとその前に何か丸いものがある。

少女がなにやら年寄りと会話しているとその丸いものが輝きだした。

特に危険はなさそうだったが、一応は警戒していた。

そして何かを話し合った後、また人間から何かを受け取り別の壁を押し洞窟の道の様な場所に出た。

先ほどの場所とは違い人間は見えないが壁の方から気配がする。

少女はまた壁の前に立ち、壁を叩く。


「はいれ。」


声が聞こえてきた。

少女が「失礼します。」と言ってまた壁を押して小さい住処に入る。

そこには先ほどの人間達より少し太めの人間が座っていた。

少女がその人間の前に座ると、少女はは先ほど人間から受け取った白い物を手渡し、人間はそれを眺めてから少女の方を見る。


「ほう、採取系の新人か。あそこは人が少なかったから歓迎するよ。」

「はい。」

「それでなぜ採取系・・・と言うより冒険者をしようと思ったのかね?金かい?名声かい?」

「いいえ。住んでた家を魔物に焼かれて・・・。このままじゃ生きていくのも大変ですし、子供じゃ雇ってくれるとこもないですし。けど冒険者ならなんとか生活出来るだろうと思って。」

「確かに過去に犯罪を犯してなければ冒険者にはなれるが・・・。まぁこのご時世だ。しょうが無い事かもしれんが命を大事にクエストを受けるんだよ。そしたらこのタグを持って緑の採取者の責任者に会いたまえ。」

「はい。ありがとうございました。」

解説


壁に開いた穴:城門の事です。壁は城壁ですね。

冒険者組合:他のファンタジー小説でも存在するようにギルドです。ただ三種類の組織のをまとめる物として存在します。クエストは冒険者組合が受け付けをし、それぞれの組織に振り分けます。

何かを受け取る:書類です。

サーペントウルフ・ロア:ロアというのはその群れを率いるボスや特殊個体などです。ユニークモンスターってやつです。

魔法:この世界での魔法は四種類『白魔法』『黒魔法』『赤魔法』『召喚魔法』です。コレハFFノパクリデス。白・黒・赤は比較的多く一般的ですが召喚魔法はあまり人気の無い魔法となってます。

召喚魔法:生物と契約し、召喚したり意思疎通を行なったりする魔法です。主人が戦力として役に立たないと公言するような魔法なのであまり人気がありません。人間とも同意さえあれば契約で召喚できます。

タグ:ドックタグです。冒険者の所属する団の種類によって色分けされています。ランクはそのタグに記載され他にも魔法適正などが書かれています。



画像投稿するのってどうやるんだろうね?

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