表面張力
「マジうぜぇ」
聴こえてくる。届く、声。
まずは一滴。
「悩みなさそうでいいなぁ」
「彼氏が××で、それで、△△ってね……」
一滴、一滴。
「○○さんも、××××――」
「○○はさー……」
ぽたり、ぽたりと。
「××××××」
「△△△△」
「○○、××××――」
ぽた、ぽた、ぽた……。
あぁ、もう。
また一滴――
もう少しで、溢れそうだ。
このグラスいっぱいに、ストレスという名の雫を溜めて、零れ出すすれすれまで笑っている。
「ねぇ――」
ほら、見て。このグラス。
表面張力ってやつ。
――あと、あと一滴。
「――――」
決壊したら、どうなるだろう?