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第五話

(やっぱりダメか・・・)

私が諦めかけたその時だった。

「でも、条件付きなら考えてやってもいいぞ」

「本当!?」

美紀が思わず身を乗り出す。

「その条件は・・・我の願いを聞いてくれたらだ!」

「ベス!その条件って何?」

私は思わずベスに尋ねる。

「それは・・・勇者であるお前たちが、暇な時があったらでいいが我とお茶をしてくれることだ」

「・・・え?そんなことでいいの?」

私は思わず聞き返してしまった。

「ああ!勿論だとも!」

「わかった!なら、私たちはベスの茶飲み友達になるよ!」

私がそう言うと、美紀や杏子も頷く。

すると、ベスは嬉しそうに笑った。

(良かった)

私は心の中でほっとする。

(ベスとお茶をしながら話すのは楽しいもんね)

私も自然と笑顔になる。

「じゃあ、早速だが・・・今から我の部屋でお茶会をしないか?実はな、お前たちに食べて欲しいお菓子があるのだ!」

ベスが目を輝かせながら提案する。

「え!?いいの?」

美紀が驚きながらも嬉しそうに言う。

「ああ!勿論だとも!」

こうして、私たちはベスの部屋で過ごすことになったのだった。

「わぁー!凄い!豪華な部屋!ベッドもふかふか!あ!こんなところに可愛いユニコーンラビットのぬいぐるみ発見!」

ベスの部屋は、私たちが王国で住んでいる王城の部屋の、何倍もの広さがあった。

早速、天蓋ベッドに飛び込んだ美紀が可愛いうさぎのぬいぐるみを見つけ、抱きしめる。

「美紀!ちょっとはしゃぎ過ぎだよ~」

杏子がそんな美紀を嗜める。

「だって、ベスがこんなに可愛い部屋だとは思わなかったから」

「まぁ、確かにね・・・」

私も同意する。

ベスの部屋は白とピンクを基調とした家具や壁紙で統一されており、とても可愛らしい雰囲気だった。

「知れば知るほど可愛いよね~、ベスって~」

いつも通りののんびりした様子で、杏子が言う。

「だよね・・・私も同意見」

私は、魔王の部屋の可愛いさに驚きつつ同意する。

ベスは私たちを見て嬉しそうに笑っている。

「ふふふ!喜んで貰えて何よりだ!」

私たちは、ベスに促されるままテーブルにつくと、お茶とお菓子を楽しみながら雑談を始める。

その後も話は尽きず、私たちは夜通し話し合った。

そして、気が付けば朝になっていた。

「おはよう・・・杏子」

「あ、おはよ~悠里!」

私は眠い目を擦りながら起きると、隣で寝ていたはずの杏子は既に起きていたようで、挨拶をする。

「もう起きてたの?早いね?」

私がそう尋ねると、彼女は少し困ったような顔をして言った。

「・・・実はさ~、私って寝相が悪いみたいで・・・夜中に何度もベッドから落ちたり落ちそうになったりしててさ~」

そう言って苦笑いをする美紀に私も思わず苦笑する。

「あはは!何それ!」

「笑い事じゃないよ~、それで何度も落ちそうになったから、起きることにしたんだよ~」

私はベッドから降りると背伸びをする。

そして、ベスの様子を見るため室内を見渡す。

(あれ?ベスがいない)

部屋の中にベスの姿は無かった。

「悠里~!ここ見てよ~!」

杏子が私を呼ぶのでそちらに向かうと、彼女はベッドの下を覗いていた。

私も覗き込むとそこには・・・

「・・・え?」

なんと、そこにはぬいぐるみを抱きしめて、スヤスヤと眠っているベスがいた。

「えぇ~!?」

思わず大きな声が出てしまう。

「・・・悠里、し~」

杏子が私に静かにするように促してくる。私は慌てて自分の口を手で塞ぐとベスを見る。

(まさか、魔王がこんな可愛い寝顔をするなんて・・・)

私は驚きながらも、ベスの寝顔を眺めるのだった。

(それにしても、本当に可愛いなぁ)

そんなことを考えていると、突然部屋の扉が開く。

そこにはメイド長が立っていた。

「おはようございます、朝食の用意ができました」

彼女は笑顔で挨拶をする。

「あ、おはようございます、今、ベスと美紀を起こして行きますね」

私と杏子は手分けして、ベスと美紀を起こして朝食の席につく。

「わぁ~、朝ごはんも美味しそ~」

私たちは、揃って手を合わせると朝食を食べ始める。

朝食の内容は、焼きたてのパンにスープやスクランブルエッグといった簡単なものだった。

「美味しい!」

美紀が目を輝かせる。

私も一口食べると思わず笑顔になる。

(確かに美味しい)

私は心の中でそう思った。

「ふふん!そうだろう!我のシェフが作ったのだから当然だな」

そんな私たちを見てベスは嬉しそうにしている。

「うん!すごく美味しいよ!」

私がそう言うと、ベスはさらに嬉しそうな顔をする。

「そうか!なら良かった!」

そんなやり取りをしながら食後、私たちは一旦、王国に帰るための準備をする。

「もう帰ってしまうのか?もう少し居てくれても我は全然構わんぞ?」

寂しそうにベスが言う。

「ごめんね、私たちもいろいろ忙しいからさ」

私は申し訳なさそうに謝ると、ベスは渋々といった感じではあったが納得してくれたようだ。

そして、私たちは魔王城を後にした。

その後、王国に帰った私は美紀や杏子と一緒にお茶会を楽しみながら、ベスのことについて話したりしていた。

「ねぇ、悠里?私ね・・・やっぱりベスのこと友達だって思ってるんだ」

「うん、私もだよ!」

「そうだよね~、だって・・・」

私たちは、声を揃える。

「「「「あんなに可愛い魔王はいないもんね」」」

こうして、私と美紀と杏子はベスの友達になった。

私たちはその後、定期的にお茶会を開くようになり、その度にベスと楽しく過ごしたのだった。

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