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鉱物
真昼の虹石
真昼の虹石は太陽の光を受けて虹色に輝く石だ。その発色はダイヤモンドにも劣らないとすら言われる。
光輝としか言いようのないその光は、同じように七色に輝くと言われるオパールのような鈍い光ではなく、様々な色合いのダイヤモンドが一席に集ったかのようと言われる。
しかしその発色は昼の光、太陽光線のみでしか現れることはない。
炎をはじめとするさまざまな人工の光のものでは透明な灰色の石でしかない。
そのためわざわざ真昼のという但し書きがつけられている。
夜には宝石の名を冠することすらおこがましい地味な石でしかない。
太陽以外の様々な光源で石の光を呼び起こそうと幾度も試みられているがいまだ成功したという話は聞かない。
残念ながらかの国でダイヤモンドのように光る宝石は夜貴婦人を彩るものだといわれている。
そのため、真昼の虹石が、実用のアクセサリーになる時は残念ながらほとんどない。