第三話
私たちはテーブルにつくと、クッキーや紅茶を味わうように飲み始めた。
「美味しい~!このクッキーは程よい甘さでとっても美味しいね~!」
杏子はパクパクと口に運ぶ。
「ふふん!そうだろう!何せ、我の自慢のパティシエが作ったのだ!美味しいに決まっている!」
魔王は、嬉しそうに胸を張り誇らしげな顔をする。
私はそんな魔王をみて思わず微笑んだ。
(最後にして最強の魔王とか言われてるけど、案外子供っぽいのね)
私は、そんな事を考えていると・・・
「なぁ!お前たちもそう思うだろう!?」
魔王が急に私に話を振ってくる。
「えっ!?わ、私は美味しいと思うけど?」
「そうか!なら我も嬉しい!」
(意外にこの魔王って可愛いかも・・・)
私はそんな感情が芽生えた。しかし、すぐに首を振る。
(ううん!ダメよ!私たちはこの魔王を倒す為にここまで来たのよ!気を引き締めないと!)
私がそう考えている間にも、美紀や杏子はメイドやパティシエと仲良くなり、美味しいお茶の淹れ方やクッキーの焼き方を教えて貰ったりしている。
「ねぇ、魔王さん?もし良かったら今度お茶会を開く時は、呼んでくれない?」
美紀がおずおずと魔王に話しかける。
「おお!いいぞ!その代わりと言っては何だが・・・我と友達になってくれないか!?」
「「「え!?」」」
私と美紀と杏子は同時に声を上げる。
「・・・ダメか?」
魔王は少し悲しそうにする。
私は慌てて首を振った。
「ううん!そんなことないよ!?寧ろ嬉しいくらい!」
「そうか!良かった!なら、これからよろしく頼む!悠里、美紀、杏子」
「こちらこそよろしく!魔王ベスティア!」
私が握手をしようと手を差し出すと、魔王も握り返す。
「なぁ、我たちは友達になったのだよね?じゃあ、『魔王ベスティア』という呼び方じゃなくて、『ベス』と愛称で呼んではくれないか?」
「ベス?わかった、よろしくねベス!」
私がそう呼ぶと、ベスは満面の笑みで頷いた。
(魔王なんて恐ろしい存在だと思っていたけど・・・意外と可愛いくていい人かもしれない)
私はそう思い始めていた。




