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41 パワードスーツ④

総社市での一件から一週間ほど経過したある日。

霞の異端に異共の着信があった、めくってみると支社のグループに①のマークが付いていた。

「本日十一時に支店に集合」と佐々木からのメッセージが入っていた。

「わかりました」と返すと時間をおいてメンバーのメッセージが入ってきたが堀田のメッセージだけが入らない。

堀田は総社市での掃除で銃で撃たれ肩を負傷していた。


(堀田のヤツまだ怪我の具合が悪いのか)霞はそう考えると異端を閉じた。。

十一時前に支店に入った霞は佐々木の部屋のドアをノックする。

入るようにと返事があり室内に入ると、堀田がソファーに腰かけていた。

「堀田、もう大丈夫なのか」

「痛いことは痛いけど医者はもう大丈夫だって言うから戻って来たぜ」


「良かったよ、他の二人も心配していたんだぞ」

そのような会話をしているとドアが開き、御剣と緑川が入って来た。

「堀田さん」二人は嬉しそうに叫ぶとソファーに座って来た。

「どうなることかと思っていました」と緑川。

「それほど長くはないと思ってがいたのですがもう良いんですか」


「おう、もういいよ、ただ掃除には参加できないけどな。

それを聞いて三人とも少しだけ肩を落とす。

「堀田が戻ってようやく四人そろったな、報告を聞いたときは私もどうなることかと思ったが、想像よりもひどくなくて良かったと思ったぞ、さて病み上がりの堀田には悪いが総社市での一件で、重大なことが判明した」と佐々木が切り出す。


「諸君の報告にもあったが、パワードスーツと呼べるものが確認された。

実物もそうだが、あの後すぐに入った岡山県警が資料の類を一切合切押収した、詳しい内容は避けるが、パワードスーツの設計図など、かなり詳細な物が入手できた」

部屋が薄暗くなり佐々木の背後にスーツの写真や何がしかのデータが表示される。

「スペックは君たちが体験したとおりだ、アレがあれば異管の異能者はかなり仕事がやりにくくなるだろう、脅威と言ってもいい、だがアレはプロトタイプと呼ぶべきもので、量産はされていないと判断された」

「あんなもんが量産されたら恐ろしいことになるぜ」一番身に染みた者である堀田が声を上げる。


「しかし懸念事項もある、資料の中には海外とやり取りをした痕跡があり、最悪の場面を想定すると、国外では量産されている可能性もある、だがそれは日本のように異能者対策としてではなく、マフィアの抗争や紛争地域への輸出が主だと上の方では見ている」

「どちらにしても不安材料になりますね、と御剣」


「そうだ、これは異管だけではなく警察も関わってくる事案となっており、押収したパーツのやり取りをしている者を徹底的にマークして網を張っている」

「同様のパーツを何点か購入したらあのスーツを制作している可能性がある、と言うことですね」と緑川。

「そうだ、その点は警察に任せることが出来て異管としては、非常にありがたいと言うことだな」

その後佐々木から若干の追加報告があり、解散となった。

「君たちは今回よく働いてくれた、死者も出なくて正直なところ安泰だと言ってもいいと思っている、堀田には悪いがな」


「いや、同感です、あの場面は下手したら死んでいましたよ、まぁ生きてるんで御の字ですけどね」と堀田は笑顔を見せえた。

「ふむ、堀田も復帰したし、君たちも危ない橋を無事にわたり終えたと言うことで私が食事を奢ろう、まあ駅前のガスタだがな」


「全員でメシ食うなんて無かったっですね」と堀田。

「そうだな、ウチは掃除屋だから歓迎会も忘年会もない」

「なんか嬉しいですね」と御剣が明るい声を出す。

「わ、私はビリヤニが食べたいです」と緑川。

いつになく明るい話になる。


ガスタに入るとすぐに店員が来て六人席に案内される。

席に座ると佐々木が「今日は何をどれだけ食べてもいいぞ」と切り出し、タッチパネルを差し出す。

「俺肉だよ、血が足りねぇからステーキだな」と堀田が端末をいじる。

「ビリヤニ、ありました」と緑川。

御剣はランチセットを選び、霞は端末を真剣にタップして最後に佐々木が注文をした。


「スペシャルセットとハンバーグセット、マルゲリータピザになります」店員がそう言うと霞が手を上げた」

「めっちゃ食べるじゃん霞君はさ」

「いや、うん」と歯切れの悪い霞だが目の前に置かれたメニューをどんどん咀嚼している。

支店メンバーはあっけにとられているが、御剣だけはニコニコしている。


他のメンバーのメニューもそろった後「チキンステーキとうどんセット」になりますと再び店員が現れ、霞が手を上げると全員が狼狽した。

「霞君そんなに食べるの」と堀田が話しかけてくる。

「うん、お腹がすくもんで」

「柊さんは良く食べるんですよ」と御剣。

「何でもとは言ったがそんなに食べられるのか」佐々木が問いかける。

「ふぁい、大丈夫です」と霞が言葉を返す。


霞が全て食べ終えると佐々木が言った。

「もしかしたらその食欲は異能が関係しているのか」

「多分そうだと思います、前にいた所の人もそう言っていましたし」

ナプキンで口を拭く霞を支店メンバー全員が見つめていた」



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