表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/84

38 パワードスーツ③

男がサイゲをこちらに向ける前に御剣はフロアに両手をつき、コンクリ壁を立ち上がらせる。

即座にビシリビシリと複数の弾着音が聞こえる。

それを見た作業員が逃げ出すが、一番近くにいた作業員に霞が水糸を絡め電撃を流して昏倒させる。

「散弾だ、範囲が広いから気を付けて」霞は声を上げる。

堀田が壁からサッと身を出して電撃を飛ばし、叩きつける。


「このスーツはセラミックと繊維の複合体ですから電撃は効きませんよ、異能者さんたち」

そう言いながらサイゲを連射してくる。

壁の縁に着弾させて顔を出せないようにしているのだ。

マガジン交換の音が聞こえた、御剣が顔を出しパワードスーツ男の足元にコンクリ塊を出現させて、男を吹き飛ばす。

宙を舞ってフロアに叩きつけられる。

その隙に堀田が右腕を出し電撃を叩き込もうとしたが、上半身を起こした男がサイゲを撃ち込んで来た。

堀田はよろめき肩から出血した。

「堀田さん」緑川が叫び、堀田に駆け寄る


「これは対異能者用スーツでしてほとんどの異能に対抗できるんですよ、あなたたちはテストケースと言う所です、性能が試せてラッキーでした」と男が楽しそうに言う。

「撤退しましょう」と御剣が叫び堀田を担ごうとする。

「緑川さん、壁の左側から、顔を出さないで良いので杭を全部射出してください」

緑川は硬直している「緑川さん」と霞が叫ぶと、わかりましたと言い木杭を前方に射出する。

同時に霞は「縮地」を使い宙を飛び、壁に張り付いた瞬時に、自らを前方に射出させパワードスーツ男に飛び蹴りをかます。


男は吹き飛びサイゲを取り落としてフロアに叩きつけられた。

そのまま足首を取ると霞は内側に思い切り曲げた。

同時に男が悲鳴を上げる。

「パワードスーツでも関節は柔らかいだろう、骨身にしみて覚えとけ」

霞はそう叫ぶと男の右肩関節を外し、即座に左の関節も外した。


「無力化した、回収を」霞が叫び、それを聞いた緑川が慌てて異端を操作する。

しばらく後「大阪公衆衛生局」の文字が書かれたバンが到着した。

「けが人です、急いで病院に」御剣が衛生局の職員に叫ぶ。

「痛ぇけど死にゃしないから大丈夫だよ御剣さん」

堀田が苦痛の表情でつぶやく。


程なくして担架を持った局員が走り寄り堀田を担架に乗せて走り出す。

「すぐもう一台が来て芥を回収しますから」

そう言うとバンは走り去った、三人とも建物の外で立ち尽くしているとすぐにもう一台の「大阪公衆衛生局」のバンが到着して、パワードスーツ男と、昏倒した作業員を乗せて走り去った。

「堀田さん、大丈夫でしょうか」と緑川がつぶやく。

「あの出血なら大丈夫でしょう、堀田には悪いが俺たちが出来ることはもう何もない、帰りましょう」

そう言って霞は歩き出した。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ