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78 テロリスト⑦

支店メンバーの四人は雑居ビルの前で立ち尽くしていた。

「ナイスクリーン池袋店二階」と書かれた看板と窓に貼られた紙ビラが見える。

「今度はナイスクリーンかよ」と堀田がつぶやく。

四人は二階の扉を開けて中に入る。

コンパートメントで仕切られていて奥には扉が二つ見え、一つには店長室と札が張り付けてある。


受付のおばさんが出てきて四人を店長室に誘う。

「みえられました」とおばさんが中に声をかける。

「どうぞ」と聞こえてきたので四人とも中に入る。

前のフロアより若干大きく見える。


「座りたまえ」佐々木が声をかけるとそれぞれ以前と同じ位置に腰かける。

「ようやく支店が再稼働した、思ったよりも早かったな」と佐々木

「ニコニコ人材センター、とそれほど離れていないのですが大丈夫ですか」霞が問いかける。

「良いのだ、まさかこのように近くに移転しているとは思うまい」佐々木が答える。

「しかし「ナイスクリーン」とは掃除屋らしいですね」御剣が声をあげる。


「そうだな、さて、さっそく前回掃除した浜松の件だが、本部の連中が根こそぎ持ち帰った中に銃火器が複数含まれていた、菅藤が所持していた爆薬と似たようなものも多数含まれている」

「本気でテロをやるつもりなんだな」と堀田がつぶやく。

「その通りだ、パソコンやペーパーファイルから計画書のようなものが複数出てきたが、日付や状況からして決行しなかったモノがほとんどだった」


「具体的にはどのような計画なのですか」と霞。

「アメリカ大使館爆破、警察署爆破、地下鉄国会議事堂前駅爆破、規模の大きなものはこんなところだ」

「じ、実行されなくて良かったです」緑川が言う。

「うむ、どうも増田が帰国すると言う情報を得て、その間は潜伏していようと言う結論になったらしい」

佐々木は液晶ディスプレイに画像を出す。

「最も大きな収穫は本部の位置が割れたことだ、光の異能者にメール等のやり取りから手繰らせたところ極あっさり拠点が割れ、手紙でのやり取りもしていたようで、その住所とも一致した」


「本部はどこなんですか」堀田が声をあげる。

「新潟県燕三条だ」ディスプレイに航空写真の画像が浮かび上がる、これを見る限り工場建屋のようなものと、住居スペースが併設された施設のようだ、登録を調べると六年前に倒産した金属加工会社のものとなっている」


「本部の人は下調べに行ったのですか」と御剣が発言する。

「いや、今回は我々の出番は無い」

「えっどうしてです」堀田が声を張り上げる。

「以前にも言ったが今回は警察と異管との共同だ、さらに言えば警察は交番爆破事件と増田の国外逃亡を防げなかったこと、羽田空港爆破事件も加えて内部では義憤が高まっており、増田の確保は警察でやると息巻いており冲田さんもそこには一切口を出していない」


「浜松の一件で、銃火器や爆薬が大量に見つかっています、危険なのでは」御剣が不安そうな顔をする。

「SATが投入される、これは当然のことだな、だが一番重要なのは警察官自身が増田に手錠をかけると言うことなのだ」

「危険な掃除をやらなくていいのならこちらとしては悪くない話ですね」霞が腕組みをして言う。

「うむ、そう言うことだ」

佐々木の一言でこの事件は終わりを迎えた。

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