表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界録  作者: 世界記録端末


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/26

side:???

場所は、記録に残らない。


地図にも記されない。


人の領域でも、魔の領域でもない境界地帯。



空は薄く白み、

風は音を持たない。


世界の継ぎ目のような場所。



一人の影が立っている。


年若い。


軽装。


武装は最低限。



だが。


佇まいだけで分かる。


“戦える者”ではない。


“戦いを終わらせる側”の気配。



足元に広がるのは、


崩壊した魔獣の残骸。


地形ごと抉られた戦闘跡。



派手な魔術痕はない。


大規模詠唱の余波もない。



ただ。


最短で終わらせた痕跡だけがある。



「……また、か」


小さな呟き。



声は若い。


だが感情の起伏が薄い。



空を見上げる。


雲の流れ。


魔力の流れ。


命の流れ。



それらが“見えている”かのような視線。



胸元に淡い光。


刻印。


紋章。



それは一瞬だけ輝き、すぐに沈黙する。



誰にも気づかれない。


気づかれる必要もない。



“選ばれた”ことを誇る様子はない。



ただ。


役割を理解している者の静けさ。



遠く。


世界のどこかで生じた歪み。



視線が、東へ向く。



「ズレてる」



短い言葉。


意味は語られない。



風が吹く。


次の瞬間、姿は消えている。


転移でも高速移動でもない。


“そこにいなくなった”だけ。



残された大地に、


淡い光の軌跡がしばらく漂う。



世界はまだ、気づかない。



二人の勇者が

同時代に存在していることを。



(Side:了)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ