冒険者ギルド
「ここが……冒険者ギルド!」
門を通り、中に入ると、そこはまるでホテルのロビーかのように広い空間だった。
床や壁は木製でありながらも頑丈そうな造りをしており、手入れが行き届いているのだろう、キラキラとした光沢を放っている。柱は石造りだろうか。
左脇に上の階へと続く階段のようなものがあり、幅が広く、緩やかなカーブを描いている。
右脇にはカウンターがあり、間隔を開けて女性の職員が4人並んでいる。
そして正面、かなり広いスペースで、木製の椅子やテーブルが規則的に配置されている。そこには何人かの冒険者と思わしき人物がおり、彼らの前には器と、ジョッキのようなものが置かれていた。食堂だろうか。
何人かの冒険者が、談笑しながら飲み食いしている。
食事の際は、ここを利用すればいいのか。
俺はその場を離れ、カウンターの前へと向かう。そして、そのまま一番右端の受付の前に立った。
「おはようございます。本日はどのようなご用件ですか?」
金髪のお姉さんが、にっこりとした笑顔でそう言った。
胸の名札には、リアスと書いてある。
「そのー、冒険者登録? をしたいのですが」
確かお金が必要なのは更新のときで、登録だけなら無料だったはずだ。
「新規の方ですか?」
「はい」
「では、こちらにお名前をお願いします」
そう言って、ペンと紙が差し出される。
「これって、フルネームで書いた方がいいですか?」
「いえ、お名前だけでも結構です」
氏名や名前といった欄が分かれておらず、どうやって書けばいいのか迷ったが、それなら名前だけでいいか。フルネームだと、どっち先にしたらいいか分かんないし。
俺は、その空欄に『ナギ』とだけ書いた。そこで気づいた。どうやら俺は、読みだけでなく、書きも自然とできるようなっているらしい。
「下に3つ質問がございますので、回答の方お願いします」
質問の内容は、「性別」「年齢」「冒険者になるのは今回が初めてか(初めてでない場合、簡単な来歴をご記入ください)」という旨のものであり、おれはそれぞれ「男」「17」「初めてです」と回答した。
「それでは冒険者カードの作成に参りますので、少々お待ちください」
リアスさんはそう言うとカウンターを離れ、裏手の方へ消えていった。
しかし、朝から笑顔を崩さない綺麗な人だった。よく見れば、他の3人もかなり整った容姿をしている。受付嬢にとって顔は重要なのだろう。
そろそろ6時半ごろになるのだろうか。
ちょくちょく人が増えてきている。先ほどまで手持ち無沙汰気味だった受付嬢も、今は一人を除いて客の応対にあたっている。
「お待たせしました」
彼女が小走り戻ってくる。
「では最後に、こちらの石板に手をかざしてください」
何やら紋章の刻まれた石板が差し出される。上部にくぼみがあり、そこに冒険者カードらしきものが挟まっている。
俺は言われるがままに右手を石板の上に乗っける。すると、俺の手を中心に、くぼみに沿って石板が光りはじめた。
「おお?」
カードを見ていると、空白だった下の部分に何やら文字が浮かんできていた。小さくて、よく見えない。
「はい、では一度こちらで確認いたします」
光が消え、文字が刻印されたカードを、リアスさんが手に取る。
彼女の目線が上から下へと移る。
「?」
彼女が首をかしげる。
どこかおかしな点でもあったのだろうか。彼女の目線が再度上下する。
そして、今度は顔をしかめた。カードの下の方、おそらく文字が刻印されているであろう場所を凝視している。
「……少々お待ちください」
彼女は、再び裏側へと消えてしまった。
切り方が中途半端。
次の更新まで間が空きます。
読んでくれた方には感謝しかありません。これからも見守っていただけると嬉しいです。




