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今や泥のような夕焼けをかぶった辺り一面は、血の赤に染まり輝いています。
公園の景色、八車線道路、中央分離帯、電信柱、車、住宅街、そして、生寿の脈打つ両手と手首、さらには腕。何もかもが、熟れきった林檎のように真っ赤です。
(そうか……。生きてるのは、進んでるってこと。だから柔らかくて温かいのか。死んでるのは、止まってるってこと。だから冷たくて硬いんだ)
生寿の瞳から少しだけ失われた輝きは、たった今彼の体内で発生した精神的変化を如実に物語っていました。
揺れ動く、堕天使の光冠にも似た瞳の奥の小さな瞳孔。そこに映し出されている事後の世界は、これまでとは全く異なる、真紅の煉獄へと変容していたのです。
ー完ー




